2003年9月アーカイブ

September 30, 2003

世界一最悪な審判、決定!

●何日か前にコッリーナさんの話、書いたじゃないですか。世界一有名なサッカーの審判の人。で、聞く、それじゃあ世界一最悪な審判は誰だ?
●優秀な審判は世界に数人しかいないが、最悪な審判候補は世界中から爆発的なノミネートがありそうだ。やっぱりコッリーナさんがいくらがんばっても、審判=悪者のイメージは簡単には抜けないね。だってですよ、スペインリーグのアトレティコ・マドリッドvsバルセロナの試合を観てたら、スゴい審判を発見しちゃったのだよ。
●その男の名はイバニェスさん。なんと、スペインでのレッドカード提示枚数記録の持ち主である。これまでに赤紙でピッチから葬り去った選手の数、94名。これはロペス・ニエトさんと同数で並ぶスペイン記録である。つうことは、イバニェスさんはロペス・ニエトと同じくらい悪人なのか。チッチッチッ!(←欧州風に人差し指を横に振る)。ロペス・ニエトさんは200試合以上の笛を吹いて94枚だ。でもイバニェスさんは160試合ほどでもう94枚のスペイン記録だぜっ! どうだい、このスピード記録は。
●この試合、新記録に向けてイバニェスさんは順調にカードを振りかざした。あっちにイエロー、こっちにイエロー。さすが記録保持者、迷いがない。次々とカードを出すが、しかし色は黄色だ……。と思っていたら、ついに来ましたよ、記念すべき瞬間が。後半にバルセロナのコクがこの日2枚目のイエローカード、イバニェスさんはレッドカードを掲げてコクを退場させた。ついに新記録達成です! でも止まらないよ、イバニェスさん。続いて同じくバルセロナのモッタにも2枚目のイエローで、レッドカード。いやあ、バルセロナ、9人になってしまった。絶好調のイバニェスさんはこの日、2ゴール、じゃないや、2レッドカードを決めて、通算レッドカード数は一気に96枚の前人未到の領域へ。
●さて、これが記念すべき100枚目に到達した日にはなにかセレモニーとかあるんでしょーか。ハーフタイムにリーグから表彰されるとか(笑)。
司会:「ここで記念すべき100レッドカードを達成したイバニェスさんに、花束の贈呈です。イバニェスさんにもっとも多くの回数の退場処分を喰らったシメオネ選手が花束を渡します」
シメオネ:「イバニェス、死ねっ!」
イバニェスさん:「退場!」
(09/30)

September 29, 2003

ハイドンの交響曲全集

●アダム・フィッシャーが指揮したハイドンの交響曲全集超激安BOX(Brilliant Classics)って、いつ頃発売されたんだっけ? これを1番から104番まで順に聴いていこうと思ったもんだから大変である。全部で33枚組、くらい。律儀に番号の若い順に聴いていったのだが、やっと第70番まで来た。2年くらいかけて。しかも全然ちゃんとなんか聴いてなくて、聴いたっていうより流してただけみたいなのもあって、でもしょうがないよな、67番と68番の違いとか言われても、そんなに違いはないもん。そりゃ30番と60番は違うだろうし、60番と100番はムチャクチャに違うが、67番と68番なんて、ちょっとキーが違うくらいのもんだろう(おいおい)。
●っていうか、70番までたどりついた今、20番やら30番がどうだったかなんて、一切覚えちゃいない。偉いよね、アダム・フィッシャーとオリジナル発売元のニンバス・レーベルは。全部録音するのに20年くらいかけていたような気がするんだけど、うっかりまちがえて同じ曲を2回録音したとか、録音し忘れた曲とかなかったんだろか。あ、ワタシのこの全集には、うっかりまちがえてだと思うけど、同じCDが2枚入ってたりしたですよ(←買って2年くらい経ってから気づく)。(09/29)

September 26, 2003

「ゲームのルール」[2]

