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June 3, 2026

映画「スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー」 もうひとつの父子の物語

●映画館で「スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー」を観る。めちゃくちゃおもしろくて、びっくりした。結論はもう出ている。これが「スター・ウォーズ」の正史だ。「スター・ウォーズ」7~9はとっくに自分のなかでは存在しなかったことになっているのだが、このマンダロリアンの映画を「スター・ウォーズ」と銘打ったのは正解だと思う。ルークもダース・ベイダーもいないし、ジェダイも出てこないし、ジョン・ウィリアムズのテーマ曲もないが、まぎれもなく「スター・ウォーズ」。これでよかったのだ。
●「マンダロリアン」はもともとDisney+で配信されているドラマシリーズで、シーズン1からシーズン3までが公開されている。ダース・ベイダーが倒れた銀河帝国崩壊後の時代に、孤独な戦士マンダロリアン(マンドー)が民族の掟を背負って生き抜く様が描かれている。もともと「スター・ウォーズ」とは神話を時代劇/西部劇の文法で描いた物語だと思うが、「マンダロリアン」もまさにそう。ただ、ルーク・スカイウォーカーのような若者の成長の物語ではない。マンダロリアンは孤独なオジサンなのだ。ダークなテイストの物語になる。が、そこにグローグーというヨーダと同じ種族の幼児が加わったことで、「マンダロリアン」は父子の物語になった。時代劇の観点から言えば「子連れ狼」のスペースオペラ版。かつての「スター・ウォーズ」が子の立場から描いた父子の物語なら、「マンダロリアン」は父の立場から描いた育児の物語である。マンドーの戦いは、シングルファーザーの育児以外のなにものでもない。グローグーの愛らしさの背後にはつねにマンドーの苦悩や葛藤が潜んでいる。父性は「マンダロリアン」の最重要テーマだろう。
●今回の映画「スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー」に関して言えば、「スター・ウォーズ」シリーズではおなじみの裏社会の支配者ジャバ・ザ・ハットの息子に焦点を当てたことで、ぐっとストーリーに味わいが出たと思う。マンドーはあの息子の姿を見て、まちがいなくグローグーの将来について思いを馳せたはず。ディズニーっぽさは正直、ある。そこは許容するしかない。あと、過去の「スター・ウォーズ」へのオマージュが今までの映画ではぜんぜんうまくいっていないと思っていたのだが、この作品では見事に成功している。あの怪物たちと来たら……。結局のところ、大事なのは幹となるストーリーなのかな。

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