2003年10月アーカイブ

October 31, 2003

「キス★キス★バン★バン」

●スチュワート・サッグ監督の映画「キス★キス★バン★バン」は傑作である。映画館で見逃した方はレンタルでぜひ。泣ける、コジャレている、でも本当は辛辣。あまりあちこちのレヴューでは言われていないようだが、実はこれはダメ男が大人になるという話である。テーマはこう。「男は大人になるために死ぬ覚悟でなければならないし、人殺しもしなければならない」。
●主人公は「腕が落ちたので組織を抜け出し引退したい」という中年の殺し屋フィリックス(ステラン・スカルスゲート)。殺し屋を辞めてなにをするかというと、33歳になるまで外出したことがない引きこもりであるババ(クリス・ペン)の「子守り」。ババは外界を知らないので純粋無垢な子どもの精神を持ち合わせている。ババを世間と遭遇させたくない父親が、出張の間の子守りをお願いしたのである。冷血な殺し屋フィリックスと、体は大人だが精神は子どものババという取り合わせがファンタジーを生む。が、ここから先、軽くネタバレさせていただくが、これは到底「ほのぼの」などしていられないキツい映画なのだ。
●殺し屋フィリックス、ババ、ババの父親、いずれもみんな大人になれないダメ男である。フィリックスは仕事では成功したが、真の大人である彼の父親やガールフレンドとのやりとりでわかるように、ずっと人生の階梯を上ることを「先延ばし」にして、仕事に逃げてきただけのとっちゃん坊やである。ババはもちろん精神的幼児であり、外へ出て初めて大人の世界に接する。ババの父親も愛するわが子を世間を出すことができない極端に弱い人物で、子離れできないダメオヤジである。
●世の男どもは皆このように大人になれないダメ男たちである。では、大人になるには? それには命がけの戦いが必要なのだ(そういうテーマだから、主人公が殺し屋なんである)。フィリックスは組織を抜ける(=保護された子ども同士の世界を卒業し、世間に出て大人になる)ために、命をかけて戦い、殺し、殺されそうになった。組織にいる連中はなにもまだわかっちゃいないクソガキどもとして描かれる。ババは準備もなしに大人になろうとしたので、当然の報いとして死んでしまう。なんと大人になるのは大変なことなのであろうか。世には大人になれないまま歳だけを重ねた男が掃いて捨てるほどいる。死屍累々。だがフィリックスはある守護天使の助けを得て、大人になることに成功した。ラスト・シーンで描かれるのは、命をかけて戦った結果に得られる平凡な大人の姿である。ああ、大変、生きるって。われわれ男たちはそう思う。
●だから、ワタシの分類では、この映画は「アバウト・シュミット」や「ハイ・フィデリティ」と同じく、「ダメ男ものの傑作」とされている。(10/31)

October 30, 2003

ボゴシアン引退

●サッカー元フランス代表のMFアラン・ボゴシアン、といってもここをご覧になっている方のほとんどにはなじみのない名前だと思うのだが、先日現役引退を発表したそうである。この人の名前はくだらなさすぎるダジャレ一つで記憶に残っている。♪暮らし安心、ボゴシア~ン。
●↑っていうか、ゲロゲロにくだらなさすぎ。(10/30)

October 29, 2003

「あなたの人生の物語」

●巷の評判がとてもいいので、テッド・チャンの短編集「あなたの人生の物語」(ハヤカワ文庫SF)を読んだ。なるほど、これは確かにおもしろい。ワタシが特に気に入ったのは「地獄とは神の不在なり」と「七十二文字」。前者は現代風の社会に自然災害のごとく天使が降臨して、そこに奇蹟と災厄が同時に起きるという世界を描いたもの。後者は「言語」が物質に命を吹き込むというゴーレム的な自然法則にのっとった世界に訪れた「ある危機」を描く。どちらもアイディアが非常に優れている。
●あとは「バビロンの塔」もいい。空という天井に穴をあけるためにバベルの塔を築いた人々の物語。こうして書いているとどれもファンタジー風の話に思えるんだけど、そうではなくてSFそのもの。
●表題作もアイディアは秀逸なんだけど、「いい話」とされてしまいそうな物語部分に受け入れられないところがあって、ワタシは苦手。でも一冊の短編集としては力強くオススメ。読むしか。(10/29)