●世界一有名なサッカーの審判コッリーナさんが書いた「ゲームのルール」を読んだ。前にも書いたように、ワタシは目の前を通り過ぎるサッカー・ボールを蹴ってはいけないなどという理不尽には耐えられない人種なので、完璧に審判なんかには縁がない。でもやっぱりこの本はおもしろかったっすよ。あ、これ、サッカーのルールを書いた本じゃないから。コッリーナさんのエッセイっていうか、まあイタリア的な香りのする自慢話だよね。「イタリア人音楽家のインタヴューと、イタリア人サッカー選手のインタヴューはそっくりだ」っていう説をワタシは唱えてるんだけど、それはまた別の話。
●で、コッリーナさんはちゃんと審判業界の代弁者となって、「絶対に人間には不可能な、テレビカメラからしか見れないような角度の映像をリプレイして、審判のミスを指摘しようとすることになんの意味があるのか」などと言ってくれてて、そりゃそうだよなと納得させられたりする。相互理解のためにも、日本の審判ももうちょっと積極的にメディアに発言してもいいのかも。
●あと、「審判はみんな経営コンサルタントか保険のセールスマンだ」みたいなことを言ってて、これもおもしろかった。つまり時間の自由になる本業を持ってないとやってられんよってこと(コッリーナさんは前者だ)。最近、日本も含めていろんな国で審判のプロ化が叫ばれてるんだけど、現状では本場欧州でもアマチュアなんすよね。これはもっともな話で、選手のような経済的成功のチャンスがないのに、どんなにがんばっても40代で定年を迎えて(しかもトップレベルでの活躍は30代半ばからだろう)、さらに選手と違って一試合の致命的なミスで仕事を奪われかねないんだから、そりゃプロ化は簡単じゃない。
●審判って大変だよね。大体、ひとさまを「審判する」んですよ。責任ばかり重くて、成果は(少なくともワタシのようなニンゲンには)わかりにくい。移動が多くて、生活上、犠牲を捧げなきゃいけないことも多い。そして、選手からも監督からもサポーターからもジャーナリストからも、誰からも非難される。感謝よりも圧倒的に非難されることが多い仕事だなんて、誰がするんですか。だが、なによりも恐ろしいことに、目の前に転がってるボールを蹴れないんすよ(←結局はそこかよっ!) (09/26)

September 25, 2003

伝説的名作ゲー

●「うおおおおー、ゲームするぞー、思いっきりゲームしてやるー、仕事忙しかったからストレス死にそにたまった。絶対ゲーム。あ、そういえばドラゴンファンタジー3のリメイク版買ってたんだ。これって昔遊んだときすっげーおもしろかったんだよなー、最近のゲームなんかどれもこれもつまんなくて、おもしろいアイディアって全部昔に出尽くしちゃったんじゃねえの? ドラファン3はシリーズ最高峰だもんな、感動したよなー、もしかしてオレ的生涯ゲームベストワンかもよ。もう遊ぶしか、遊んでやる、朝までドラファン3、明日の仕事のことなんかもう知らねえぇーー」。ピポッ。
「……」
「……」
「……」
「……」
「……つまんねーじゃん、これ」
(09/25)

September 24, 2003

全試合が天王山なJ

●祝日のJリーグ中継をテレビ観戦していて思ったんだが、今Jリーグって相当おもしろいんじゃないだろか。巧くて激しくて、スペクタクル満載。ヴェルディ東京のパス回しなんか見てると、華麗すぎてこれがホントに日本のサッカーなのかと思ってしまう。磐田も鹿島もFC東京も市原も浦和も、もちろんマリノスもみんなそれぞれ試合内容がよさげなんだが、ふと気づいた。
●Jリーグのセカンドステージの順位表を見るとわかる。首位名古屋が勝点13なのだが、8位のガンバ大阪が勝点10、つまり一試合の差に収まっている。つうか、11位の清水勝点9までは優勝争いをしているといってもいい。リーグ戦の約半分を消化した時点で16チーム中11チームが優勝を争ってるんだから、試合が熱いのは当たり前である。しかも優勝争いをしていない残り5チーム中4チームは降格争いをしていて、さらに熱い。もうこれはとんでもない異常事態である。全試合が天王山(笑)。次節はすべての試合に優勝または降格がかかわってくる。
●ちなみに16チーム中、優勝争いも降格争いもしていないチームがたった一つだけあるわけだが、それはセレッソ大阪なのだ。特別な状態のチームが15チームで、普通の状態のチームが一つしかない。狂っているが、いろんな偶然やら必然が重なってこうなった。普段それほどサッカー観ない人も、今週末はどれか観ておいて損はないと思う。サッカーを観るおもしろさは、試合のレベルの高低ではなく、選手たちの本気度に比例するので。(09/24)

