
●4日はサントリーホールでステファヌ・ドゥネーヴ指揮N響。爽やかな初夏を思わせるフランス音楽名曲集で、オネゲルの「夏の牧歌」、ベルリオーズの歌曲集「夏の夜」(ガエル・アルケーズ)、イベールの「寄港地」、ドビュッシーの「海」。こういった季節感のあるプログラムは大好物。オネゲルのホルンやイベールのオーボエなど、管楽器の聴かせどころも満載でご馳走感たっぷり。オネゲルの「夏の牧歌」ほど清涼感のある名曲もない。夏の高原そのもの。明るいけど、明るいだけではなく陰もある。ベルリオーズの「夏の夜」はメゾ・ソプラノのガエル・アルケーズが温かみのある声を披露。この曲、ベルリオーズにしては「こじらせ」系成分が薄くて、ひたむきな愛の音楽を味わえる。
●後半のイベールは痛快。色彩感豊かで清爽な響き。ドビュッシー「海」も同様にカラフルではあったのだが、ドゥネーヴが気迫のこもった指揮で、熱気にあふれたドビュッシーになった。おしまいは精緻なバランス感よりも情熱が勝って、すごい高揚感に。楽員退出後、いったん拍手が止みかけたが、そこから次第に高まって、ドゥネーヴのソロ・カーテンコールに。マエストロはうれしそう。愛すべきキャラクターが伝わってくる。
●今回もゲストコンサートマスターにジュリアン・ズルマン。
June 5, 2026