March 18, 2019

「シャーロック・ホームズの冒険」(コナン・ドイル著/石田文子訳/角川文庫)

●先日、アンソニー・ホロヴィッツの「シャーロック・ホームズ 絹の家」を読んだら、コナン・ドイルの原典を無性に読みたくなった。で、シャーロック・ホームズ・シリーズで最初に刊行された短篇集「シャーロック・ホームズの冒険」(コナン・ドイル著/石田文子訳/角川文庫)を読むことに。この短篇集が書かれたのは19世紀末。すでに著作権は切れていることもあって、日本語訳は新旧さまざまな訳で出版されている。どれにしようか迷った末に、せっかくなのでなるべく新しい訳にしようと思って、この石田文子訳を選んだ(表紙も今風だし)。
●古い物語なのに、日本語は新しい。すると、どうなるか。まず、とても読みやすい。かび臭さが皆無で、すきっとリフレッシュされたシャーロック・ホームズに再会。ホームズはいつも辻馬車とか汽車で移動していて、急ぎの要件は電報で伝えるような社会に生きている。19世紀末の時代が描かれているけど、言葉はまったく古くない。これってなにかに似てるなと思い当たったのは、名作オペラの新演出。中身は古いのに、演出のおかげで最近作られた物語として味わえる。
●英語圏のひとたちはシャーロック・ホームズを100年前の言葉でしか読めないのに、日本語圏のわたしたちは新旧さまざまな日本語訳で読むことができる。何パターンもの「シャーロック・ホームズの口調」があるという不思議な豊かさ。

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