October 28, 2003

ハーディングは若い

●指揮者ダニエル・ハーディングを雑誌のインタヴューやらテレビで見てて、「あー、この指揮者はこの年齢にしてすでに自分の音楽を完璧に作り出せて人間的にも成熟しているようだ、本当にスゴい、でもそうは言ってもやっぱりまだまだ20代の若者なんだなあ」と思った。どこを見てそう感じたか。
●顔がアップになると、お肌がツルツルかつスベスベである。(10/28)

October 27, 2003

マリノスvsセレッソ大阪

●はー、参った。マリノスが引き分けてしまった。京都、セレッソ大阪の連戦を引き分け二つで勝点落としまくったのはあまりにも痛すぎる、もはや優勝争いから脱落かと思ったら、ヨソも勝点落としまくっている。まだまだわからない。
●で、その国立競技場で開催されたマリノスvsセレッソ大阪の試合に行ってきた。もう大変な試合で、エキサイティングなドタバタ劇としては今季最強、ワタシは喉が枯れた。マリノスは早々と退場者を出して、一人少ない不利な状況のなか、入りそうで入らないマジック・シュートを連発。最後、ユ・サンチョルのヘディングで同点ゴールがやっと決まったときには、マリノス側はだれもが何かを成し遂げた達成感を味わっていたと思うんだが、よく考えたら勝点1しか取れなかったんだよな。やれやれ。
●今のマリノスの強みがどこかって言うと、パワー・サッカーなんすよね。こんなにパワフルな大型選手をそろえているチームは日本にない。ポゼッション重視でやって相手を崩せそうになかったら、パワーでごり押しして点が獲れる。普通、Jリーグで強いチームってのは技術、戦術、メンタリティなんだけど、マリノスはパワー。今までのJリーグにはなかった路線を走っている。
●セレッソの濱田はいずれ代表に入ると思う。すごく巧くて、視野が広い。しかもまだ若い。プレイスタイルは名波。代表でヴェルディの小林大悟とポジションを争う時代が来るかも。(10/27)

October 24, 2003

レヴュアーの欲望

●ルネ・ジラールが言うように、「私の欲望」とは「他者の欲望」の「コピー」にほかならない。これは経験的にも真実と納得できる話で、ワタシが欲しているものについて言えば、それは常に誰か他者の有する欲望から複写されたものである。ワタシ自身のオリジナルな欲望などなにひとつない。
●音楽も例外ではなく、ワタシたちは誰かが「ああ、×××を聴きたい」と欲望をあらわにしているのを見て、ワタシも×××を本当に聴きたくなる。だから、たとえばあるCDがいくらレヴューで絶賛されていても、レヴュアーが本当にその音楽に欲望を感じていなければ、記事にプロモーション効果はまったくない。なぜなら、そこには読み手にコピーされるべき欲望がそもそも存在していないからである。(10/24)

October 23, 2003

フジ子

ルパ~ン、助けて~!●「フ~ジ子ちゃ~ん」(ルパン風に)。
●……。
●↑声に出して読むと笑えるかもしんないから、もう一回、読んでみよう。はい、「フ~ジ子ちゃ~ん」(ルパン風に)。

●えっと、菅野美穂のフジ子ドラマは見てないっす。圧倒的に見てない。(10/23)

October 22, 2003

巨大クラゲ大発生中

●たいへんだあ、たいへんだあ(←うっかり八兵衛風に)、日本海に巨大クラゲ大発生中っすよ! うわあ、キモい。重さ100キロ超えるんすよ。これはもう怪獣といってもいいんでは。東京湾あたりでゴジラvsエチゼンクラゲのバトルの予感。あ、でも日本海か。
●先週の久保竜彦@Fマリノス。NHKの試合中継でアナウンサーにドゥトラとまちがえられた。85メラニン。
●ちょっと前まではかわいいと思ったけど、最近見かけると微妙にムカつく二大動物。→NOVAうさぎと生茶パンダ。NOVAうさぎの両耳つかんで、ぶんぶん振り回してeジャイアントスウィングー! (10/22)