September 19, 2003

「グレン・グールド 27歳の記憶」

●はうう。堪能した。BSで放映していた「グレン・グールド 27歳の記憶」、はるか昔の十数年前に一度見たきりになっていたのだが、また観ることができてよかった。昔、LDでは「オン・ザ・レコード/オフ・ザ・レコード」という原題のままで出ていたと思うのだが、今は「27歳の記憶」でDVD化されている(→これね)。
●で、ピアノの前でグルグル頭部を回転させながら、歌いつつ、そして片手が空けばもう一方の手を指揮して、憑依状態で弾くグレン・グールドっつう原型が、この映像にあったことを思い出した。バッハのイタリア協奏曲第2楽章のあまりに有名なレコーディング風景っすね。ニューヨークのスタインウェイでピアノを試弾する場面も思い出したし、「ウェーベルンがシャイな音楽? シャイな音楽ってのはこれだよ!」といってシューベルトの交響曲第5番を弾くのも思い出した。なんか、ワタシの頭では後半からカラー映像になる気がしてたんだけど、全部モノクロなんすね。時間も1時間しかない。でもこれは絶対に観ておいたほうがいい。
●で、個々の場面を見るとたちまちに自分の記憶が鮮明に甦ってくるのだが、一つ、ワタシはきわめて重要なポイントを忘れていたようだ。これは、ワタシが(そしてたぶん多くの人が)最初にこのドキュメンタリーに圧倒された理由でもある。すなわち、ここにいるグレン・グールドはまだ27歳の若者だってこと。グールドだけど未グールド。映像がたくさん残っているから、晩年のグールドがすぐに頭に浮かんじゃうんだけど、ここにいるのは「カッコよすぎる変人で天才な若者」なんすよ。だから若い頃に見ると、もうインパクト強烈で絶対に忘れられない。
●ちなみにワタシらはもうグールドが何歳までどんなふうに生きて、そして死んだか、このドキュメンタリーの登場人物のだれも知らない未来を知っている。だから、ますますこの映像が感慨深い。(09/19)

September 18, 2003

完敗、五輪代表日韓戦

●あー、もう、ホンットに弱いな、今回のニッポン五輪代表は。史上最凶最弱。韓国相手に1-2。内容的には点差以上の完敗。近年の各年代代表の試合の中ではワースト・マッチかもしれん。技術も体力もJリーグでの経験も十分あるのに、メンタリティと判断の遅さで負けまくっているのが悔しい。しかも韓国のほうは黄金世代、こっちは谷間の世代。歯が立たん。
●で、韓国五輪代表チームが強いのは敬意を持って認める。しかし、なんじゃあのソウルのスタジアムは。最近のニッポン代表の試合のサポーター気質も酷いなと思っていたが、韓国はもう、ちょっと言いにくいのでナニがアレで、ワールドカップ開催しておいてそんなんかよ!みたいな感じである(←ワケわからんぞ)。サッカー文化ってちょっとやそっとじゃ根付かないんだなあと。
●あ、やっぱり負け惜しみしか思いつかん。フテ寝するか。もう松井とか期待しない。サッカーエリートの曲芸大会じゃないんだから、ゴールに向かわないと意味ねー、全然ねえー、死にそうに意味レス~。(09/18)

September 17, 2003

忙中

●オーマイガッ! 脳内時間管理システム「光陰クン」をパパッと叩いて、一日の中から働く時間、寝る時間、食う時間、ぼんやりとゴールを妄想する時間、居眠りする時間等々を正確無比に控除した結果、本日の「音楽を聴く時間」は約25分と判明、さらに詳細を尋ねるために「光陰クン」をハイパーモードに設定したところその時間は25分11秒であり、これにジャストふさわしい録音はウチにはブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番しか存在しないことが判明、ええっ、またぁ、でも気持ちよさげだから聴くかあってなぐあいに聴いてしまうんだが、実際に気持ちよくてとても退行的な気分になるのが謎。ヴィヴァ、マックス。マックスにヴィヴァ。ラヴリー19世紀。
●最近、みんな「へぇー」って言ってるのは何? (09/17)

