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August 4, 2026

「刑事の境界線」(宮島明道)

●評判のよさにつられて、なにも知らないまま読んでみたら、おもしろくてびっくり。「刑事の境界線」(宮島明道著/宝島社文庫)は著者デビュー作となる警察小説。小金井の警察署が舞台になっていて、近隣の実在の地名がたくさん出てくるという意味では多摩小説でもある。主人公はふたりいて、章ごとに視点が変わる。ひとりは30代前半のまっすぐに職務に向き合う女性刑事。もうひとりは裏社会とつながっている悪徳警官なのだが、この人にはこの人の正義があって、むしろ共感できる人物として描かれる。成長する人と転落する人という組合せに妙味がある。ふたりが抱える事件が別個に進んでいくのだが、同じ警察署に勤めているのに、なかなか両者が出会わなくて、なるほど、こういう手があるのかと感心。
●多摩地域なんだけど吉祥寺でも立川でもなくて、小金井とか国分寺が舞台になっていて、そのあたりのローカル感とストーリーの規模が見合っているのが吉。読後感もよい。

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