October 21, 2003

バルセロナvsデポルティボ・ラコルーニャ

●スペインの作家マヌエル・バスケス・モンタルバンが先週末に亡くなった。っていっても、この作家名をご存知の方はここにはほとんどいないと思うし、ワタシだって知らなかったんだが、創元推理文庫から「死の谷を歩む男」が訳されているエンタテインメントの人のようである。代表作「刑事カルバリョ」シリーズは映画化、テレビ・ドラマ化もされている……、っていわれてもスペイン国内の話だからなあ。
●で、この人の訃報をなにで知ったかというとサッカー・スペインリーグのバルセロナvsデポルティボ・ラコルーニャの中継だ。試合前にセレモニーがあって、ピッチ上でヴァイオリンとエレキ・ギターかな、見慣れない編成で聴いたことのあるような曲を演奏している。マヌエル・バスケス・モンタルバンは地元バルセロナの生まれでクラブのサポーターでもあったんだそうである。故人を哀悼して黙祷。中継の画面にどーんと顔写真が出てきた。
●で、セレモニーでかかっていた曲は、やはりここはカタルーニャ、ワタシらクラシック音楽ファンにはカザルスの演奏でおなじみの民謡「鳥の歌」だったんすね。まさかこんなところで耳にするとは思わなかったが、毎週毎週バルセロナの試合を観てりゃこんな場面にも遭遇するだろう。
●試合のほうは全身全霊を傾けて戦ったバルセロナが、無残にも0-2で惨敗。ロナウジーニョは毎試合5人抜きくらいのドリブルを見せてくれるが、ちっとも点が入らない。華麗だが弱すぎる。お客さんは白いハンカチを振ってたりして、もうライカールトが監督でいられるのもあとわずかって気がする。(10/21)

October 20, 2003

アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団

●観た? 観たっすか?>昨日のNHK芸術劇場。いっやあ、スゴすぎ→アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団のマーラー「復活」。うっかり観はじめたら一気に最後まで聴いてしまったが、もう伝説的演奏会の領域に近かった。っていうか、なんですか、あのスーパー・オーケストラは。これ、ベルリン・フィルかと思った。母体はマーラー・ユーゲント管弦楽団なの? でもベルリン・フィル・アンド・オールスターズみたいなメンバーでもある。アバドはちょっと昔とは別人すね、風貌だけじゃなくて。終演後の熱狂的なスタンディング・オーヴェイションも雰囲気がよくて、あそこにいた人が羨ましい。演奏が終わってスタジオにカメラが戻ったら、感動のあまり黒崎めぐみアナが泣きじゃくってたもんなあ(←大ウソ)。
●あ、テレビでクラシック聴くときは、普段より倍くらいにぐぐっと音量上げるべし(基本)。テレビは音量マックス状態の出力が一定になっているらしくて、フルオーケストラの大音量もバラエティ番組のオバチャンの笑い声も同じ音の大きさになる。そのへん知らずに芸術劇場にチャンネル合わせると、なんにも聞こえないやたら静かな番組になってしまうので注意。マーラーが小鳥のさえずりになってしまう。
●で、テレビはラジオやCDと違って一般への影響力が強いので、この演奏も相当話題になると見た。みんな無性に今のアバドが聴きたくなったにちがいない。今日、あなたが会社や学校へ行ったら、だれもかれもアバドとマーラーの話しかしてないと思うし、婦女子は真っ赤な顔で吹いてたパユにメロメロ(死語)だろう。視聴率も相当行ったと思うね。なにしろ同じ時間帯の番組が「ガキの使いやあらへんで」「世界ウルルン滞在期」「EZ! TV」など、だれも聞いたことも見たこともないような番組ばかりだから、アバドの「復活」の視聴率は30%は超えただろう(←異様に視野が狭い人間の例、再び)。瞬間最高視聴率は第5楽章の「♪わたしは生きるために死ぬ~」のとこでで40%だってよ(なわけねー)。(10/20)

October 18, 2003

惨敗草サッカー

●うう、痛たたたた。肉体全身ガキガキにこわばる草サッカーの翌日。でもケガらしいケガもなく幸いなり。
●ってなわけで、昨晩は草サッカー。お相手はいつものオーディオ・メーカーさん、こちらも会社のチームで実業団サッカーだ(笑)。1-3でまたしても敗北。試合時間は前半15分+後半15分+オマケ10分だから、本物のサッカーに比べるとよく点が入るよなあ、ていうか、試合時間全部あわせても45分にも満たないのかよ、これ。90分走るなんて、化け物っすよね。ワタシらは日頃ほとんどスポーツをしない、若くもない集団なので、前半10分過ぎから足が止まりだす(苦笑)。
●で、この試合はチーム全体でもシュートわずか2本といつもよりも寂しいできばえ。自分的にはもっと酷くて、ここ数年でもこれだけダメだった試合はないだろうというくらいにミス猛連発で、穴があったら入りたい気分を自虐的に満喫、ただの一つもよかったと思えるプレイができなかったのだ。反射神経が鈍っててスローなのはしょうがないっすよ。しかし、蹴るときに腰が入らんのはどうしたことか。右サイドからクロスを挙げるチャンスが2度あって、気分はベッカムないしはフィーゴで右足を振りぬいたつもりが、あれ~と低く斜めにボールは滑ってはるか彼方へ。2回ともコピーのように。おかしいなあ。なんですか、この空振り寸前の腰砕けキックは。恥ずかしすぎて泣ける。あ、そういや空振りもやっちゃったなあ。
●この悔しさは必ず晴らしてみせる。よし、ゲーセンのバーチャストライカーで勝負だ、かかってきなさいっ!(10/18)

