News: 2015年2月アーカイブ

February 27, 2015

ラ・フォル・ジュルネ新潟2015プレイベント ~ FM PORT公開録音のお知らせ

●お知らせをひとつ。今週末、3月1日(日)午後1時30分から、新潟でラ・フォル・ジュルネ新潟2015プレイベントに出演します。これは昨年も同様の企画を行なったんだけど、ラ・フォル・ジュルネ新潟の聴きどころについて、ワタシと高野麻衣さん(新潟のご出身です)、FM PORTナビゲーターの遠藤麻理さんでおしゃべりするというトークイベントです。場所は新潟日報メディアシップ1階エントランスホール。FM PORTの番組「クラシックホワイエ」の公開録音という形で開催されるもので、入場無料、予約もなんにもいらなくて当日ぶらっと立ち寄ればオッケーという気軽なイベントなので、お近くの方はぜひご参加ください。

ラ・フォル・ジュルネ新潟プレイベント
●↑この写真は昨年の模様。なにしろ予約不要のイベントなので、何人の方が来てくださるのか事前にさっぱりわからず、都市人口比を考えれば東京のイベントの10分の1を目安と考えて、だいたい20人前後かなあと思っていたら、どどどーっと一ケタ多い人数の方が来てくれて、びっくりしたのであった(本気で驚いた)。しかもなぜか、仮面ライダーまで来てくれた。詳しい事情は知らないんだけど、新潟のあちこちに出没する仮面ライダーさんがいるんだとか。ライダーもラ・フォル・ジュルネが気になるらしい。今年も来てくれるのだろうか。仮面ライダーさん、今年のテーマ「パシオン」が君を待ってるぞ。とぅ!

February 26, 2015

ピョートル・アンデルシェフスキのリサイタル

●25日は東京オペラシティでピョートル・アンデルシェフスキのリサイタル。今もっとも聴くのが楽しみなピアニスト。前回聴いたリサイタルはその年の一二を争うほど強い感銘を残してくれた。今回は事前発表から少し曲目が変更されて微妙に惜しかったんだけど(ヤナーチェクがなくなったし、イギリス組曲も変更あり)、いざ演奏が始まればもうそんなことはすっかり頭から飛んでしまう。前半がバッハでフランス風序曲ロ短調、イギリス組曲第3番ト短調、後半がシューマンで「精霊(天使)の主題による変奏曲」、幻想曲ハ長調。
アンデルシェフスキのバッハ:イギリス組曲●前半のバッハは前回聴いたリサイタルや少し前にリリースされたCDの印象からすると、やや様子が違っていて、少し大柄な音楽になっていたと思う。豊満というほどではないし、まちがいなくアンデルシェフスキの音楽なんだけど、表現の振幅という点でリミッターが心持ち緩めに設定されていたというか。でも、この流れが後半のシューマンに入ると功を奏して、みずみずしい詩情にあふれた名演になった。変奏曲が終わった後、拍手なしでそのまま幻想曲に突入できたのも効果的。幻想曲は少し前にポゴレリッチの怪演に圧倒されたのがまだ記憶に新しく、あのときの異様な演奏がエコーのように遠鳴りして困ってしまうのだが、なんとか押し留めることができた。
●幻想曲の後、やはり客席はひと息しんと静まって、余韻をたっぷりと味わった。あと一世代くらいすると、東京の客席から「演奏終了後の拍手」という習慣がなくなるかもしれない、と思わんでもない。アンコールがなくてもおかしくない雰囲気だったが、すぐにピアノに向かい、ベートーヴェンの6つのバガテル作品126の第1曲。これはすごくいい選択では。同じ作品126のバガテルでも第3曲アンダンテのほうがアンコールに向いてそうだけど、第3曲は完結した小宇宙を作ってしまうので、シューマンの余韻の後に聴くなら、より「開いた曲」である第1曲なんだろう……と思っていたら、次のアンコールが126の第2曲。で、拍手を待たずにすぐさま続けて第3曲も弾いてくれた! すばらしいなあ。じゃあこのまま最後まで弾いてくれないかと思ったけど、さすがにそんなことはなくて第3曲でおしまい。時計を見るともういい時間だった。

