2006年7月16日

ワールドカップ2006ドイツ大会をダラダラと振り返りつつ、4年後へ

イタリア●大会後、ジダンとマテラッツィの頭突き事件が話題の中心になってしまっているが、最後に大会そのものを振り返って雑談。
●マテラッツィの狼藉があったとはいえ、チャンピオンがイタリアだったことは事実。あそこでジダンの退場がなかったとしても結果はたぶん変わっていない。決勝でジダンがフワリと浮かすループ気味のPKを決めたけど、大会でのイタリアの失点はこのPKとオウンゴールの2点のみ。驚異的な守備力だった。でもこれは全然「カテナチオ」じゃない。まるでブラジル代表のごとく、4バックの両サイド、グロッソとザンブロッタが攻撃でも活躍した。しかも中盤の底はACミランと同じくピルロ。ピルロはトップ下の選手として若い頃から才能を嘱望されてたけど、インテルでポジションを取れず、レンタル移籍を繰り返し、ミランに完全移籍。そこでまさかのボランチ転向。これが大成功、しかも代表でも同じ役割を担うようになるとは。中盤の底からゲームを組み立てるスタイルを確立、トッティが不調でもチーム力が落ちなかった。
●大会自体は(特に欧州の)強豪が順当に勝ち残ってくれて、好ゲームが多かった。でもなー。ベストマッチを選ぶのはなかなか難しい。強いて挙げると準決勝のドイツvsイタリアか、ベスト16のスペインvsフランスかなあ……。いや、邪道だけど、一次リーグのアルゼンチンvsセルビア・モンテネグロかも(6-0の試合)。ベストゴールは躊躇レスにこの試合のカンビアッソ。パス何本つないだんだろう。あのとき観客席でマラドーナが狂喜してユニ振り回してたけど、これが今大会の裏クライマックス。そっか、今わかった。終盤、質の高いゲームが連続したにもかかわらず、どこかこの大会に割り切れないものが残っているなと思ったら、いちばん魅力的なチームがベスト8で終わってしまったからだ。どうしてドイツ戦には応援に来てくれなかったのだ、マラドーナ……。
●伝説としてはジダンとフランスの復活、そして頭突きということになるけど、まあこれはもういいか。
●結果のみ見ると予定調和的だったけど、新興国のレベルアップもとても印象的だった。が、オーストラリアを除くと、アジア勢は惨敗。4年前の日韓大会が特別だっただけで、もともとアジアはワールドカップではアウトサイダーで、地域枠があるから何ヶ国も出ているだけという、見ないことにしている現実を突きつけられた気もする(苦笑)。でもアジアにも希望が。次回よりオーストラリアという強豪国がアジアに入ってくれるおかげで、地域の水準は確実に上がる。結果的にニッポン代表が本大会に出場できないことも増えるだろうけど、本来それがフツー。オランダやフランスだって出場できないときはできない。で、たとえ監督がオシムであろうと、代表のレベルはJリーグのレベル次第。見るしか、J。いや、しばらく放心して見れないかもしれんが。

2006年7月13日

発表! 二ッポソ代表2006

●ついに発表! ワールドカップ2006記念、二ッポソ代表はこのメンバーで!

FW: 倉内、来栖、江藤(出てないけど)
MF: 子門三郎さん、丸田、二個小鉢、あるなコネ
DF: 那須田、照井、丸助
GK: 井作さん

●一部、かなりムリしてますが、気にしない!
「二ッポソ! 二ッポソ! 二ッポソ!」
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●と書いてみたものの、このネタ、ちっとも伝わらない気がする。二ッポソ代表のカタカナ表記も添えておこう。