September 16, 2003

阪神東京

●だらだらとマスネのオペラ「サンドリヨン」(=シンデレラ)をながら聴き。前に紹介したドイツ・ソニーのオペラ廉価盤シリーズの一組。最近、だらだら聴くときはもっぱらなじみのないオペラ。娯楽度高げだが、だらだらなので今度ちゃんと聴いておこう。
●あ、阪神、優勝したのだった。おめでとうございます→阪神ファンの皆様。関西のほうじゃピンと来ないだろうが、実は東京というのは阪神ファンの非常に多い土地なんである(もちろん巨人ファンが圧倒的に多いが、たぶんその次に阪神ファンが多い)。関西から東京に出てきた人がたくさんいるからっていうだけじゃなくて、関東で生まれ育ちながら阪神ファンっていう人をワタシは何人も知っている。もちろん今年だけじゃなくて、昔から阪神ファンっていう筋金入りの人たちである。これってどうしてなんでしょね。
●阪神タイガースに関西のアイデンティティを託すみたいな物語性の存在が一般に信じられていると思うんだけど、これが東京だと微妙に置換されているように見える。大胆すぎる言い方かもしれないが、東京ではひょっとすると東京ローカルが「阪神」なんじゃないかっていうフシすらある(日本=巨人、東京=阪神)。象徴的なのは、日本テレビは巨人サポートだが、東京メトロポリタンTVなるローカル局は阪神サポートだったこと。一見倒錯的だが、巨人が日本全国区のチームである以上、東京でそれに次ぐファン数を持つ阪神が東京ローカルと見なされることは、「日本vs東京」の対立軸を想定すれば不思議でもなんでもない(チームが東京に存在していないという問題を除いては)。
●とすると関西には「阪神タイガース」があって、一方で東京には物語としての「阪神タイガース東京」が存在しているんじゃないか。この両者の立ち位置は微妙に異なる。ひょっとすると相互に共存不可能かもしれない。(09/16)

September 13, 2003

レッズvsマリノス

●珍しくNHK地上波で中継のあったレッズvsマリノス戦、久々にワタシが思うマリノスらしい戦いで勝つことができた。1点リードしたら守りに入って、相手が3トップになると5バックで耐え忍び、そこからカウンターを決めてリードを広げる。ソラリ→早野監督体制で日本一になった年も、そんな戦い方だったっけ。
●怪我人だらけで久保、奥、波戸、松田、遠藤のレギュラーを欠き、本来ならこういうときの二番手となる上野、安永もいないわけだが、それでも控えが体を張って戦うあたりが頼もしい。坂田2ゴール、アホ・パフォーマンスはなし。
●泣かせるのはここんところストッパーに定着している河合。去年、レッズを解雇され、行き先がなくてJリーグのセレクションを受けた。このセレクションっていうのが、クビになった選手が集まってゲームをやってスカウトに見てもらう(で、結局やっぱり大半の選手は声がかからない)っつう辛いものらしいんだが、マリノスはどういう理由か、河合と契約したんだな。マリノスにセレクションで入ってきた選手なんて他にいない。でもちゃんと今はポジション獲ってる。個人能力が高いとは言いがたいんだけど、気迫で守る。古巣相手のレッズ戦で完封したっていうのがいいじゃないっすか(途中で足が攣って交代しちゃったけど)。シミジミと快勝。(09/13)

September 12, 2003

「コンフェッション」

●映画「コンフェッション」を観た。ジョージ・クルーニー初監督作品。実在するテレビ・プロデューサー、チャック・バリスのとんでもない自伝(原書 Confessions of a Dangerous Mind)を映画化したものである。どうとんでもないかというと、テレビのプロデューサーとして数々のヒット番組(日本でいえば「パンチDEデート」とか「新婚さんいらっしゃい」。というかそれらの元ネタっすね)を制作する一方で、実は彼はCIAの工作員として極秘裏にこれまで33人の人間を殺してきた、っていうんである。
●フツー、こんな自伝を書いたらタダの気のふれたジジイとしか思ってもらえないだろうが、なんと映画にまでなってしまった。アメリカじゃこれって真実と思われてるのかねえ。ってのはともかく、映画のほうはなかなかよくできている。元々は「ユージュアル・サスペクツ」のブライアン・シンガーが監督、チャック・バリス役にジョニー・デップの配役だったそうだが企画が頓挫、できあがっていたチャーリー・カウフマンの脚本をジョージ・クルーニーが助け出して、スティーヴン・ソダーバーグとプロデュースし、クルーニー自ら監督をしたということだが、初監督とは思えないくらいそつなくできている。
●工作員チャック・バリスが最初は人殺しに抵抗を覚えながらも、そのうち「殺さずにはいられない」状態に陥るあたり、罪やら欲望やら葛藤やらが渾然となっておもしろい。ところが一方で美しき女スパイとの逸話など、B級スパイ映画のパロディかと思うようなトンデモ系のテイストもあり、さらに少々濃すぎるユーモア・センスまである(この辺が好き嫌いが分かれそうなところ)。どうあがいてもハッピーエンドにはならない話だから、こんなふうに混沌としたスタイルで正解だったのかも。チャック・バリスの才人ぶりとダメ男っぷりがちゃんと描かれているのもいい。観ているこっちも妙に元気になりますね。「さあー、明日も仕事がんばって、ばりばり人殺すぞー」とか(ウソ)。(09/12)