February 25, 2015

ティーレマン指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団でシュトラウス&ブルックナー

●24日はティーレマン指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団へ(サントリーホール)。R・シュトラウスの「メタモルフォーゼン」とブルックナーの交響曲第9番というプログラム。機能性全開のスーパー・オーケストラ路線とは異なる、ローカリズム豊かなサウンドを味わう。弦楽器は対向配置、コントラバス下手側で、これはパーヴォ&N響と同様。ブルックナーの第3楽章が白眉。すっかりティーレマンの術中にはまって、儀式的な陶酔感を堪能する。不自然でなじめないと思うことも多いティーレマンの指揮も、このコンビのブルックナーであれば伝家の宝刀を抜いたといった感じ。
●ブルックナーが静かに終わった後に完全な静寂が訪れた。帰路で「メタモルフォーゼン」のおしまいの部分を思い出しながら、二重の余韻に浸れる好プログラム。
●昔はブルックナーなんてモテない男の妄執が昇華されてるみたいでなにがいいんだかさっぱりわからないと思っていたけど、今はどの曲を聴いてもしみじみと感動してしまう。ブルックナーの9番は、こうして聴くとやっぱり第3楽章で曲が終わっている。どう考えてもこの続きはない。でも、ラトルの録音でSPCM2012補筆完成版を聴いたときは、やっぱり終わってないじゃん、と思った。終わると思って演奏されるとそこで終わるし、終わらないと思って演奏されると終わらないものなのかも。第3楽章削除完成版で演奏したら、きっと第2楽章で終わったと感じるにちがいない。

February 24, 2015

「ところで、きょう指揮したのは? 秋山和慶回想録」(秋山和慶、冨沢佐一著/アルテスパブリッシング)

ところで、きょう指揮したのは? 秋山和慶回想録●読む前からこれはおもしろいに決まっていると確信できる一冊だったが、ほんの少しだけと思ってページをめくりはじめたら、結局ほとんど一気読みに。「ところで、きょう指揮したのは? 秋山和慶回想録」(秋山和慶、冨沢佐一著/アルテスパブリッシング)。ていねいな取材がもとになっていて、文章はきわめて読みやすい。そしてなにより秋山さんの人柄(とてつもなく偉い人なのに偉そうにしない)が滲み出ていて、読後感がいい。
●ヴァンクーヴァー交響楽団での大成功など(今でも本宅はヴァンクーヴァーにあるそう)、全体としては美しい話が多いんだけど、やっぱりそうではない部分が強く印象に残る。東響の専属指揮者に就任して(「当時、東響は高給で知られていました」とある)、1964年にデビューを果たすんだけど、その一か月半後にTBSなどから契約が打ち切られて、楽団の解散が発表されてしまう。楽団長の入水自殺という悲劇があるが、そこから楽団の自主再建のために奔走する。仕事をとりまくってオケを3つに分けて活動したとか、一年間ほぼ一人で指揮して白髪がみるみる広がったとか、給料を出せずに楽団員が次々と去ったとか、淡々と書かれているけど迫力がある。
●「(楽団員に対して)指揮者はていねいに受け答えしなくてはならない。けっして怒ったり、どなったりしないようにしているし、できない奏者を名指しで攻撃するようなこともしないよう、自ら戒めてきた」という秋山さんの人物像はすごく納得できるものだけど、人間的な暖かさの一方で指揮者としての厳しさもあちこちにあらわれている。ヴァンクーヴァー交響楽団では「何回指摘してもダメな場合、替えるしかない」と30人ほどを入れ替えたことや、近年でも中部フィルの改革にあたって楽団員の再オーディションを敢行してユニオンと対立したことなども記されている。多くの点で北米の音楽環境を恵まれているとしながらも、強すぎるユニオンに対しては手厳しい。
●この書名も秀逸。「ところで、きょう指揮したのは?」という書名を見て、ワタシは「あ、これは秋山さんのことを知らない外国人音楽家かだれかが、公演に感銘を受けてその日の指揮者はだれなのかと尋ねているんだな」と解した。でも違ってた。これは秋山さんが理想の指揮を語る一節で、指揮者が目立たずオケがすばらしい演奏をすることを挙げ、「ああ、いい演奏だった。ところで今日の指揮者はだれだったっけ」と言われるくらいがよい、と語ったことに由来している。

