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February 27, 2026

工藤重典プロデュース 東京チェンバー・ソロイスツ Vol.4

工藤重典プロデュース 東京チェンバー・ソロイスツ Vol.4
●25日は東京文化会館の小ホールへ。重鎮、工藤重典が率いる東京チェンバー・ソロイスツの第4回公演。工藤重典のフルート、森下幸路のヴァイオリン、中村洋乃理のヴィオラ、村井将のチェロ、リチャード・シーゲルのチェンバロによる室内楽の一夜。プログラムが最高で、聴きたい曲ばかり。編曲ものも含むが、前半がJ.C.バッハのフルート、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための四重奏曲ハ長調op.19-1、大バッハの「音楽の捧げもの」からトリオ・ソナタ、ジョリヴェのクリスマス・パストラル(fl,vc,cemb)、イベールの2つの間奏曲(fl,vn,cemb)、フランセの五重奏曲(fl,vn,va,vc,cemb)、後半がモーツァルトのディヴェルティメント第17番二長調K334より第1、3~6楽章(fl,vn,va,vc)。円熟味豊かな音の語らいをたっぷりと楽しむ。前半は一曲ずつ工藤重典がマイクを持って曲を案内するスタイル。
●クリスティアン・バッハで始まって、モーツァルトで終わるのは意図を持った構成だろう。クリスティアン・バッハからモーツァルトへの影響はよく指摘されるところだが、とくにこのフルート四重奏曲はモーツァルト的。モーツァルトの曲といってもよいほど……と言いたくなるところだが、実際にはモーツァルトのフルート四重奏曲がクリスティアン・バッハ的なんだと思う。細かく言うと、4曲あるモーツァルトのフルート四重奏曲のうち、第1番は正真正銘モーツァルト的なインスピレーションにあふれていると感じるけど、ほかの3曲はだいぶまだら模様というか、ホントにモーツァルトかなあ?的なところもちらほら。ジョリヴェのクリスマス・パストラルとイベールの2つの間奏曲の対比も吉。ジョリヴェ作品はこの題材なので呪術的魔術的雰囲気は控えめだけど、そうはいってもジョリヴェ。ジョリヴェとイベールにフォースのダークサイドとライトサイドの対照を感じる。そして、フランセに感じる量産型洒脱という才気。
●後半、モーツァルトのディヴェルティメント第17番K334は傑作中の傑作だと思うが、ホルン2本が入る原曲に対して、フルートと弦楽器による編成は異質。この編曲ではランパルが録音していたっけ。原曲にある秋めいた色調に代わって、フルートの清爽さが際立つ。第2楽章が省かれていたのは、時間の都合だろうか。この曲、自分は最初にカラヤン指揮ベルリン・フィルの録音で知って大好きになったのだが、今カラヤンを聴くと重戦車みたいなモーツァルトでたじろぐ(好きだけど)。
●アンコールに大バッハのシチリアーノ。カーテンコールの写真オーケーって書いてあったのに、うっかりして撮るのを忘れてた。惜しい。

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