2002年5月アーカイブ

May 30, 2002

ワールドカップ開幕前夜

●ワールドカップ開幕まで、あと1日。
●はー、実感わかねー。明日にはワールドカップ・コリア・ジャパン開幕っすか。街に外国人サポーターが溢れてるってこともないし、カメルーンと中津江村の話題にも乗り遅れてしまったし、中村俊輔は今ごろどうしてるかななんてことも気にならないし、ホントに開幕するのか、ワールドカップ。
●とりあえずテレビは盛り上がってるらしくて、全然スポーツと無関係な番組までサッカーに汚染されている模様。サッカー好きでも閉口するくらいだから、サッカーに関心のない方には耐えられんだろうなあ。スポーツ好きならまだしも、スポーツ自体に興味がなければ試合そのものだって楽しみようがない。なかには開催地在住の方で混雑やらトラブルに巻き込まれる方だっているかもしれん。喧騒そのものがヤだという方もいる。だから、この騒動に辟易する方のためにも一言、書いておこう。
●ワールドカップ閉幕まで、あと31日。(05/30)

May 29, 2002

「ワンダフル・ライフ~バージェス頁岩と生物進化の物語」

●グールドっていったら、音楽ファン的にはもちろんグレン・グールドなんだけど、世間一般的には進化生物学者のスティーヴン・ジェイ・グールドなんだろうな。新聞等での訃報の扱いもかなり大きかった。ワタシはかろうじて「ワンダフル・ライフ~バージェス頁岩と生物進化の物語」だけは読んでいる。よく比喩的に「カンブリア紀の爆発(的進化)」って表現が使われるけど、その証拠となる化石が発見されたのがバージェス頁岩。ダーウィン的進化論を(一部)覆すこのバージェス頁岩を巡る発見のドラマを、科学者の目でわかりやすく節度を保って書いてくれたノンフィクションで、目からぼろぼろ鱗を落としてくれる。
●進化の過程にあった現存しない種っていうのが、実に奇妙奇天烈なんだよな。学術的立場からの驚きだけではなく、化石から復元されたその姿が感覚的にも奇異で地球上の生物とは思えないっていうところがワクワクさせてくれる。ふと思い出したんだけど、昔ウチの婆さんはコドモ向けの恐竜の本を見せても「これはテレビに出てくる怪獣を描いたもので、こんなものがこの世にいたはずはない」と頑なに恐竜の存在を否定していた。円谷プロの創造物だと信じていたようである。(05/29)

May 28, 2002

「人間たちの絆」スチュアート・カミンスキー

●スチュアート・カミンスキーによる刑事エイブ・リーバーマン・シリーズの第4作「人間たちの絆」(扶桑社ミステリー)は、これまでの第3作と同様、きわめて質の高い警察小説の傑作である。といっても、このシリーズ、世間的には全然ヒットしていないようで、うっかりすると新刊でも見落としてしまいそうだ。新作が出るたびに前作との間隔が開いているような気がして、次がちゃんと翻訳されるのか心配になってしまう。
●話は毎回同じようなものである。シカゴのユダヤ人老刑事リーバーマンが相棒のハンラハンとともに事件を捜査する。その合間にリーバーマンの周囲の人々についての、現代アメリカの都市部の世相を反映したいくつかの人間ドラマが描かれる。最後には事件は一応解決されるんだけど、苦い味わいが残る。すっかりパターン化しているが、このシミジミ感がよろしいので、ぜひこれからもマンネリであってほしい。
●このシリーズの不幸なところは、作品中の時系列を無視していきなり第3作「冬の裁き」から翻訳されてしまったこと。なぜそんなことになったかといえば、この作品だけがいわゆる「ミステリーらしい」趣向(まあ、トリックっすね)を持っているからだと確信しているんだが、本来そういうシリーズではまったくない。これから読む方は第1作「愚者たちの街」から読むべし。つうか、早くしないと品切になっちゃうかも。(05/28)

May 27, 2002

エムボマvs今岡

●関西恐るべし。日曜日の午後、MBSは阪神vs中日(ナゴヤドーム)とイングランドvsカメルーン(ユニバ)の二元中継を放映していたらしい。エムボマがボールを蹴ってる画面の隅で今岡が素振りをしてるという絵はスゴすぎやしないか(笑)。
●東京ではイタリアvs鹿島。テレビで観ただけだけど、代表メンバーをごっそり抜かれているのに、しっかりと自分たちのスタイルでプレイできる鹿島にちょっと感動。調整試合であっても、あの内容には敬意を払うしか。
●それにしてもサッカー嫌いの人にはワールドカップってのはずいぶん傍迷惑な大会にちがいない。特にテレビ。オリンピックのメダル獲得数競争を想起させるような「がんばれニッポン!」的メッセージとか、スポーツバーみたいなところに集まった代表ユニを着た若者集団がモニターに向かって「ニッポン!チャチャチャ!」とかやってる取材風景とか、ああいうのを見てるとサッカー嫌いになるほうがマトモな神経の持ち主という気さえする。(05/27)