September 11, 2003

ニッポンvsセネガル

●ふう。観ましたか、日本代表vsセネガル代表。0-1。なるほどー、先日のナイジェリア戦と違って、ちゃんと相手がコンディションを整えてくると、こうなるのかと。ま、ちょっぴり寂しかった、つうか勝負にならんっすね。現状ではレベルが違うと思って納得することにした。フランス代表やアルゼンチン代表に勝てないのと同じ理由で勝てない。つまり、相手のほうが断然強いってこと。
●だって、アレックスがスピードでぶっちぎられちゃう。ほんの20メートルほどのダッシュで軽々と追い越される。まあ、走らせるスペースを与えちゃうアレックスの守備に難があるのはまちがいないんだけど、それにしても、あそこは誰がいてもやられちゃうんじゃないだろか。
●一番印象に残ったのは、大久保がすばらしいプレイでキーパーと一対一になった場面。大久保はちゃんと相手ディフェンスの前に体を置いてブロックしてたんだけど、それでも後ろから走ってきてボール取っちゃうんだもんなあ。化け物ですか、あの人らは。
●セネガルは途中から「一点のリードをしっかり守りきって勝点3を得る」公式戦用の練習モードに切り替えてきたので(とワタシは解した)、ニッポンにもそれなりに攻めさせてもらったけど、あれは同点の状況なら作り得ないチャンス。ニッポンの強化試合のつもりだったのが、ちょうどいい練習相手にされてしまった。アフリカ最強国とアジア最強国のレベルの差って、縮まるどころか広がってるっぽい。向こうは実質的に欧州のチームだし。(09/11)

September 10, 2003

9月の冷やし中華

●近所のお好み焼き屋の店先に、こんな札がかかっていた。

冷やし中華、始めたい

始めたい、ってことは始めてないのか。もう9月で夏も終わろうとしているのにまだ始めてないのか。それとも始めたかったので始めたのか。でも始めたのなら、「冷やし中華、始めました」って書くから、やっぱり始めてないくさい。冷やし中華を注文したらどうなるのか。叱られるのか。まあ、でもしょうがないよな、叱られても。お好み焼き屋なんだからさ(笑)。
●さらにその店、しばらく前に使用したと思しき札が、脇に捨て置いてあった。夕立の後にぶら下げていたのだろうか。

雨がやんで、
心も病んで。


お、おもしろいよ。それは認める。雨よりも晴れのほうが病んじゃうあたり、シャープな気がする。しかし、この店には入るまいと思ってしまうんだが、いいのか。(09/10)

September 9, 2003

ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番

●たぶん10年ぶりくらいにブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番を聴いた。五嶋みどりの新譜が出てて、しかも伴奏がベルリン・フィルだからっていう理由があったんだけど、もうひとつ、どこかでイギリス人の好きなクラシック音楽ベストなんとかみたいな企画で1位に挙がっていたのを見かけたから。へー。日本じゃ絶対ベスト100にも入らないぞ、この曲。
●なんか、ブルッフとかってもうカッコ悪くないっすかー、もっさりしててー、なんつうのは久しく聴いてないせいで捏造された記憶、もう聴き出したら止まらない。毎日のように聴く。こういうボリューム感のあるロマンティックな曲のほうがホントは癒し系(死語としたい)だったんじゃないの。ちょっと腹の立つことがあったり、疲れたりしてると、無性にこの曲を聴きたくなるんすけど。ああ、10年聴かなかった甲斐があったー(←屈折した自己矛盾的名曲愛の典型)。
●カプリングがメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲で、こっちは日本人的には超超超有名曲っすよね。ワタシはあまり好きじゃない。メンデルスゾーンだったら、これよりもずっとカッコいい曲が少なくとも10曲はあると思っている。イチ推しは交響曲第5番「宗教改革」だな。えっ、それこそカッコ悪いって? うーん、冴えた曲だと思うがなあ。(09/09)

