
●東響の話題が続くが、24日はミューザ川崎でロレンツォ・ヴィオッティ指揮東京交響楽団。音楽監督就任披露と銘打たれた特別演奏会で、リヒャルト・シュトラウスの「4つの最後の歌」(マリーナ・レベカ)とラヴェルのバレエ音楽「ダフニスとクロエ」(東響コーラス)。前週のベートーヴェンとマーラーに続いて、練り上げられた完成度の高い演奏。ヴィオッティの音楽監督としての最初のシーズンからは多様なレパートリーに取り組む姿勢がうかがえるが、今回は前半に独唱者、後半に合唱が入るという意味では歌の回。
●「4つの最後の歌」のマリーナ・レベカは声量豊かで、艶やか、雄弁。オーケストラは繊細な響き。後半のラヴェル「ダフニスとクロエ」は鮮烈。色彩感が魅力の作品だが、透明感のある水彩画というよりは滲みのないマットなアクリル画というか。淡い官能性よりも、かっちりとした格調高さを感じる。フルートの冴え冴えとしたソロが印象的。終盤は熱量もありドラマティック。この日も客席は大喝采で、新音楽監督の就任披露としては望みうる最上の結果だったんじゃないだろうか。
●ヴィオッティはとてもカッコいいのだが、早く新しい「アー写」がほしい。「アー写」は露出が大きいほど、賞味期限が短くなるので。
May 26, 2026