October 15, 2003

評価する人たち

●サッカーの話のようでいて、世間一般な話。
●「日本代表.com」っていうサイト、ご存知っすか。われらがニッポン代表の公式サイトとして、有料&無料記事を提供していたが、不人気なので10月末日で休止だそうである。夕刊フジはとことん読者をなめていて、サイト休止をジーコ監督の不人気のためと言いたいっぽい。夕刊紙をマトモにとりあってもしょうがないが、これはなかなか悲しい記事で、本当はどうして「日本代表.com」がダメになったかは簡単な話である。単に、中身がつまんいないから。こんなのでサイト運営が成功するんだったら、ワタシゃもうなにも信じられんと思ったくらいのもんだ(スマソ、関係者の方)。
●で、「中身がつまらないから、失敗した」っていう理屈は当たり前のことだと思いたいんだけど、世間的には決して当たり前じゃない。もうこりゃワタシの妄想だけど、「大人気のニッポン代表の公式サイトなんだから、成功しなきゃおかしい」くらいに思ってる偉い人がきっといたんだと思う。中身がおもしろいかどうかの吟味は一切なし。たぶん「日本代表.com」の現場担当者は自分でも企画が弱いなあと最初からわかってて、でもゴーが出ちゃって、目標獲得有料会員数とか数字が一人歩きし始めて、偉い人も「こりゃ行けるよー、××ちゃん」モードに入っちゃって、周囲も盛り上がるもんだから担当者も「そうだな、もしかしたらヒットしちゃうかも」と自分で自分についたウソを信じるようになって、いざスタートしたら「現実」と「会社で作った書類」とは乖離しまくってて、青ざめるような有料会員数がレポートされちゃった、と(あ、妄想ですよ)。
●なんつうか、記事のおもしろさっつう読者の最大関心事に、どうして読者以外の「評価する人たち」は無頓着でいられるのかなあ。ホント、すごくよくあることなんだけど不思議でならんです、ワタシは。記事っておもしろくてもつまんなくても、会員数とか売上には関係しないわけ? (10/15)

October 14, 2003

ルーマニア代表vsニッポン代表

●おおっと、ルーマニア代表vsニッポン代表戦のことを書き忘れていた。ほんの二日もするとン万光年の彼方に記憶が過ぎ去ってゆく代表戦ってのも、なんだかなあ。つうか、それが親善試合ってもんだ。1-1のドロー、ゴールは柳沢。欧州組フル参戦のベスト・メンバー。
●ルーマニアのほうもムトゥやキヴがいったワールドクラスの選手がいたんだから、本気メンバーっすね。格上相手にアウェイでドローなんだから、結果には満足。ナカタが「このチームはあまりにも選手が話をしない。きょうも怒鳴ってしまった」と嘆いているらしいが、もうすっかりキャプテンというか、先生というか監督というか、あの「オレ、知らねー」な中田英寿がこんなになっちゃう欧州ってのはスゴいところなんだと思ったです。
●結局、親善試合をいくつ重ねてもホントに強くなってるのかどうかはW杯とその予選、およびアジア・カップ以外ではわからんっつう気がますます強まり中。(10/14)

October 12, 2003

「レッツゴー!クラヲくん」 第4回

●連続ドラマ「レッツゴー!クラヲくん」 第4回

「やあ、クラヲくんじゃないか。久しぶりだね、元気にやっとるかね」
「あ、はい。おかげさまで」
「あれはまだ聴いてるの。ほら、これ」(両手で指揮マネ)

(10/12)

