amazon
November 12, 2025

クリスティアン・ティーレマン指揮ウィーン・フィルのブルックナー

●11日はサントリーホールでクリスティアン・ティーレマン指揮ウィーン・フィル。ブルックナーの交響曲第5番、一曲のみ。全席完売。これはもう鉄板プログラム。コンサートマスターにライナー・ホーネック。弦は対向配置。第1楽章が始まってすぐにウィーン・フィルのまろやかで芳醇な音色に聴き惚れてしまう。やはり唯一無二。屹然として、荒々しい造形美を誇る交響曲第5番とウィーン・フィルの壮麗な響きの組合せがたまらない。たとえるなら、アイスクリームに熱々のエスプレッソをかけたような(違うか)。後半から一段ギアがあがって、第4楽章は怒涛の勢いでクライマックスに向けて突き進む。宗教的な恍惚感よりもパッションが前面に出た火の玉のようなブルックナー。第1楽章と第4楽章でティンパニをふたりで叩く場面が視覚的にも熱い。曲がおわると、完全な沈黙が訪れた後、地響きのような「うぉ~」とともに大喝采。今季最大の盛り上がり。やはりブルックナーにはおじさんたちの「うぉ~」がよく似合う。楽員退出後も拍手が鳴りやまず、ティーレマンのソロカーテンコールに。場内スタンディングオベーション。
●ブルックナーの交響曲第5番って、第4楽章の終盤に一瞬、「かわいい」が出てくるじゃないすか。4小節だけ、ヴァイオリンがスピッカートでうれしそうに駆け上がってくる場面。あそこでいつも、スキップしながらこっちに近づいてくるブルックナーの絵が思い浮かぶのは自分だけじゃないと思う。
--------
●先週、サーバーの問題で当サイトにつながりにくい状況がときどきあったが、ようやく復旧した模様。原因はもうひとつ、はっきりしない。

あなたのためのAI

このブログ記事について

ひとつ前の記事は「東京都現代美術館 日常のコレオ 開館30周年記念展」です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。