FW: クラウチ、クルス、エトー
MF: シモン・サブローサ、マルーダ、ニコ・コヴァチ、アルナ・コネ
DF: ネスタ、テリー、マルケス
GK: イサクソン

2006年7月11日

決勝:イタリアvsフランス。ジダン最後の試合、最後の伝説。

ジダンは神●あー、なんてことなんだろか。決勝戦、いい試合だったと思う。しかしなー、ジダンが赤紙で退場とは。睡魔と激しく戦いながら生放送を見てたんだけど、あれで一発で目が覚めた。
●イタリアのセンターバック、マテラッツィ。ワタシはこの人が以前から嫌いであって、それは単に容貌が気にいらんとかそういう理不尽な偏見に基づくものかと思っていたが、そうではなかった。この事態を予期して先見的に嫌っていたのかもしれん。マテラッツィがなにかジダンに言う。ジダンがなにか答える。まだマテラッツィがなにかいう。ジダンがマテラッツィに頭突き。ジダンはカッとなりやすい。マテラッツィはジダンを罠にかけた。「ワールドカップ決勝戦で現役引退する」という伝説的シチュエーションで、ジダンはさらにその伝説性を増すはずだったのが、最後にこんな小賢しい罠にひっかかって失意のうちにピッチを去ることになった。ああ、マテラッツィごときに! これが相手がせめてかつてのアルゼンチンのシメオネみたいな極悪選手なら、罠には罠なりの値があっただろうに、よりによってマテラッツィ。ていうか、マテラッツィ(笑)。あーあ、マテラッツィ(プッ)。マテラッツィ(ペッ)。
●イタリアはトッティがいるかいないかわからないほどだったのが残念。トッティも伝説になれたかもしれなかったのに。MVPを選ぶなら、ザンブロッタに一票。サイドバックのMVPってなかなかないだろうから。グロッソと合わせて、イタリアは両サイドバックの活躍が凄まじかった。
●でも皮肉にも公式なMVPはジダンなのだ。もしジダンが退場せず、しかもフランスが勝っていれば、98年に続いてこの大会はジダンの大会になった。現実にはジダンは暴力行為で退場したわけだから、非難されてもしょうがない。では06年がだれの大会かといえば、やっぱりジダンの大会だったと思う。頭突きは狂ってる。90%は残念でならないんだけど、残りの10%で痛快な気分になった、ワタシは。


イタリア 1 (5 PK 3) 1 フランス
至福度 ★★★
伝説度 ★★★★★

2006年7月10日

3位決定戦:ドイツvsポルトガル。シュヴァインシュタイガーの日

ド、ド、ドドイツ●ワタシもワールドカップには3位決定戦なんて要らないよと思うんだけど、でもじゃあ準決勝から決勝までの空いている日になにをやりゃいいかというと、いい案は浮かばない。ヘンなエキシビション・マッチとかやると大会がだれるしなあ。しかも前回も今回も開催国が3位決定戦に進出してるんだから、こうなると注目度も高くなる。
●主審は上川さん。日本人審判初の決勝トーナメント進出。まだトーナメントで実績のない主審を起用する場合は、まずトーナメント中もっともプレッシャーの低い3位決定戦をあてて経験を積ませるのかなあ……と思ったのだが、W杯の審判は45歳定年制なので上川さんはこれが最後。氏に対しては日頃Jリーグではしばしば悪口雑言が飛び交うが、これは「どんな優秀な審判でも自国リーグのサポーターからは悪く言われる」ことの証だろう。
●3位決定戦に地元ドイツが出てきて、まさか負けるわけにはいかない。控えキーパーとなったカーンがついに出場。好セーブ連発で安堵。バラックは欠場。得点王のかかったクローゼは先発したが、決勝でアンリがハットトリックを決めない限りクローゼの得点王は安泰なんだから、無得点でも問題なさそう。この試合はシュヴァインスタイガー・ショー。豪快なミドルを2本決めた。ポルトガルのほうは開催国が相手になってしまって気の毒というか、ホントに難しい試合だったにちがいない。
●あとは決勝のみ。なにか、とてつもないプレイを見たい。


