April 14, 2009

ゾンビと私 その3 「バイオハザード」

●読者の方よりお便りをいただきました。「拝啓、iio様。先日貴サイトにて『ゾンビと私』の記事を読み、さっそく「ドーン・オブ・ザ・デッド」のDVDを鑑賞することにいたしました。ですが、どうしてもゾンビの恐ろしさに耐えられず最後まで見ることができません。「28週後……」も借りてみたのですが、やはり気分が悪くなってしまい、目を開けていられませんでした。一緒に見ていて主人もこんな気味の悪い映画を見るなと申しております。わが家でも楽しく鑑賞できるゾンビ映画はないのでしょうか?」
「バイオハザード トリロジーBOX」Blu-ray●ありますっ! そう、ワタシも同感なのです。ゾンビは好きだけど、ゾンビ映画は怖いから見てられない。近年次々ゾンビ映画が製作されてるけど、到底見る気になれない。でも、そんな臆病なゾンビ・ファンにも安心してオススメできるのが、こちらの「バイオハザード三部作」。もともとカプコンのゲームソフトを原案としてできた映画なので、ユルさという点ではゾンビ映画界でも抜群(たぶん)。そして意外にも三部作になってるほど、人気が高い。
●もちろん本質的にゾンビなので、人がどんどん襲われるゾンビ大盛り映画なんだけど、他のシリアス路線と違うのはあくまでホラー・アクションなので、「もう人類どうしたらいいの!」的な絶望に襲われずに済む。普通、「絶望」を基調とするゾンビ映画に「ご都合主義」は不要なんだけど、このシリーズではそれが立派に生きているのが救い。
●あと、目を見張るべきは、「バイオハザードIII」の舞台。まるで「マッドマックス2」みたいに、砂漠の中で生き残った人類たちが殺伐とした共同体を作りながら暮らしている。これは実に示唆的なのであって、いくら人類の大半がゾンビ化したところで、ゾンビそのものは増殖しない。つまり、人類が密集して暮らしていない場所は、ゾンビ化した世界でもやはり人口(いやゾンビ口か)が少ないままだから、都市部よりは生き残れるチャンスがずっと大きい。ラスヴェガスなんて街を少し出れば荒涼たる砂漠が広がっているんだろう、そんな砂漠ではゾンビが群れを成すほど大勢棲息している可能性はかなり低い。
●今後、ワタシたちの世界がゾンビ化した場合のことを考えると、これは重要なヒントになる。ただ、砂漠のように人口密度が極端に低い場所というのは、人間にとって生存の容易な場所ではない。自力で移動は困難なため、クルマなりバイクが必要になる。となれば、欠かせないのはガソリン。都市が放棄された終末的世界ではいかにガソリンを確保するかが己の生存確率を大きく左右することになる以上、「バイオハザードIII」が「マッドマックス2」に似てくるのは必然だ。1981年の「マッドマックス2」において世界を荒廃させたのが核戦争であったのに対し、2000年代の「バイオハザード」では「T-ウイルス」の感染拡大が原因であった。Tはtyrant(暴君)のT。「28日後……」&「28週後……」における「レイジ(憤怒)ウィルス」もそうだが、現代において世界を破滅させるのは人間の感情の暴発なのだ。

--------------
不定期連載「ゾンビと私」

トラックバック(0)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.classicajapan.com/mtmt/m--toraba.cgi/1148

このブログ記事について

ひとつ前の記事は「春の上野」です。

次の記事は「もうすぐYouTubeシンフォニーオーケストラ本番」です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。

ショップ

国内盤は日本語で、輸入盤は欧文で検索。