
●17日はサントリーホールでファビオ・ルイージ指揮N響。プログラムはモーツァルトのクラリネット協奏曲(松本健司)とマーラーの交響曲第5番。かねがねマーラーの5番とセットになる曲はモーツァルトの「ハフナー」交響曲が多いと思っているのだが(少し短いのでちょうどいい)、この日の前半はクラリネット協奏曲で少し長めのプログラム。ソロはN響首席奏者の松本健司。ふだんからともに演奏する仲間たちとの共演らしく、ソロとオーケストラがすっかり一体となり、流麗優美。アンコールが同じクラリネット五重奏曲の第2楽章で、ヴァイオリンの郷古廉、森田昌弘、ヴィオラの中村翔太郎、チェロの藤森亮一がその場で加わる。これは絶品。全曲聴きたくなる。
●後半のマーラーは壮麗。やっぱりルイージら巨匠クラスが指揮台に立ったときのN響はすごい音が出てくる。響きの質感、密度、解像度に圧倒される。造形は決して中庸ではなく、意外性のあるテンポの変化やたびたびの管楽器のベルアップなど、ルイージ印のマーラーなのだが、以前のマーラーの交響曲第3番と同様、ポジティブなエネルギーにあふれている。ルイージが猛烈に煽る場面もあるとはいえ、鳴っているのはライトサイドのマーラーで、アイロニーやグロテスクさなどダークサイド成分はあまり感じない。高揚感あふれる終楽章が終わると、客席から大喝采。
●客席が盛大にわいたのに、カーテンコールを待たずにすぐに立ち上がる人が目立ったのは、終演が遅かったからだと思う。21時20分くらいだったかな。気持ちはわかる。
●舞台上にたくさんマイクが立っていた。なんらかの形でリリースされるのだろうか。
April 20, 2026