●2日は東京オペラシティで樫本大進(ヴァイオリン)、小菅優(ピアノ)、クラウディオ・ボルケス(チェロ)によるトリオ。改修工事があったのでオペラシティのコンサートホールは久々。ボルケスはドイツ出身で、ペルーとウルグアイ出身の両親を持つ。旧知の間柄の3人による親密なトリオ。曲は前半がモーツァルトのピアノ三重奏曲第7番ト長調K564、武満徹「ビトゥイーン・タイズ」、シューベルトの三重奏曲変ホ長調「ノットゥルノ」、後半がメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番ニ短調。
●名手ぞろいで一見、華やかな印象だが、とくに前半は寂しさや孤独といった要素を強く感じさせる。3曲とも作曲者の晩年の作品ということもあるのかもしれない。モーツァルトのピアノ三重奏曲第7番は、たとえばピアノ・ソナタ第16番変ロ長調K570などと同じで、長調なんだけど内省的な性格が強い曲。武満の「ビトゥイーン・タイズ」は偶然にも先月に葵トリオで聴いたばかり。ゆっくりと流れる時間のなかで時々刻々と変化する潮の満ち引きのイメージだが、波の連想も働く。つづくシューベルト「ノットゥルノ」にも寄せては返す波ような表現があって、つながっている。この曲も寂しげな音楽。後半のメンデルスゾーンはぐっと開放感が増して、情熱的でスリリング。3人のビジョンがぴたりと重なって、ひとつの音楽に結実したという印象。アンコールにベートーヴェンのピアノ三重奏曲第1番作品1-1より第2楽章。
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●ワールドカップはベスト16が出そろった。いよいよ、ここから。
●宣伝を。ぶらあぼに取材記事「INTERVIEW 平野一郎(作曲)× 成田達輝(ヴァイオリン) 禅の思想が息づくヴァイオリン協奏曲、世界初演へ」を寄稿。今、インタビュー取材の仕事は受けていないのだが、これは例外。楽しく、やりがいのある仕事だった。
July 4, 2026