
●目黒区美術館の「岡田謙三 パリ・目黒・ニューヨーク」展へ。なじみのない美術館だったけど、行ってみたらとても居心地のよい場所だった。岡田謙三(1902-1982)の1920年代のパリ、帰国後の目黒区自由が丘、50年代以降のニューヨークでの3都市にわたる創作活動をふりかえる。上は「花売り」(1936)。なんとも言えない目つき。序盤はこんな作風なのに、これがどんどん変遷してゆく。

●こちらは「高原」(1939)。大作。神話的な光景で格調高い。こんなにクラシックなスタイルから、どんどんモダンなスタイルに変わってゆく。

●「シルク」(1947)。画風が一気に新しくなっている。サーカスという題材もモダンな感じ。

●で、こちらは「五人」(1949)。ぐっと抽象度が増して、研ぎ澄まされた雰囲気に。わ、そんな方向に進化するとは。見ていてテンションが高くなる。

●本領はさらにその先にあって、これが「雲と子供」(1966)。完全に抽象画になる。油彩なんだけど切り絵みたいな雰囲気で、色調も日本的。アメリカで自身の作風を「ユーゲニズム」(幽玄からの造語)と称したそうなんだけど、なかなかにキャッチー。

●こちらはタイトルも抽象化していて「重」(1965)。これも油彩。最終形態まで進化した感。「重」って、どういう意味なんだろう。概念としての重さ、重力のようにも思えるし、単に「お重」みたいにも見える。