May 26, 2002

ニッポンvsスウェーデン

●国立競技場にてニッポンvsスウェーデン戦を観戦。この試合、かなりチケット争奪戦が激しかったようだが、自力で取ったわけではない。で、もう翌週にW杯が開幕する以上、この試合は調整試合モードでいいわけだ。おそらくスウェーデンは軽いプレイしかしない。一方、日本は超満員のサポーターに押され、そこそこシリアスにプレイして、3-0くらいで勝つだろう……というのが試合前の予想(真剣勝負ならスウェーデンのほうがレベルは高いはずである)。
●が、予想は見事に裏切られて1-1。しかも日本の同点ゴールは相手のオウンゴール。もうとにかく攻撃ができない。スウェーデンは驚くほど軽いプレイしかしていないのに、それでもニッポンはディフェンスを崩せない。結果的に失点にならなかったので目立たなかったかもしれないが、前半はお家芸の神風オフサイドトラップで失敗の連続、後半にはあまりこれを試みなくなり安定感は増した。トルシエのフラットスリーって結局なんだったのだ。コスタリカ戦の時にも軽い失望を味わったが、今回はそれ以上。アウェイのノルウェー戦もあわせて考えると、どんどんニッポンは調子を落としており、到底本大会で勝てるとは思えないというのが率直な感想である。この失望感は4年前のW杯予選ニッポンvsUAE以来かも。
●一応メンバー。これがベルギー戦の先発ではないことを祈りつつ。GK:楢崎-DC:中田コ、森岡、松田-ML:服部、MR:小野、MC:稲本、戸田-AMC:ナカタ-FW:森島、柳沢。両サイドはバランスを気にしすぎていたかも。小野の攻撃もほとんど見られず。両サイドをワイドに使ったボール回しはよくできていたんだが、練習パターン通りという感じで、苦労に苦労を重ねた末にセンターバックに戻ってくるような徒労パスの連続。たまにサイドをえぐってクロスボールをあげたとしても、中央に柳沢や森島では意味レス。北欧のチーム相手に高さで勝負してどうする。交代出場したアレックスも空振り。
●一頃、ニッポン代表ってずいぶん層が厚いなあと感じていたような気がするんだが、あれは幻想だったのか。ベンチを見ても期待感が増してこない。ああ、名波が、高原が、そして俊輔が恋しい。サッカーを観はじめてから初めて「4年前のほうが強かったんじゃないか」という疑念を持ってしまったですよ。
●それから一つ残念だった点。サッカーがテレビに蹂躙されていたこと。試合前にスタジアムを暗くしたり、客にカウントダウンさせて聖火台に火をともすみたいな演出がとてもヤなのだ。さらにそこにテレビタレントが出てきて空ろな目で妙な応援メッセージをしゃべるんだけど、もう限りなくどうでもいい。国分太一、だれそれ? 元サッカー選手出せよ。君が代は和田アキ子。ワタシなんか、すごい疎外感を味わってしまう。カマモトでもラモスでも松本育夫でもセルジオでも許せるけど、国分太一に共感しろっていわれてもそりゃ無理っす。(05/26)

