October 10, 2014

スクロヴァチェフスキ指揮読響のブルックナー&ベートーヴェン

●9日はサントリーホールでスタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮読響。ブルックナーの交響曲第0番とベートーヴェンの交響曲第7番というプログラム。ブルヌルとベトシチ、と書くとなんだか粘っこくてばっちいが、前半のブルックナーからブラボーの声が多数あがるほどの盛況ぶり。後半のベートーヴェンは楽章間の間をとらずに一気呵成に驀進(少し前に聴いたデュトワもそうだったっけ)。燃焼度が高く、かつ独自性も感じられ、客席は盛大にわきあがった。さすがに91歳のスクロヴァチェフスキになんどもカーテンコールさせるのは酷ということなのか、早めに客電がついて舞台から楽員が退出したが、これだけの熱演に拍手が収まるはずもなく、当然のごとく一般参賀に。コンサートマスターは今月から就任の長原幸太さん。
●ブルヌル、やっぱり変な曲だと思う。ブルックナーは交響曲第2番以降はすべて傑作だと思ってるんだけど、0番はどうしても制作途上の作品だと感じてしまう。0という数字からくる先入観ではないと信じるが……。ちなみにゼロはドイツ語で「ヌル」なんだそうだけど、「ヌル」はデジタル系の用語として日本語に定着しつつあるから、ぜんぜん違う方角からやってきた言葉が思わぬところでばったり出会った、みたいな感あり。
●休憩時、男性側トイレにブルックナー行列ができていた。参加する。ブルックナー開始、ブルックナー休止、ブルックナー・リズムなどと並ぶ、ブルックナーの大きな特徴がこのオッサンだらけの行列である。

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