
●東京都美術館の「スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき」展へ(~4/12)。スウェーデン国立美術館の協力で、約80点からなる19世紀末スウェーデン美術の展覧会。とくべつ有名な人がいるわけではないと思うのだが、行ってみると意外と盛況。上の絵はカール・ラーション「カードゲームの支度」(1901)。公式サイトでメインでフィーチャーされているのがこの絵なんだけど、ひとつの典型というか、スウェーデンらしい豊かな田舎暮らしを温かいタッチで描いている。こういったタイプが人気なのかな。

●こちらはアンデシュ・ソーン「故郷の調べ」(1920)。今回の展示から伝わるスウェーデン絵画の大雑把な流れとして、まずアカデミックな画壇が確立された後、パリに学んだ次世代が新たな潮流を生み出し、やがて「スウェーデンらしさ」を追い求める民族主義的作風が台頭する、という感じ。音楽の世界とよく似ていて、やっぱりこの時代は国民楽派みたいなものが美術の世界でもあるんだなと思う。これはその典型だろう。伝統的な民族衣装を身につけ、リュートを奏でながら故郷の調べを歌う女性。

●この絵はまちがいなく以前に見たことがあるぞ。アーンシュト・ヨーセフソン「水の精(ネッケン)」(1882)。その場では思い出せなかったが、帰宅してから、SOMPO美術館の「北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画」にも展示されていたことに気づく。セイレーンなど、水の中に男を引きずり込む水の精にはたくさんのバリエーションがあるが、ネッケンの場合はヴァイオリンを弾いているところが特徴的。水中でヴァイオリンを弾くのは無理だと思うが、水の精は物理を超越する。

●こちらはニルス・クルーゲル「夜の訪れ」(1904)。ゴッホみたいな夜空。夜の訪れをこんな鮮やかな色調で表現するのが、いかにも緯度の高い国という感じがする。光あふれる夜。光が馬の体にも降り注いでいる。坂本繁二郎が描く馬を思い出すのはワタシだけではないと思う。