May 24, 2002

1ラウンド開始1秒で日本人KO勝ち

●街でイングランドのユニを着用したガイジンさん発見! ついに来たのか、ワールドカップ。その外人さんは日本語を話していたけど。
●ぽつぽつと報道されている「開催地のホテル、意外にも予約が少なく困惑」とか「W杯期間中の海外からの渡航者、なぜか例年と変わらず」みたいなニュースなんだけど、あのからくりってチケット争奪戦に参加してきた人間には自明の理なのでは。
●これって国内販売分と海外販売分の販売量を比較して、大体これくらいは日本への渡航者がいるはずだって計算を前提にしてると思うんだけど、結論から言うと「海外販売分のチケットの多くは日本人が買った」。この大会は「ドキッ! 日本人だらけのサッカー大会」なのだ。
●だいたい日本人はチケット争奪戦に関しては「ぴあ」等で相当鍛えられてるわけで、FIFAの想像もつかないような勤勉ぶりを発揮する。海外分最終販売となったウェブでのセールスだって、ものすごいアクセスが集中してあっというまにサーバーがダウン。FIFA側のシステム担当者は「これはわれわれのシステムの堅牢さと日本人のチケットを求める情熱との戦いだ」みたいなワケのわからんことをいっていたが、1ラウンド開始1秒で日本人の情熱のKO勝ち。まさにサーバー秒殺。復活すれば「今ならいけるぞ」という情報が瞬時にしてネット経由で伝わり、再び購入希望者が群がる。キャンセル分が少しでも出ないかと、集団的24時間監視体制が敷かれる。いったいどこが「海外販売分」なのやら(笑)。(05/24)

May 15, 2002

今日も続くよW杯チケット騒動

●W杯第3次国内販売分の最終抽選結果が発表されている。ワタシは最初の抽選で落とされているのでもう関係ないが、JAWOCの仕事ぶりはここでも凄まじかったようだ(例:発表当初、約4万件もの当選番号を一枚もののHTMLファイルにテーブルで組んだという極悪ページをサーバーに載せ、客の回線とブラウザをいじめまくったらしい)。脱力。
●一方、海外販売分もすごいことになっている。開幕まで2週間ほどだというのに、ワタシのチケットはいまだに発送されておらず(代金はしっかりチャージされている)、ちゃんと英国から届くのかどうか、かなり心配。何度も督促のメールを書いたが、いつも「10日以内に送るから」と寿司屋の出前みたいな答えしか返ってこない。
●もうチケットを巡る一連の騒動やら裏話だけで本一冊書けそうなくらいのネタあり。しかもこれらのほとんどがマスコミに報道されなかった。それどころかマスコミもひたすら勘違いした記事を流していたくらいである。
●今日は東京国際フォーラムの一角で、ちょっとしたチケットを巡る混乱があるかも。空港にあるようなクレジットカードを差し込むタイプの発券機が動き始めるんだけど、これがかなりヤバそう。(05/15)

May 14, 2002

ベートーヴェンの探求

●2回にわたってNHK-BS2で放映されたドキュメンタリー「ベートーヴェンの探求」、録画しておいたものを観たんだけど、実におもしろいじゃないっすか。第1回はショルティとムーティ、第2回はノリントンとマゼールを中心に、ベートーヴェンを語らせるというもので、インタヴューやリハーサルの風景が収められている。ほかにもアバド、ブーレーズ、ガーディナーなど多数のアーティストの談話があって、それぞれにおもしろい。
●が、この番組のいいところはとんでもなく編集が冴えているってことっすね。アーティストの話はそれだけでもそれなりに楽しめるんだけど、やっぱり映像としての作り込みがしっかりしてないと観る気がしない。ショルティが「ベートーヴェンは第9以外にひとつとして標題音楽は書いていないんです」と断言して、ふむふむと視聴者を頷かせた後に、ノリントンが「ピアノ協奏曲第4番のここんところはオルフェオとエウリディーチェなんだよ、ほうらこんなふうに」とまるっきり反対のことを言う(笑)。基本的にだれかが説得力のある意見を言った後に、それと逆のことを別の人が言っている映像をぶつけてくるのがおもしろい。ほかにもいろいろな趣向が凝らされているので、こりゃ必見だ……といってもテレビ番組だから観てない人はもう観れないか。DVDとかで出ないのかなあ。(05/14)

