
●14日はサントリーホールでセバスティアン・ヴァイグレ指揮読響。オール・ブラームス・プログラムで、悲劇的序曲、ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲(林悠介、遠藤真理)、交響曲第3番という名曲ぞろいのプログラム。どれも大好きな曲ばかりなので、ぜんぜんそう謳われてないけど、心のなかで自分にとってのニューイヤーコンサートだと思って楽しむ。ゲストコンサートマスターとして小森谷巧が帰還。楽団の名誉顧問である高円宮妃久子さま臨席。テレビカメラあり。
●悲劇的序曲は冒頭から気迫のこもった鋭い音。曲が渋いからなのか、演奏会では意外と聴けない曲。さらに渋味が魅力の二重協奏曲へと続いて、漆黒のロマンティシズムを堪能。二重協奏曲では第1コンサートマスターの林悠介、ソロ・チェロの遠藤真理がソロを務めた。ともに楽団員とあってオーケストラとの調和はさすが。大きな室内楽を聴くかのよう。ソリストアンコールではコントラバス用の椅子が指揮台の前に置かれ、なにが始まるのだろうかと思ったら、なんと、ブラームスの間奏曲作品118-2。晩年のピアノ曲のなかでもとりわけ憂愁の色濃い名曲だが、ソリストふたりに少人数の弦楽器が加わった編曲で。だれの編曲なのかと思って休憩中にアンコールの掲示を見たら、首席第2ヴァイオリン奏者の石原悠企編。絶品だった。
●後半、交響曲第3番はすべての楽章が静かに終わる交響曲。質実剛健とした造形ながら、ここぞという場面ではヴァイグレがオーケストラを煽り立てて、熱風を吹き込む。この日、珍しいことに前後半とも客席でスマホの音が長く鳴るアクシデントが頻発して、会場全体の落ち着かないムードがもしかしたら舞台にも伝播していたかもしれないのだが、ともあれ、おしまいはしっかりと静寂が保たれて余韻が残った。スマホにかんしては、いつ自分が失敗をする側に回るかわからないので他人事ではない。いつも電源を切るように気を付けているけど、うっかり忘れることもあるし、マナーモードでもアラームは鳴る。
January 15, 2026