February 20, 2015

パーヴォ・ヤルヴィ&N響とアンデルジェフスキ

●19日はパーヴォ・ヤルヴィ指揮N響へ(サントリーホール)。シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」、モーツァルトのピアノ協奏曲第25番ハ長調(ピョートル・アンデルジェフスキ)、シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」という、ボリューム感のあるプログラム。記者会見で発表されたように、この日はシュトラウスがソニーによって収録された。ステージ上にはいつもはないマイクが林立。B定期二日目なので、すでに初日とゲネプロは録ってあるんだろう。「英雄の生涯」でソロを弾くコンサートマスターは篠崎さん。首席指揮者就任決定後初登場となるパーヴォだが、定期の3プログラムはすべてコンサートマスターが違っていた(含むゲスト)。
●「ドン・ファン」から出てくる豊麗なサウンドが普段のN響とはずいぶん違っていて、改めて新時代の到来を実感。座席の違いや初日か二日目かの違いもあるから、感じ方は人それぞれだと思うんだけど、やっぱり最初のAプロの「巨人」がいちばん大きな変化を感じた日で、Cプロのショスタコーヴィチはいくらか従来のN響側に振れて、Bプロでまたパーヴォ色が出てきたという感触。アンデルジェフスキのモーツァルトは近来まれに見るすばらしさ。慎重に制御されたリリシズム、自在に飛翔するモーツァルト。ウィーン時代の協奏曲のなかでも第25番ハ長調はアンデルジェフスキらしくない選択かなと思ったけど、聴いてみて納得。少しマッチョなこの曲こそ、アンデルジェフスキによるバージョンアップが必要だった。弦楽器を刈り込みバロック・ティンパニを用いたオーケストラも細部まで意匠がこらされていて見事。アンデルシェフスキはアンコールにバルトークの「チーク地方の3つのハンガリー民謡」を弾いてくれた。これは録音でもカーネギーホール・ライブのアンコールで弾いていた曲だっけ。
●3つのプログラムすべてで、弦楽器は対向配置、かつコントラバスを下手に並べるスタイル。先日の記者会見後のレセプションで尋ねたところ、パーヴォ氏は「基本的に毎回この配置を採用する、ただしいくつか向いていないレパートリーがある」ということだった。
●ところで、この日、「英雄の生涯」が終わった直後、拍手がまったく出なかった。この曲なら当然? いやいや、終わってすぐに拍手が出ないだけではなく、指揮者がタクトをおろしてもまだだれも拍手しなかった。だれもが拍手をするタイミングを失ってしまい、結局指揮者に促されて拍手が出たという、珍しい光景を目にした。
●なぜ、そうなったんだろう。ライブレコーディングしているという意識が拍手を過剰に控えさせたとか? いや、そんなことはないだろう。自分が採用したい仮説は、この曲が「英雄の死」で終わったから。追悼の音楽と受けとってお客は拍手を控えた。客席は楽曲中の登場人物をすすんで実体化させたのである……としておきたい。

February 18, 2015

平均年齢65歳

●以前、なにかの映像でメトロポリタン・オペラ総裁のピーター・ゲルブが語っていたことなのだが、ゲルブが総裁に就任したとき、METの観客の平均年齢は65歳だったという。それで、5年前はどうだったかと調べてみると平均年齢は60歳だったとか。「さあ、このまま放っておいたらどうなるか、明らかだよね?」。そんな口調で、ゲルブはなぜMETライブビューイングのような新しいチャレンジが必要なのかを語っていた。
●で、それとは別に一般論としてなんだけど、シニア層が多いイベントでお客の平均年齢を語るときに、算術平均を使うのは要注意だと思う。たとえば、7人のお客さんがいたとしよう。