September 8, 2003

オシム語録

●週末のサッカー中継はJEF市原と鹿島アントラーズの試合が熱かった。今、Jリーグは攻撃的なチームが多いのでおもしろいっすね。ハーフタイムの間にNHKまでJEF市原監督の「オシム語録」を紹介していて笑えた。「ライオンに追われた野ウサギが逃げ出すときに、肉離れを起こしたりしない」とか「休みから学ぶものはなにもない」とか。だいたいハーフタイムにインタヴュアーに「前半のミスをどう修正するか?」と尋ねられて、「人生にはミスがつきものだ」と答える監督なんていない。「ベテランとは、第2次世界大戦のころにプレーしていた選手」ってのもいいっすよね(笑)。もっと読みたい方はオシム監督語録@JEF市原公式サイトへGO!
●上記サイトには載っていないけど、ワタシがオシムの発言で一番感心したのはこれ。「スローインを有利な状況と思ってはいけない。スローインの瞬間、ピッチ上は数的不利にある」。これはオシムらしいユーモアもウィットもないけど、頭にガツンと来るような名言だと思う。みんなが理解はしていないもののうすうすピッチ上で感じていることを、明快に言葉にしてくれた。(09/08)

September 5, 2003

Der Opern-Sommer

●ドイツのソニー・クラシカルからリリースされた廉価盤のオペラ・シリーズDer Opern-Sommerがいい感じなんである。ソニー・クラシカルって、こんなにオペラあったんだーとか言ってみたりする。これ、全部2枚組かな。どれも割と短めの曲で、すごく安くて、ジャケット・デザインがどれも初出のときより良くて(重要なり)、しかも「これは今ゲットしとかなきゃ」と思わせる理由がそれぞれにあって、物欲喚起度かなり高。
●って思うのは、ワタシが非オペラ系だからかも。だって、ボーイトの「メフィストフェレ」なんてこういう機会でもなきゃ聴かないだろうし、じゃあパタネー指揮でサミュエル・ラミーとかドミンゴが出てるんなら「押さえておくか」って思うじゃないっすか。グルックの「トーリードのイフィジェニー」なんて、ムーティ/スカラが激安なんだからこれに文句をつけてたら一生聴けない。マスネの「サンドリヨン」(シンデレラ)もジョルダーノの「フェドーラ」もここで聴いとかないともう聴かないよなあ、ワタシはオペラ聴かないんだから、せめてこのあたりで拾っておかないと拙かろう……。
●っつう、この感覚に弱いんすね、ワタシらは。新しい才能が出たとか言われても「へー」だけど、「今これ揃えておかないと拙いよ」みたいに思わされると、あっさり陥落する。日頃オペラ聴かない人間が毎日ボーイトやらマスネを聴いちゃう。そもそも「押さえておく」って、なにをどう押さえるというのだ(苦笑)。(09/05)

September 4, 2003

ビジャレアルvsレアル・マドリッド

●今年からNHKで観れなくなってしまったレアル・マドリッドのベッカム様のことなんすけど、いいっすか?
●ベッカム様はマドリッドで元気にしてます。もうリーグ戦2試合プレイして絶好調。ベッカムのポジションは、彼本来の右アウトサイド。最大の武器クロスボールは相変わらずパワフルかつ正確。しかもフリーキックまで蹴らせてもらう特別待遇。ちょっと優遇されすぎかも。
●が、レアル・マドリッドは去年よりも弱くなったと見た。とにかくディフェンスが拙い。昨季まではジダンが自由奔放にプレイした後のスペースを、しもべのごとくマケレレが埋めて守備面でカバーするっていう約束があったわけだが、マケレレはあまりにスター選手ばかりが厚遇されるのにヘソを曲げてチームを去った。で、なんと、フィーゴやベッカムがプレイした後のお掃除をジダンがやっているではないか! そんなジダン、見たくないなあ。センターミッドフィルダーはジダンとカンビアッソ。その後ろはもう最終ラインだ。守備が去年よりも弱くなり、しかもジダンのファンタジーがベッカムのリアリズムに置換された分、つまらなくなった。それでも地球上のどのチームより巧いけど。
●あと、ビジャレアルvsレアル・マドリッドの試合がおもしろかった(ただしビジャレアル寄りで見た場合)。新戦力として復権した支配者リケルメを戴いて、ホームに王者レアル・マドリッドを迎えた。ビジャレアルはレアル・マドリッドを圧倒、ソニー・アンデルソンが奇跡みたいなゴールを決めて、リードする。リードした後も、ゲームを支配しつづけて、ほとんど勝利を手中に収めていた。ビジャレアルのお客は、甘美な夢を見ながら90分を過ごして、あとは夢が現実になるだけだと思っていたら、ロスタイムに失点して1-1に追いつかれてしまった。客席から虚ろな目をしたサポーターがヨロヨロと乱入してきて、警備員に取り押さえられてたけど、あの光景、わかるなあ。叶いそうもない夢が目の前で実現しそうだったのに、あと一歩で平凡な現実に着地しちゃって、なんにも残らなかったっていう雰囲気。悲しすぎる。でも、サッカーそのもの。(09/04)