October 10, 2003

チュニジアvsニッポン

●観ましたか、チュニジアvsニッポン。つうか、聞きましたか、チュニジア人のお客さんたちのナカタ・コールを。ニッポン代表初のアフリカ遠征だったのが、後半途中からアウェイではなくホーム状態に変わっていたではないか。つまり、チュニジアの不甲斐なさに怒った観客が、途中から全面的にニッポンの応援をはじめたんである。
●チュニジアがボールを持つと一斉にピーピーと口笛を鳴らしてブーイング、そしてニッポンがボールを奪うと、「オーイッ!」「オーイッ!」の掛け声で応援。しまいにはチュニジア人たちが勝手に作ったナカタ・コールまで始まってしまった!「ナカター、ナカター、ナカタ~~」。ああ、なんという屈折した愛なんでしょうか(笑)。
●自分のチームがダメなので、敵を応援して叱咤するというスタイルは、確かにサッカーにはある。日本人もそれっぽいゼスチャーくらいなら見せる(稀に)。でもさ、いくらニッポン代表が不甲斐なくても、ゴールのチャンスになったらやっぱり「ワー」って応援したくなっちゃうじゃないっすか、フツーの日本人なら。チュニジア人は、自分たちがゴール前に攻め込んでいてもブーイングを続けるんすよ。徹底してる。真似できない(しなくていいけど)。
●で、欧州組+ナビスコ準決勝組以外の国内組による変則的な編成となったニッポン代表、先発はこう。GK:楢崎、DF:左に三浦アツ、右に加地亮@初代表、中央に中澤と茂庭@初代表。MF:左に中村俊輔、右にナカタ、中央は小野と稲本、FW:鈴木タカ、柳沢。フレッシュすぎるディフェンス・ラインだが、中澤がよかった。茂庭は不安定すぎてまだまだ、加地は後半から見事なプレイを見せたが、決定機をつぶしてしまったのが痛い。三浦アツはアレックスよりはディフェンス力があるけど、攻撃力はかつてほどではないので微妙。ナカタは相変わらずだがややミスが多かった。俊輔はいつものように巧くて消極的だった。小野は太った。稲本はもとから巨体だ。鈴木は相変わらずバイオレンスな働き者、柳沢は一体一のチャンスにハズすかと思ったらしっかりと決めた。楢崎は完璧。
●1-0でニッポン勝利。前半はずっと押されていたのだが、相手の決定力のなさに助けられた。敵地で勝ったんだから、ワタシゃ文句ないっす。(10/10)

October 9, 2003

無携帯

●「それでさー、××ちゃんがぁー」。すれ違う若者、喋っております。独りで外を歩く者が喋る、すなわち今風であり日常的な光景、一瞬ギクリとするがよく見れば片手に携帯電話が……ない。イヤホンもマイクもない。喋ってる相手は心の清い人にしか見えないお友達なのですか。
●さてと、ひとっぷろ火星からの毒電波でも浴びてくるかなと。あ、全然関係ないけど、NHKで放映してたハーディングのベートーヴェンは録画しただけでまだ観てないっす。楽しみだなあ。
●センセイ、毒電波の色は緑で、マイナスイオンは青ですか。 (10/09)

October 7, 2003

「巨人の星」猛虎編

●WOWOWで名作アニメ「巨人の星」を花形視点で再構成したとかいう番組を放映していて、なかなかおもしろい。今やってるのは再放送なので、もともとタイガースの優勝とは関係なく企画されてたんだと思う。
●で、花形から見るとあの物語はどう見えるか。なんと、これがゲイ・カップルの愛憎物語みたいになるんである。だって、主人公の視点がずーっと星飛雄馬にのみ定められていて、ひたすら男同士で泣いたり笑ったり抱き合ったりしてるだけなんだからさ。星の人生には花形のほかにも父ちゃんとか姉さんとか伴宙太とか、いろんな存在がいるわけだが、花形満の人生には星っていうオトコ以外にはなにもない。星の姉さんだって、花形にとっては飛雄馬に近づくための道具にすぎなかったんじゃないかとかムチャクチャな邪推まで成り立つ。
●今にして思うと、スポ根アニメ全般にそういう要素は隠れて存在していたのかもしれんなあ。(10/07)