73歳、64歳、70歳、67歳、61歳、60歳、20歳。

ベテラン勢に交じって、一人だけ20歳の若者がいる。きっとマニアだ。算術平均でお客さんの年齢を算出すると、59歳ということになる。しかし、この客層で平均年齢59歳といわれても納得できないだろう。だって平均の59歳より若いのは、20歳の若者ただ一人なんだから。
●こういうときは中央値を出すと感覚的にぴったりくる。中央値、つまり7人中4番目の年齢の人は64歳。そう、そんな感じのイベントだ、これは。シニア層中心の客層だと、下のほうに極端にはずれた年齢の人はときどきいるが(20代とか10代とか)、上のほうに極端にはずれた年齢の人(110歳の人とか)というのはまずいないためこうなる。
●ピーター・ゲルブが語っていたのが算術平均なのか中央値なのかは知らない。

February 17, 2015

LFJ2015、ルネ・マルタンがソムリエ・サロンで来年以降のテーマ案を披露

LFJ2015、ルネ・マルタンのソムリエ・サロン
●そういえば13日のラ・フォル・ジュルネの記者発表が開かれた後、夜にルネ・マルタンのクラシックソムリエ・サロンが開かれたのだった。これは一般ファン向けにマルタンさんが今年の音楽祭の企画内容を紹介するイベントで、かなり人気が高い。今年は特に応募が多くて(抽選になる)、会場を例年より広い展示ホールに変更したのだとか。
●で、例年だとだいたい昼の記者会見と同じような内容が語られて、違うのはこちらは曲が流れるということくらいのものなんだけど、今年はさりげなくソムリエ・サロンだけで来年以降の構想が語られていた。つまり、今年のLFJは「パシオン」で、2016年は「自然」、2017年は「ダンス」、2018年は「亡命」(エグザイル)がテーマになる、と。
●この話は以前、少人数の懇親会でも語られていた話なので初出ではない。とはいえ記者発表で出なかった内容が突然ポーンと発表されたので印象に残った。深い意味はなくて、たまたまなんだろうなとは思うけど。

February 16, 2015

ラデク・バボラーク&新日本フィル~スーパー・ソリスト meets 新日本フィル

●13日の金曜日はいろんな演奏会が重なりまくっていたんだけど、すみだトリフォニーホールでラデク・バボラークのホルンを聴くことに。プログラムがスゴすぎる。前半はリサイタル。清水和音のピアノでベートーヴェンのホルン・ソナタ、シューマンの3つのロマンス、イェヘズケル・ブラウン(1922-2014)のホルン・ソナタ。後半は新日フィルとの共演でグリエールのホルン協奏曲とマルティヌーの「サンダーボルトP-47」。指揮はバボラーク自身。最後のマルティヌー以外は、ずっとホルンを吹きっぱなし。
●オーケストラにいたら、どんなにホルンが活躍する曲だって、ソロの聴きどころはほんのわずか。でもこのプログラムだったらずーっとバボラークのソロを聴いていられる。聴き惚れるしかない音色の美しさ、神技というほかない安定感。高速パッセージでもアーティキュレーションは明快。すべてに余裕を感じさせる、異次元のホルン。ぜいたくすぎる。
●グリエールのホルン協奏曲は、ホルン協奏曲としては大作で演奏時間25分ほど。以前、ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールで、バボラークがこの曲をとりあげていたのを見て圧倒されたんだけど、その後バボラークはN響でもこの曲を演奏してくれた。そのときの指揮はアシュケナージ。今回は吹き振り。あたかもバボラークのために書かれた曲であるかのような印象を受ける。曲想としてはチャイコフスキー風でもあり、ホルンで歌うイタリア・オペラのアリア風でもあり。ソリストの技量に全面的に依存する。
●ブラウンのソナタはおおむね19世紀末~20世紀初頭風の穏健な作風。技巧的。前半のアンコールにダマーズ「子守歌」。マルティヌーの「サンダーボルトP-47」ではバボラークは指揮棒を持って、堂々たる指揮ぶり。でもこれが最後の一曲だと客席がわかない。その前のグリエールではどっとわいたのに、やっぱりバボラークはホルンを吹いてくれないと……と思っていたら、アンコールにチャイコフスキーの交響曲第5番の第2楽章から。絶品というほかない見事なホルン・ソロで場内は再度わきあがったわけだけど、決定的な名曲はオーケストラのレパートリーのなかにあるという点で、ホルンのソリストという存在の宿命について、あれこれ思いを巡らせてしまう。やっぱり一年の半分くらいはベルリン・フィルで吹くってわけにはいかない?