September 3, 2003

シャイーのドキュメンタリー

●日本ルナのバニラヨーグルト、うますぎじゃねえ? っていうか、これヨーグルトなのかよ。
●NHK-BSで放映されたリッカルド・シャイーのドキュメンタリーを観た。「愛の誘引」っていうものすごいタイトルが付いてるんだけど、中身はオーソドックス。シャイーとコンセルトヘボウ管がそれぞれキャラクターの違いゆえにうまくいっているんだみたいな話で、まあまあ、つうかビミョー。シャイーは本当にマジメな人なんすね。老いた聴衆にはヴァレーズの音楽がいかに新しいかみたいなモダニズム信奉を語り、若者には音楽の伝統の大切さを説くなんつうのは、おもしろくもなんともなくて、ホントは鋭い人なんだろうけどこれじゃああまりにダメっぽい。でもテレビ向けだとこんなもんか。
●ただし、一つおもしろいことを言ってくれた。シャイー曰く、「マーラーに誰よりも近い作曲家は××××である」。さて、問題です。「××××」に入るのは誰か。







これ、なかなかすんなりとは名前が出てこないんじゃないかなあ。正解はプッチーニ。なるほどねえ。ワタシはちょっと感動したので、「ワタシの箴言コレクション」にメモっておいた。
●箴言メモが365個たまったら、CLASSICA日めくりカレンダー作るから(笑)。あ、これ掲示板のほうで集めてもいいかも。(09/03)

September 2, 2003

「朝ごはーーーん♪」

「朝ごはーーーん♪」(上海太郎舞踏公司B)って、その後ヒットしてるんすかね。クラシック音楽ファンの間で猛烈大評判っていうんだったらいいんだけど、なんか周囲で話題になっている場面に全然遭遇してないんだが。これは絶対、ヒットしなきゃいかん傑作っすよね。ワタシは最初に耳にしたとき、「今年のレコード・アカデミー賞は決まったな」と思ったもん(あ、ウソウソ、完全に)。
●お笑いネタってことでは「山本直純フォーエヴァー」なんかのほうがちゃんと専門誌でも取り上げられている気がするんだが、本当に笑えるのは「朝ごはーーーん♪」のほう。山本直純はまちがいなく偉大なんだけど、ワタシは「山本直純フォーエヴァー」を聴きつづけられない。昔のテレビ番組から「コント55号」のネタを引っ張ってきて見せられても、感心こそすれ笑えはしないのと同様で、もはや歴史的ドキュメントでしかない。
●その点、「朝ごはーーーん♪」は完璧に「今」っすからね。ベートーヴェンの「運命」第一楽章に歌詞がついてるわけなんだけど、なんかもうその歌詞が最高に冴えてる。これは圧倒的に強調しておきたいんだけど、こういうふざけたネタを「熱心なクラシック・ファンは怒り出すかもしれませんが、おもしろいですよ」みたいに評する人がいるが、それはまちがいである。「朝ごはーーーん♪」は「運命」を何百回と聴いてきた熱心なクラシック・ファンほど笑えるようにできている。ワタシはこれを聴いてクスっともしない人とは、同じベートーヴェン好きとして共有できるものがあんまりない気がする。つーか、フツー死にそうに爆笑するだろ? (09/02)

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