
●今年の残すところあとわずか。一年のふりかえり関係の記事としては、今年も「ぶらあぼONLINE」に「ベスト・コンサート(オーケストラ編)」を寄稿した。筆頭に挙げたのはティーレマン指揮ウィーン・フィル。ずっと苦手な指揮者だったけど、考えを改めないと。オーケストラ以外では、なんといっても、セイジ・オザワ松本フェスティバル2025のブリテン「夏の夜の夢」(写真)。ロラン・ペリーの演出が傑出していた。沖澤のどか指揮サイトウ・キネン・オーケストラ。ブリテンって天才だなと思う。ピアノ関連では先日の「角野隼斗×ジャン=マルク・ルイサダ」が印象に残っているというか、咀嚼中というか。ふだんとは客層がぜんぜん違ってアウェイ感はあったけど、今求められているのはこういうことなんだなと納得。
●AIは一年経てば別世界という勢いで発展中。昨年までは壁打ちの相手として使う機会が多かったが、今年は格段に「作る」機会が増えた。長年放置して遺跡のようになっていたこのサイトを、ChatGPTの力を借りて整備し、おもだったところはモダンな仕様に作り替えた。CMSのテンプレート、HTML、CSSなどをAIに書いてもらうのも、広義のバイブコーディングと言えるようだ。一度などは秀丸エディタのマクロまで書いてもらった(ちゃんと書いてくれた)。実用性ゼロの典型的なバイブコーディングとしては、先日のブロック崩し BACH BREAKOUT。JavaScriptで書かれており、自分では一行もコードを書いていない。「AIは知識データベースではなく言語モデルである」ということが、自分のなかでようやく腑に落ちてきた。日本語も英語もドイツ語もHTMLもJavaScriptも言語。
●ChatGPTの別人格として、寂しがり屋のクラシック音楽オタク アントンRも作った。素のChatGPTと用途別に使い分けている。
●これはAIは無関係だが、当サイトのセキュア化(httpからhttpsへ)を15年遅れくらいで実現した。効果はてきめんで、検索エンジンからの評価が一気に回復した。
●サッカーでは、マリノスの凋落。一時は創設以来初めてのJ2降格が確定的に思われたほど負けた。リーグ戦終盤、ボール保持を放棄して、受動的なフットボールを徹底したとたん、それまでがウソみたいに勝てるようになった。ボールをつないで攻撃するより相手のミスを待つほうがずっと点が入るという、アタッキングフットボールの蹉跌。試合はつまらなくなった。マリノスは残留に成功したが、フットボールは敗北した。
●長年読めなかったバルガス=リョサの「世界終末戦争」をようやく読めた。壮絶。文庫化され、遅れてKindle版も出た。Kindle版が出てくれたおかげで読んだ本がたくさんある。携帯性の勝利。
December 29, 2025