May 13, 2002

「ハリー、見知らぬ友人」ドミニク・モル

「ハリー、見知らぬ友人」(ドミニク・モル監督、2000年仏)を観た。実に奇妙な傑作。冴えないフランス語教師の主人公ミシェルは妻と3人の娘たちと、バカンスに別荘へと出かける。バカンスとはいっても、車はエアコンもついていないオンボロ、車中で娘たちが泣き叫び、奥さんはイライラしっぱなし、別荘だって修理が追いつかないくらいのボロ屋。家庭は崩壊寸前だ。そこにばったりと出会ったのが高校時代の同級生だったというハリー。ハリーは親しげに接してくるのだが、主人公ミシェルはまったく彼のことを覚えていない。
●友人ハリーはミシェルの別荘でともに過ごすことになる。彼は高校時代にミシェルが文集に書いたという詩をそらんじて見せるような不気味な男である。そして、度を越した親切心の持ち主でもある。ハリーの文才を崇拝し、彼に再びペンをとるようにさまざまなおせっかいを焼いてくれるのだが、そこにある歪んだ善意というのものが徹底して拡大されており、実に怖いのだ。まあ、ハリーっていうのは黒いドラえもんみたいな存在っすね。
●怖くて、ユーモアがあって、そして奇妙な話。あっけにとられるような不思議なハッピーエンド(と書いてもネタバレにはならないだろう)が用意されていて、その巧妙さにも舌を巻く。必見なり。
●さてここからネタバレ(未見の方はご注意を)。結局、ハリーなる男は何者だったのか。それは映画中では説明されていないし、リアリズムの観点からすると説明もつきにくいのだが、言わんとすることはわかる。ハリーはミシェルのなかの「そうであったかもしれない一部」である。ミシェルはかつて志した文学のことなどすっかり忘れ去っており、家族の不満とイライラに直面しだれもを満足させようとするが、だれにも満足してもらえない凡庸で不幸せなフランス語教師である。文才など妻も兄弟も認めてはくれない。そこに過去からやってきた自分の一部が、彼の詩を崇拝し、再び書くことを勧め、一方で様々な問題をお金と暴力という乱暴な手段で解決してくれたわけである。しかし、ミシェルは最後には狂気にとらわれたハリーを打ち破り、自分自身を回復することで、新たに作品を生み出す力を得、妻からの敬意も勝ち取る。この話の皮肉なところは、ほのぼのとしたラストのハッピーエンドも、よく考えてみれば、ハリーがくれた車と、ハリーが与えてくれた「両親と兄弟の不在」によって支えられているということだ。単に白いミシェルが黒いハリーを打ち破って自己の尊厳を回復したという話になっていないところが味わい深い。(05/13)

May 8, 2002

チケットの名義は確認せず

●先日ここでも触れた、故人の名義で取得したワールドカップ・チケットの話、結局JAWOCは入場もさせないし返金もしないということで、かなり大胆に決断してくれちゃったわけだが、一方で今日になって、「チケットの名義は確認しない」という方針を明らかにしてしまった模様。おいおい、ちょっと待てよ。
●ワタシゃ名義の問題でキャンセルしたチケットがいくつもあったのに、いまさらそれはないだろう……ということでは断じてない。名義にかかわらず、購入者を入場させるべきである。そうでないと大混乱は免れない。しかし、なぜ今の段階でそれをNHKに漏らしてしまうのか。せめて購入者の手元にチケットが届いてからにしてほしかった(海外販売分も含めて)。
●あとこれは別問題なんだけど、国内販売分にしても海外販売分にしても、正規の購入者の手元に届かないチケットというのが絶対に出てくる。それもかなりの量が。詳しくは書かないけど販売方法の混乱ぶりを見てると、そう確信しちゃうのだ。現物をこの手にするまではまったく安心できなくて気が滅入るんだよなあ。最悪、同じ席の二重発券があったとしても全然驚かない。(05/08)

May 7, 2002

「リヴァプールより悪意をこめて」トニー・クロスビー

「リヴァプールより悪意をこめて」(トニー・クロスビー著/双葉社)を読んだ。トニー・クロスビーってのが誰かっていうと、よくフジテレビの深夜のサッカー番組なんかでジローラモさんと絡んでいるリヴァプール・サポーターのガイジンである。あの人、本職はスタイリストなんすね。で、そのトニー・クロスビーの本、タイトルも装幀も気が利いているが、中身は一言でいうと「元悪ガキだったオヤジのバカ話」。これが実におもしろい。
●ガイジンから見た日本と英国の違いみたいな話もあって、それはそれでおもしろいんだが(イギリスの庶民は風呂なんかに関心なくて、シャワーも浴びないとか、リヴァプールといえば泥棒の街だとか)、中心になるのはフットボール。英国フットボール文化の奥深さを知らせてくれる……ってのは、どういうことかというと、日本のように作られたスタイルじゃなく、みんな自然体でサッカーに向き合っているってこと。自然体だとどうなるか。つまり、サポーターたちはフツーに行儀が悪くて、フツーに悪たれで、フツーにバカ(笑)。とにかく日本のサポーターと違って底意地が悪い。サポーターズ・ソングにその違いは顕著で、いくつも紹介されているんだけど、要は相手チーム(または審判)をバカにしたり、からかったり、聞きたくないことを聞かせるといったものが多い(醜聞は格好の材料となる)。悪意のこもった機知が働いているんすね(そして下品)。こりゃ到底、日本はかなわない。
●一つだけ紹介。マンチェスター・ユナイテッドのチャント。United, United, Rah, Rah, Rah. City, City, Ha, Ha, Ha. Leeds, Leeds, Baa, Baa, Baa. Scousers, Scousers, Lock your car. これだけじゃワタシらには意味はわからない。込められた意味はこう。「ユナイテッド、イェー!、(マンチェスター・)シティは笑いもの、リーズはメエ、メエ、メエ(=ヨークシャー州の山の中だから、羊とやってんだろ、お前らってニュアンス)、リヴァプール(Scousers)、クルマにカギをかけろ(リヴァプールのヤツらはみんな泥棒だから)」。ったく、しょうがないよね(笑)。(05/07)

