●27日はサントリーホールでデイヴィッド・ロバートソン指揮PMFオーケストラ。札幌で開催されたパシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)の締めくくりとなる東京公演。今年の指揮者はデイヴィッド・ロバートソンということで、らしいプログラム。めったに聴けないストラヴィンスキーの管楽器のためのシンフォニーズ(1947年版)で始まって、吉本梨乃の独奏によるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、プロコフィエフの交響曲第5番という盛りだくさんのプログラム。かつてアンサンブル・アンテルコンタンポランの音楽監督を務めたデイヴィッド・ロバートソンも、すっかり老教授風になり、若者たちの指導はお手の物か。一曲目のストラヴィンスキーから立派な演奏。
●ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は吉本梨乃のソロが鮮烈。思い切りよく、きわめてエモーショナル、技巧は鮮やか。よく鳴って、輝かしい。ロマンティックなスタイルではあるけど、突き抜けている。またすごい若手が出てきたという印象。アンコールにパガニーニの「ヴェニスの謝肉祭」。キレッキレのテクニック。後半、プロコフィエフの交響曲第5番は若い力が爆発。勢いあまって、というところもあるけど、強靭なプロコフィエフの音楽に込められたアイロニーもしっかり伝えつつ、スリリングな運動性を表現。戦争交響曲でもありマシーンの音楽でもあるが、最後の着地点はけたたましい笑い。コントの幕切れみたいだなといつも思う。苦悩から哄笑へ。
July 29, 2026