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May 13, 2026

ラハフ・シャニ指揮ミュンヘン・フィルのマーラー「巨人」

ラハフ・シャニ指揮ミュンヘン・フィル
●今週は演奏会が多い。11日はサントリーホールでラハフ・シャニ指揮ミュンヘン・フィル。昨年、ロッテルダム・フィルと来日したイスラエルのラハフ・シャニが、今回は次期首席指揮者を務めるミュンヘン・フィルと来日。プログラムはモーツァルトのオペラ「後宮からの誘拐」序曲、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番(チョ・ソンジン)、マーラーの交響曲第1番「巨人」。弦は対向配置、コンサートマスターは青木尚佳。
●最初のモーツァルトから活力のある大柄な音楽。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番は、若き日の作品と言うよりは、深遠さを感じさせる表現。バレンボイムを連想する。バロックや前古典派の方向から眺めるのではなく、ブラームスやワーグナーの方向から遡った重くシリアスなベートーヴェン。といっても、オーケストラの音は柔軟で、澄んだ明瞭なサウンド。ソリストのチョ・ソンジンもシャニに歩調を合わせるように彫りの深い表現を展開。軽やかさも力強さも兼ね備えたベートーヴェンに。アンコールにベートーヴェン「悲愴」の第2楽章を弾いてくれた。詩情豊か、本領発揮。
●マーラー「巨人」は練り上げられた演奏で、個々のプレーヤーの技量の高さが際立つ。第3楽章、コントラバスのソロが朗々と歌ってソリスティック。以前はコントラバス一本で奏でる異色のソロにドキドキしたものだけど、最近はみんなうますぎて腕自慢大会の様相。終楽章は一段ギアを上げたかのようにパワフルで、ホルンに続いてトロンボーンも立奏するなどスペクタクル。最強奏でも響きは澄明。最後の一撃がビシッと決まったが、客席がみんなぐっとこらえて一瞬の余韻を味わってから、盛大なブラボーが出たのには感心してしまった。アンコールは以前のロッテルダム・フィルでもそうだったけどシャニ自身が編曲した作品。今回はシューベルトの「軍隊行進曲」を極彩色の編曲で盛大に。このセンスは理解できないが、立派な演奏に客席は大喝采。

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