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April 7, 2026

アンナ・プロハスカ with ジョヴァンニ・アントニーニ&イル・ジャルディーノ・アルモニコ

TOPPANホール アンナ・プロハスカ ジョヴァンニ・アントニーニ イル・ジャルディーノ・アルモニコ
●4日はTOPPANホールでソプラノのアンナ・プロハスカとジョヴァンニ・アントニーニ(指揮とリコーダー)&イル・ジャルディーノ・アルモニコ。「蛇と炎」の副題が添えられていて、以前にリリースされた同コンビによる録音と同じ趣旨の選曲。バロック・オペラにおけるヒロイン役のアリアを中心としつつ、さまざまな楽曲が集められた凝った構成になっている。長いけど記録のためにもプログラムを書いておくと、パーセルの「ディドとエネアス」より序曲と「ああ、ベリンダ、私は苦悩に押しつぶされそう」、グラウプナーの「カルタゴの女王ディド」より「流れる水のせせらぎよ」、サルトリオの「エジプトのジューリオ・チェーザレ」より「愛したくなどない」、ロックの「テンペスト」組曲よりガリアード、リルク、カーテン・チューン、カストロヴィッラーリの「クレオパトラ」より「さらば王国よ、王位よ」、サルトリオの「エジプトのジューリオ・チェーザレ」より「私が望めば」、パーセルの「妖精の女王」よりシャコンヌ「中国の男女の踊り」、グラウプナーの「カルタゴの女王ディド」より「空はずしりと雷をたたえている……裏切りの愛の神は」「嵐にかき乱されて」、サンマルティーニのリコーダー協奏曲へ長調、ハッセの「見捨てられたディドーネ」より「嵐はもう始まっている」、ヘンデルの「エジプトのジューリオ・チェーザレ」より「何ということ、神よ!……あなたの憐れみがなければ」、カステッロの4声のソナタ第15番、カヴァッリの「ディドーネ」より「誇り高きジェトゥーリの王よ」、ハッセの「マルカントニオとクレオパトラ」より「死の凄まじい形相に」、ロッシの「ルイージ氏のパッサカリア」、パーセルの「ディドとエネアス」より「この山は狩りの女神のお気に入り」「べリンダ、手を……私が地に伏すとき」。ふー、曲目一覧だけで560字あるから、紙媒体だったら載せられない!
●いろんな作品があるけど、中心となっているのはカルタゴの女王ディドとエジプトの女王クレオパトラ。つまり自ら炎に飛び込んで命を絶ったディドと、毒蛇に己を噛ませて死んだクレオパトラを合わせて「蛇と炎」セット。アンナ・プロハスカによる「女王様の七変化」ショーといった趣で、嘆いたり怒ったり誇ったりする。プロハスカは女王の貫録、強靭でもあり可憐でもある。さらにアントニーニとイル・ジャルディーノ・アルモニコは鮮烈。キレッキレとヌルヌルの両極を自在に表現できて機動性抜群。コントラストをマックスに振った猛烈な感情表現。プロハスカが女王様なら、アントニーニは王子様……と呼ぶのは無理があるかもしれないが、そうたとえたくなるほどのカッコよさ。リコーダーだけではなくトラヴェルソも披露してくれて、縦笛でも横笛でも暴れ回るのは文字通りの縦横無尽だなと思った。サンマルティーニのリコーダー協奏曲がすごい。リコーダーでこんなに躍動感のある音楽を作り出せるとは。あと、ロックの「テンペスト」組曲で、決然としたリルクから、カーテン・チューンの祈るような優しい音楽に移る流れが鳥肌もの。アンコールは2曲、パーセルの「ディドとエネアス」より「あとの危険を恐れたもうな」、サルトリオの「エジプトのジューリオ・チェーザレ」より「私が望めば」。
●同コンビによるアルバム「蛇と炎」のリンクを貼っておこう。曲は完全に同一ではないけど、おおむね重なっているはず。


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