February 16, 2015

ラデク・バボラーク&新日本フィル~スーパー・ソリスト meets 新日本フィル

●13日の金曜日はいろんな演奏会が重なりまくっていたんだけど、すみだトリフォニーホールでラデク・バボラークのホルンを聴くことに。プログラムがスゴすぎる。前半はリサイタル。清水和音のピアノでベートーヴェンのホルン・ソナタ、シューマンの3つのロマンス、イェヘズケル・ブラウン(1922-2014)のホルン・ソナタ。後半は新日フィルとの共演でグリエールのホルン協奏曲とマルティヌーの「サンダーボルトP-47」。指揮はバボラーク自身。最後のマルティヌー以外は、ずっとホルンを吹きっぱなし。
●オーケストラにいたら、どんなにホルンが活躍する曲だって、ソロの聴きどころはほんのわずか。でもこのプログラムだったらずーっとバボラークのソロを聴いていられる。聴き惚れるしかない音色の美しさ、神技というほかない安定感。高速パッセージでもアーティキュレーションは明快。すべてに余裕を感じさせる、異次元のホルン。ぜいたくすぎる。
●グリエールのホルン協奏曲は、ホルン協奏曲としては大作で演奏時間25分ほど。以前、ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールで、バボラークがこの曲をとりあげていたのを見て圧倒されたんだけど、その後バボラークはN響でもこの曲を演奏してくれた。そのときの指揮はアシュケナージ。今回は吹き振り。あたかもバボラークのために書かれた曲であるかのような印象を受ける。曲想としてはチャイコフスキー風でもあり、ホルンで歌うイタリア・オペラのアリア風でもあり。ソリストの技量に全面的に依存する。
●ブラウンのソナタはおおむね19世紀末~20世紀初頭風の穏健な作風。技巧的。前半のアンコールにダマーズ「子守歌」。マルティヌーの「サンダーボルトP-47」ではバボラークは指揮棒を持って、堂々たる指揮ぶり。でもこれが最後の一曲だと客席がわかない。その前のグリエールではどっとわいたのに、やっぱりバボラークはホルンを吹いてくれないと……と思っていたら、アンコールにチャイコフスキーの交響曲第5番の第2楽章から。絶品というほかない見事なホルン・ソロで場内は再度わきあがったわけだけど、決定的な名曲はオーケストラのレパートリーのなかにあるという点で、ホルンのソリストという存在の宿命について、あれこれ思いを巡らせてしまう。やっぱり一年の半分くらいはベルリン・フィルで吹くってわけにはいかない?

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