●さて、ワールドカップ2026北中米大会が開幕した。いつもは平日更新の当欄だが、W杯期間中は変則的なスケジュールで対応したい。開幕前からホスト国のアメリカとFIFAの運営について批判が吹き荒れているが(決勝戦は最安席でも100万円超)、ここでその話はしない。全試合を中継するDAZNのあくどいダークパターンの話もしない。前後半の長い飲水タイムが事実上のCMタイムでありサッカーがクォーター制になってしまったという話もしない。
●まず開幕して3日間で最大の驚きは、アジアの強さ。韓国が2対1でチェコに快勝。カタールはスイスと1対1でドロー。オーストラリアがトルコに2対0で完勝。なんと、すべて欧州のチームと戦って、無敗だ。チェコ、スイス、トルコ、いずれもかなり強い印象のある相手。これまで蚊帳の外だったアジアが、ついに覚醒したのか。明日早朝5時にニッポンvsオランダ戦がある。はたして後に続けるのかどうか。さすがにオランダは強いだろう。だが、気分としては、同グループのオランダ、チュニジア、スウェーデン、すべてが五分五分の相手だと思っている。全勝も全敗もありうる。大会の序盤を眺めて感じるのは、すべてが五分五分という印象だ。もちろん、強豪国がスロースターターなのはいつものことで、今回、従来以上の長丁場になったのだから、コンディションのピークはずっと先だとは思う。しかし、それを考慮に入れても、各国の力は拮抗している。
●日本戦を別として、グループリーグはハイライト試聴で済ませるつもりだが、ブラジルvsモロッコ戦だけは一通り見た。モロッコの個のスキルの高さにびっくりする。ブラジル相手でも、そこまでボールをキープできて、前に運べるのかという驚き。モロッコが先制して、ブラジルがヴィニシウス・ジュニオールのゴールで同点に追いつき、1対1のドロー。内容的にはややモロッコが優勢という印象で、ブラジルを1ミリも恐れていない。まあ、そうだろう。みんな所属チームは欧州の有名クラブがほとんど(あとはサウジの金満クラブ)。
●ブラジル代表の監督がイタリア人のアンチェロッティだというのも隔世の感。アンチェロッティが率いていてもブラジル代表はブラジル代表……なのか。そもそもブラジル的な破格のスーパースター、たとえばかつてのロナウドやロナウジーニョ、ロマーリオ的な存在がここにいるかといえば、なんともいえない。「ワールドカップとは自国を別とすればブラジルを応援する大会である」という暗黙の前提は、もはや伝説なのか。別の言い方をすれば、ワールドカップとは「ブラジルにしか使えない魔法がある」という真実かもしれないし幻想かもしれない仮定を信じるロマンティックな大会であるということなのだが。
worldcup2026: 2026年6月アーカイブ
June 14, 2026