February 13, 2015

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2015記者発表

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2015記者発表
●12日は東京国際フォーラムでLFJ2015の記者発表。注目の有料公演プログラムもどどーんと発表された。タイムテーブルはこちら。ウェブ版タイムテーブルを見ると、公演ごとのキャッチコピーだけで曲も演奏者も出ておらず、もうワンクリック必要になってしまうので、印刷用タイムテーブル(PDF)を見るのがオススメ。
●今年のテーマは「PASSIONS(パシオン)恋と祈りといのちの音楽」。PASSIONSを「祈りのパシオン」「恋のパシオン」「いのちのパシオン」の3つの切り口からとりあげたというプログラム。わかりやすいような、わかりづらいような……。自分なりにもう少し違う言葉で解するとしたら、むしろ二本柱と思っておきたいかな。一つの柱は宗教音楽、特にキリストの受難(PASSION)。バッハのマタイ受難曲&ヨハネ受難曲、ハイドンの「十字架上のキリストの最後の言葉」、リストの「十字架への道」、ペルトのヨハネ受難曲、等々。もう一つの柱は恋愛感情についての情熱。ベルリオーズの幻想交響曲や、ベートーヴェンの「熱情」「月光」ソナタ、ショパンのピアノ協奏曲第1番、シェーンベルクの「浄められた夜」等々。
●プログラムをじっくり眺めているところだが、バロック中心のコースもロマン派中心のコースもどちらでも可能。バッハ・コレギウム・ジャパンやラ・ヴェネクシアーナ、リチェルカール・コンソートとカルロス・メナら、古楽勢を追いかければ、自然とバロックの音楽祭になる。一方で、今回注目の若手指揮者ということで、ロベルト・トレヴィーノ指揮シンフォニア・ヴァルソヴィアやアジス・ショハキモフ指揮デュッセルドルフ交響楽団を押さえつつベレゾフスキーやギンジン、ラーンキ、デルジャヴィナ、ペヌティエらのピアニストをハシゴすればぜんぜん違った光景の音楽祭になる。
●よみうり大手町ホールは使わない模様。よみうりホールは健在。よみうり違いで混同する心配はなくなったか。
●今年新たに設けられた「U-25割引」。25歳以下の方は、当日に残席のある公演のみ、当日券を半額で購入できる。これは強烈。予想以上の効力を発揮するかも。