May 3, 2002

ニッポン代表vsホンジュラス代表

●ニッポン代表vsホンジュラス代表をテレビ観戦。もうこれはなんといったらいいのか、90分の大ドタバタ劇。結果は3-3、お互いあわせて6点も入ったにもかかわらず、尋常なゴールは一つとしてなかった。
●3失点を喫した前半は、宮本の逆ワンマンショー。ことごとくマークを見失い、相手に一対一をかわされ、3失点すべてに宮本が絡んでしまった(と見えた)。失点シーン以外にもフラットスリーをいとも簡単に破られて決定機を与えてしまう。気の毒なくらいだったが、しかしあれを見るといくら組織的ディフェンスがどうのこうのいっても、やっぱりディフェンダーには一対一の強さを求めたくなるよな。
●もっと気の毒だったのはホンジュラスのゴール・キーパー、エスコベル。日本の3得点もあまり喜べないもので、1点目、俊輔のフリーキックにキーパーが万歳をしながらボールを見送ってしまうという、国際試合ではあまりお目にかかれない居心地の悪いもの。2点目は俊輔のコーナーキックが直接ゴールに入ってしまう。確かによく曲がり、よく落ちる驚異的なキックではあったんだが、でもやっぱり、コーナーキックがそのままゴールに入るシーンなんて見たくない。エスコベルは前半で退いてしまったが、中継の解説をしていた武田修宏がそれに気づかず、後半に入っても「今日のキーパーの調子は悪いですからね」などと話してしまい、観ているこちらも落ち着かない。3点目、アレックスのPKは、この日最後まで不安定だった審判からのプレゼント。1点として喜べるゴールがなかった。
●この不思議な試合をさらに盛り上げていたのが日テレのアナウンサー。次から次へと謎めいた言葉を発し、視聴者を混乱に陥れようとしてくれた(同調するなよ、武田)。ほぼすべてが意味不明だったが、ひとつ例を挙げる。武田「いま明神君が楢崎君にバックパスするときに、右足で蹴れる位置にパスを出しましたよね。こういう細かい気づかいが大事なんです」。アナ「そうです。こういった心配りが、チームの一体感を増していくわけですねえ、選手たちの結束が……」。いや、キーパーがキックをミスをしたら大ピンチになるから、利き足のほうにパスを出しているんだってば(笑)。
●両者大量失点で痛み分け。さすがにトルシエも頭をかかえているんでは。(05/03)

May 2, 2002

仲間を募ろう……?

●Yahoo! Japanって、ある日突然に新サービスがさりげなく立ち上がってたりするんだけど、昨日あたりから始まったあれには驚いたな。Yahoo!パーソナルズっていうんだけど、これって出会い系ってヤツっすか。人が集まる場所に必要とされるものならなんでもやってくれちゃうんだな、Yahoo!は。これ使って、サッカー仲間でも募ろうかな(ウソ)。ちなみに有料制。
●ちょっと笑えるのは、このサービスの「トラブルを避けるためには」って項目で、「Yahoo!パーソナルズでは、実際に出会うことはお勧めいたしません」とか「必ず、誰かに話してから出かけましょう」なんてことまで書いてある。人気のない場所を避けるなとかクルマに乗っちゃいけませんとか。もうメチャクチャ危険ですって宣言してるようなもんだが、実際危険な目的で利用するヤツが無数にいるに100ハンニバルくらい賭けてもいいぞ。シリアル・キラーが泣いて喜びそうなサービスっすね!
●しかし日本版でも十分生々しいと思ったが、本家米国版はこんなにダイレクト。こうなると、I'm a [Man], seeking a [Man]とか選択しちゃう人は、どう考えてもサッカー仲間を求めるとかそういう意味じゃないよな(笑)。(05/02)

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