
●26日はサントリーホールでシルヴァン・カンブルラン指揮読響。黄金コンビが帰ってきた。プログラムはメンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」、コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲(イリア・グリンゴルツ)、ドヴォルザークの交響曲第8番。先にカンブルランと読響はデュティユー他の公演があったが、そちらは都合が付かず。ああいったモダンなプログラムが本領だとは思うが、この日のような名曲プログラムでも、このコンビは本当にすばらしい。有名曲をすっきりと洗い直してくれる稀有な存在。
●一曲目のメンデルスゾーン「フィンガルの洞窟」から充実。見通しがよく明快で、キレがあり高分解能。もっさり感ゼロ。整った造形から自ずと奇観がもたらす神秘とロマンが立ち昇ってくる。あらためて完璧な名曲と実感。コルンゴルトではイリア・グリンゴルツのソロが細身で優美繊細。アンコールにタルティーニの30の小ソナタの第2番より第3楽章アレグロ・アフェットゥオーソ。後半のドヴォルザークの交響曲第8番は理想的な快演。整然として爽快、土の匂いどころか清潔感すら漂うスマート・ドヴォルザーク。ドヴォルザークの作品で、自分にとっていちばんグッとくるのがこの曲。あまりにも自然で、人間が作ったものという気がしない。大地に埋まっていたものを作者が掘り起こしたかのような錯覚を覚える。愉悦にあふれ、心の底から楽しめるドヴォルザークだった。拍手はあっさりと止んだのだが。
●カンブルラン、身のこなしがあまりに若々しくて、つい年齢を調べてしまった。77歳とは。カッコよすぎる。
May 27, 2026