February 10, 2015

N響記者会見にパーヴォ・ヤルヴィ

N響記者会見にパーヴォ・ヤルヴィ
●9日はNHK交響楽団の記者会見。まず今年の尾高賞に藤倉大作曲 Rare Gravity for orchestra が選ばれたと発表。藤倉さんは2回目の受賞。現在欧州滞在中ということで授賞式にはビデオメッセージで登場。
●続いて、9月より首席指揮者に就任するパーヴォ・ヤルヴィが登壇。「このすばらしいオーケストラの歴史の一部となれて光栄に思う。初めて共演したのは10年以上前のことになるが、オーケストラの力強さ、精密さが印象に残っている。今回、まずは2公演を終えたところだが、その印象はさらに強まっており、またN響の音楽に対する姿勢や、柔軟性に非常に感銘を受けている」。
●首席指揮者としての抱負はこんなふうに語ってくれた。「大切なのはオーケストラと有機的なつながりを持って、信頼関係を築くこと。これは時間のかかることだが、すでに2回の公演で手応えを感じている。いったんオーケストラとの絆ができると、人間関係の垣根がなくなり、より柔軟で自由な音楽づくりができるようになる」。
●伝統のあるN響を指揮することについて。「N響ではバランスを重視したい。このオーケストラの首席指揮者を引き受けたのは、このオーケストラを知っていたからであり、オーケストラの歴史を尊敬しているから。だからその伝統に逆らおうとは思わない。楽団員のみなさんといっしょにその伝統をいっそう成長させていきたいと思っている。みんなが嫌がることをするのはなく、いっしょになって仕事をしたい。首席指揮者であるかどうかは重要ではなく、音楽づくりをすることが重要。違う人間が来れば自然とN響のDNAが変化していくものだろう」。
●今後、パーヴォ・ヤルヴィとN響は海外公演、レコーディングも計画している。レコーディングはソニーミュージックからリヒャルト・シュトラウスの交響詩チクルス。まずは今回の定期公演Bプロで「ドン・ファン」と「英雄の生涯」を収録して、9月にリリース。その後、「ティル」&「ドン・キホーテ」、「メタモルフォーゼン」+「ばらの騎士」組曲+「ツァラトゥストラはかく語りき」と続く。

February 9, 2015

パーヴォ・ヤルヴィ、N響に登場。マーラー「巨人」他

●7日はパーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団へ(NHKホール)。パーヴォ・ヤルヴィの来年9月からのN響首席指揮者就任決定後、初のお目見えということで注目度の高い公演に。プログラムはエルガーのチェロ協奏曲(アリサ・ワイラースタイン)、マーラーの交響曲第1番「巨人」。これはもう新時代の幕開けを高らかに告げる記念碑的な公演といっていいのでは。舞台上も客席も異様なくらいの緊張感に満たされていて、とくに「巨人」はまれに見る集中度の高い演奏だった。
●N響の音が普段とはずいぶん違う。管楽器、打楽器の響きの色彩感は同じオーケストラとは思えないほどだし、弦の配置も対向配置+コントラバスを下手側に並べるスタイルで、重心は下手側に寄るけど内声部まで見通しがよくなるというか。ところどころに仕掛け満載で、特徴的なダイナミクス、急激なギアチェンジ、コントラストの強調などパーヴォ節全開で、オーケストラも指揮者のアイディアを実現すべく全力で応えたといった感。終楽章はすさまじい高揚感に包まれて、客席はわきあがった。もし、これから毎回こんなに密度の濃い演奏が聴けるんだとしたら……。ゴクリ(←生唾)。
●本日、午後からN響の尾高賞授賞式&記者会見が開かれるのだが、そこでパーヴォ・ヤルヴィ臨席のもと今後の活動について紹介されることになっている。なお、来季の定期公演ラインナップは公式サイトで速報版が発表されている。

February 3, 2015

アルド・チッコリーニ逝去

●イタリア生まれのフランスのピアニスト、アルド・チッコリーニ逝去(1925-2015)。89歳。
●自分のなかではチッコリーニは二人いる。一人はEMIに精力的なレコーディング活動を行なったピアニスト。もう一人は日本にもたびたび訪れて滋味豊かな音楽を紡ぎ出した老巨匠。
ラ・ロック・ダンテロンのチッコリーニ
●写真は2011年に取材したフランスのラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバル(ルネ・マルタンがLFJより前から開いている音楽祭)。チッコリーニは井上道義指揮オーケストラ・アンサンブル金沢と共演して、ひとつの公演でベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番とシューマンのピアノ協奏曲を立て続けに演奏した(その後にさらにベートーヴェンの交響曲第7番が続くというもりだくさんの公演だった)。86歳を間近にしたチッコリーニは、リハーサルでは杖を突いてあらわれたが、本番ではしっかりとした足取りで登場し、ひとたび鍵盤に向かうと矍鑠とした力強さで年齢を超越した音楽を聴かせる。2曲の協奏曲が終わった後、野外劇場に集った満員の聴衆は総立ちになって老大家を称えた。終演後、ルネ・マルタンは「フェスティバル30年の歴史で十指に数えられる美しいコンサート」と語っていた。

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