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May 25, 2026

東京交響楽団 ロレンツォ・ヴィオッティ音楽監督就任記者会見

東京交響楽団 ロレンツォ・ヴィオッティ音楽監督 就任記者会見
●21日、ミューザ川崎で東京交響楽団のロレンツォ・ヴィオッティ音楽監督就任記者会見が開かれた。コンサートホールの舞台上で行われ、プレス関係者は客席に座るスタイル。新音楽監督のロレンツォ・ヴィオッティ、廣岡克隆楽団長、岡崎哲也理事長が登壇。冒頭に福田紀彦川崎市長のメッセージ紹介あり。すでにベートーヴェンとマーラーを組み合わせた就任披露公演が大成功に終わっており、廣岡楽団長からは「期待を大きく上回る成功」「客席を巻き込む力のある指揮者」とのコメント。
●ヴィオッティは音楽監督を務めることについて「大きな名誉であり責任を感じている。持てるエネルギーのすべてを注ぎ込みたい」と抱負を述べつつ、まずは取り組むべき課題として「若い聴衆を巻き込みたい。楽団員は年々若くなっているが、それに比べると聴衆は若返っていない。若い人々を呼ぶことを大きなミッションとしたい」。ヴィオッティ自身、36歳と指揮者としては若いわけだが、若い聴衆を呼ぶ試みに各地で取り組んでいる様子。なるほどと思ったのは「オーケストラはよく子ども向けの公演を行うが、そうではなく、大学生くらいの年齢の人々にアプローチしたい」
●ミューザ川崎の音響を称賛し、レストランにたとえて「シェフにとって最高のキッチンが最高の料理を作るように、オーケストラにとって最高のホールが最高の音楽を生む」。また、「一般的に日本の聴衆は非常に集中力が高い。先日の就任披露公演の後、ママに電話して『演奏中、あちこちで咳が出ないって信じられる?』と話した。楽章間で静けさが保たれているとき、聴衆との結びつきを感じる」
●新シーズンのプログラムでは、大作、フランツ・シュミットのオラトリオ「7つの封印の書」が目立つ。この作品について「楽団側からこの曲を提案されて、もちろんやらせてほしいと即答した。この曲は、昔、アーノンクールの指揮で合唱団の一員として歌ったことがある。いつかこの曲を指揮したいと思っていたが、どこのオーケストラでやりたいと言っても断られてきた。今日、この曲はウィーンでしか演奏されない。それなのに楽団から提案されたのだから、これは信じがたいこと」
●あとは印象に残ったのは、現代の作曲家として、ひとり名前を挙げるなら、トーマス・アデスと言っていたこと。それから、ヴィオッティは初めてのプロオーケストラの指揮が東響で、当時の記憶については「オーケストラが我慢強かった。また招いてもらえたのだから悪くなかったとは思うが、まだまだ自分は若かった」。プログラミングについて、マーラー・シリーズとかベートーヴェン・シリーズみたいなものは「好きではない。そういったシリーズもの企画は指揮者のため、あるいはレコード会社のためのもので、自分は興味がない」
●全体の印象としては、とても率直な語り口で、誠実で知的。東響は前任者ノットがあまりにも大きな成功を収めたので、次の監督はだれがなっても難しいんじゃないかと思っていたが、最高の人選だったんじゃないだろうか。
東京交響楽団 ロレンツォ・ヴィオッティ音楽監督 就任記者会見