October 6, 2003

現実がゲームの虚構に追随する

●いま川口能活が所属するクラブの名前を言える人ってあんまりいないと思う。デンマーク1部リーグのノーシェランっていうんだけど、ついに川口能活がデビュー、しかし試合は1-2で負けてしまったという。でもデンマーク・リーグの12チーム中10位のチームって言われてもなあ。さすがにJ1の上位チームのほうがレベルは高いと思うが。
●川口がイングランド1部(実質2部)からデンマーク・リーグに移籍したってニュースを聞いたときは結構感動した。何度も話題にしているサッカー・シミュレーション・ゲームのChampionship Managerなんだけど、これを数年プレイしていると、よく日本代表クラスの選手が北欧だとかトルコだとかに移籍しちゃうのだ。ワタシがプレイしたときは、FCコペンハーゲンに西澤とか城が移籍して活躍していた。「おいおい、いくら欧州移籍って言っても日本人選手がどうしてそんな辺鄙なところに移籍するんだよっ!」と思ったものだが、恐るべきことに現実はゲームの虚構を超越している。川口がノーシェランに移籍。知らんよ、そんなクラブ。コペンハーゲンよりもずっとマイナーではないか。
●「現実がゲームの虚構に追随し、追い越す」というルールを当てはめると、次はどんな移籍が実現するんだろうか。ワタシのChampionship Managerで起きた日本人選手の移籍で印象に残ったものというと、ジュビロの服部がイタリアのラツィオへ移籍ってのがある。あと、レッジーナの中村俊輔がどうもイタリアにはなじめなかったらしく、あっという間にウィーンに移籍して大活躍していた。ウィーンに中村俊輔。音楽ファンに加えてサッカー・ファンの日本人観光客も取り込めるって点で、なかなかありそうな気がする(そうかあ?)。あ、それから三浦カズが引退後にセリエCくらいのクラブのスカウトとして雇われていたけど、それはないよなあ。(10/06)

October 5, 2003

「ザ・フィル~オーケストラの舞台裏」

●NHK-BSで「ザ・フィル~オーケストラの舞台裏」Vol.1を再放送していた。イギリスのフィルハーモニア管弦楽団を取材したドキュメンタリー。前に観ていたのにまた観てしまった。この番組の優れたところは、登場する楽団員全員が不幸で、そのストレスをカメラの前にさらけ出しているところ。オーケストラの団員はアーティストではなくて職人だっていう視点。みんなハードワークに疲れ切った労働者なんである。
●だれも「イギリスのオーケストラはすばらしいよ」みたいな幻想を語らない。そして、まあ、だれもかれもできるものなら辞めたいんだよな。いくら好きな仕事をやっていたって、大勢が一ヶ所に集まって長年働いていればこうなるのは当然のことなわけで、そのあたりを欺瞞レスにしっかり描く。ダメなドキュメンタリーだと「でも僕たちは音楽を愛しているから、どんなに仕事が大変でも平気だ」みたいな教育的結末をつけちゃうけど、そうならない。いいっす。(10/05)

October 2, 2003

「シモーヌ」

●映画「シモーヌ」を観た。ストーリーはシンプル。売れない映画監督タランスキー(アル・パチーノ)が、CGで作られた実在しない女優を起用したところ、その女優が大スターになり、タランスキーは真実を公表できない。さあ、どうするアル・パチーノ。
●「トゥルーマン・ショー」の脚本を書いたアンドリュー・ニコルによる監督・脚本なのだが、物語のテーマも同じ、テイストもほぼ同じ。つまり、「メディアが作り出したフェイク」っていういろんな可能性を持ちそうなテーマを掲げながらも、やりたいことは「おちょくり」で、コメディと思ってみるのが正解。ノリは「ロボコップ」。メディア批判だのフェイク論だのと半端なことを言わないで、笑いながら観るのが吉。
●ウケたのはタランスキーが作った「劇中劇」ならぬ「映画中映画」っすね。どうやらタルコフスキーかアンゲロプロスみたいな文芸性の高い映画を作っているらしくて、映画中映画もそれっぽい。バーバーの「弦楽のためのアダージョ」とかフォーレの「レクイエム」とか音楽に使ったりして、なんかもういかにもなのが実に可笑しいんだな。
●それにしてもアル・パチーノがこんなダメ男役をやるようになるんだから、わからないもんである。「ゴッドファーザー」の冷徹な色男をこんなふうに変えちゃうんすね、ったく歳月ってヤツぁ……。(10/02)

October 1, 2003

国会中継を録画

●「総理! 総理! 今朝のBS11のクラシック倶楽部、レザール・フロリサンの演奏を録画予約しておいたんですが、帰宅してワクワクしながらビデオを巻き戻して再生したら、国会中継で総理が映っていました。この件についてクラシック音楽ファンとしても知られる総理の見解はっ? いくら国営放送といっても、地上波で同じもの中継しているならレザール・フロリサン放映してもよかったんじゃないですか! ていうか、ラモーじゃダメですか、総理!」
(10/01)

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