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November 17, 2025

IRCAMシネマ「チャップリン・ファクトリー」フェスティヴァル・ランタンポレル

●14日は東京文化会館小ホールでIRCAMシネマ「チャップリン・ファクトリー」。現代と古典の音楽のクロスオーバーをテーマとする「フェスティヴァル・ランタンポレル」の一公演で、無声映画に現代音楽を融合させるという試み。今回はチャップリンの映画にアルゼンチン出身の作曲家マルティン・マタロンが曲を付けた。舞台上に設置されたスクリーン上にチャップリンの3作品、「移民」「放浪者」「舞台裏」が上映され、これに合わせて作曲者指揮によるアンサンブルが曲を演奏する。と書くと、たんなる映画音楽に思えるかもしれないが、そういうことではない。音楽と映画の関係は付かず離れず。音楽は完全にモダンな書法で書かれた、IRCAMらしい「現代音楽」。必ずしも映像に音楽は同期していないが、ときにびっくりするほどの精度で同期していて、そこからユーモアが生まれる。たとえば、チャップリンがヴァイオリンを弾くシーンに呼応して、チェロ(あえて)がソロを弾いたり。
●チャップリンの映像はかなり強いコンテンツなので、観客としてはときに音楽が背景化して、「現代音楽のセルフパロディ」的に聞こえることもままあるのだが、全般に何とも言えない可笑しさがあって、これは映像だけでも音楽だけでも生み出せないテイストであることはたしか。表現形態として可能性を感じるものの、ゴールはどのあたりなのかな。音楽が主、ストーリーが従という点では、オペラ的でもある。
●80分ほどの上演後、そのままアフタートークが始まって、作曲者マルティン・マタロンに沼野雄司さんがインタビュー。興味深く聞く。どうやら作曲者が映像と音をシンクロさせていない場面でもこちら側で勝手に同期を読み取っている場面が多々あったのかも、と気づく。
●演奏者はアコーディオンとパーカッションふたりからなるTrio K/D/M(トリオ・カデム)、ソプラノの砂田愛梨、クラリネットの西川智也、チェロの髙木慶太、トロンボーンの髙瀨新太郎、IRCAMエレクトロニクスにディオニジオス・パパニコラウ、IRCAMサウンド・ディフュージョンにシルヴァン・カダー。
●同じ時間帯にサッカーのニッポン代表vsガーナ代表があった。後日、録画で見ることに。

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