ドイツ 3 - 1 ポルトガル
至福度 ★★
伝説度 ★

2006年7月 7日

準決勝:ポルトガルvsフランス。ジダン伝説準備編

●この試合で良かったのは「結果」。ジダンがPKを蹴って1-0でフランスが勝った。これ、逆だったらずいぶん寂しかっただろうなあ。お互い試合を重ねてコンディションが落ちているせいもあると思うけど、見せ場の少ない試合になってしまった……いや、ポルトガルが良くなかったからか。前半33分、アンリが倒されたPK、少々アンリの倒れ方がわざとらしいにしても、ファウルがあったには違いない。でも「この1点が決勝点になりませんように」って祈る、フランス人以外のサッカー・ファンは。味気ない試合になってほしくないから。
●で、そこでポルトガルがなにをしたかといえば、次から次へとダイブした(ような印象を受けた、実際にはそこまでではないにしても)。特にクリスティアーノ・ロナウドはどの試合もそうなんだけど、レフェリーのほうを向いてプレイしすぎ。悪賢く自分たちに有利な判定を引き出してやろうっていう演技が多くて辟易した。すぐ手や肘が出るのもねえ。同じ悪賢いにしてもデコには好印象しかないので、なにか違うんだと思う。
●終了直前、コーナーキックのチャンスにポルトガルはキーパーのリカルドまで前線に上がってきた。これでリカルドがゴールかアシスト決めたら伝説だったのに。ていうか惜しかった→アシスト。でも1-0でおしまい。しょうがない。決勝でジダンを見られるだけでもありがたい。コンディション的にはイタリアが断然優勢だと思うが、フランスが優勝したら伝説。もうフランスが韓国と引き分けたことなんかだれも覚えてないのでは。


ポルトガル 0 - 1 フランス
至福度 ★★
伝説度 ★

2006年7月 6日

準決勝:ドイツvsイタリア。あの2点目がいいんすよ、容赦なくて。

●長い大会だと思っていたけど、もう準決勝。なんだかもうすぐ終わると思うと寂しくなってきたり。
イタリア●で、「こういう対決が見たかった」的な対戦実現、ドイツvsイタリア。本来ならイタリアを応援するところなんだけど、ドイツは開催国だからついついドイツ視点で見てしまっていることに気づく自分がいる。クリンスマン監督のオーバーアクションはかなり楽しい。
●お互いに攻守の切り替えが早くて、見ごたえのある試合に。ただ後半30分くらいになってまだゴールが生まれていない時点で、これはイタリアは苦しいなと思った。イタリアはトップのトーニをジラルディーノに交代したけど、徐々に消耗してきてギリギリのところで守るようになっていたのに対して、ドイツは中盤の両サイドにシュバインシュタイガーとオドンコーを投入。もうこれでイタリアはサイドの攻防に耐えられないだろうなと覚悟。が、ドイツ攻め切れず。無得点のまま延長へ。
●延長戦、イタリアは疲れきってたカモラネージをイアキンタに、さらにペッロッタをデルピエロに。さすがに中盤は緩くなって、いつ点が入ってもおかしくない状態に。延長前半ロスタイム、オドンコーのクロスに猛烈どフリーでポドルスキーがヘディング・シュート、しかしボールは枠の外へ。ドイツにとってもっとも悔やまれるシーン。
●もうPK戦だろうと思った延長後半14分、コーナーキックのこぼれ球を拾ったピルロがペナ付近でキープ、グロッソへノールックでスルーパス。これをグロッソがダイレクトでシュートすると、ボールにきれいな回転がかかって、枠の外側から巻いてきて左隅へ。美しすぎる。これがサイドバックの選手のシュートかね。あと1分。最後の奇跡に賭けて攻めに出たドイツに対して、イタリアは容赦なくカウンターアタック、デルピエロがさらにゴールを決めて2-0。こういうときのイタリアってホントに鬼。デルピエロの咆哮につい笑ってしまった。
●ドイツは負けたけど、ワールドカップになると強いっていう伝統は生きてる。前回は印象薄かっただろうけど決勝まで行ってるわけだし。だいたいみんな大会前はクリンスマン監督のことを胡散臭そうに見てたっぽいけど、これだけ内容のある戦いをしてきたんだから褒め称えられるべきかと。


ドイツ 0 - 2 イタリア
至福度 ★★★★
伝説度 ★★★

2006年7月 2日

準々決勝:ブラジルvsフランス。再現ドラマなのかこれは。

ジュテ~ム●スペインvsフランス戦でも書いたけど、ここまで筋書きができちゃったら後はジダンとフランスの復活劇になるしかない。奇しくも8年前の決勝戦と同じ組合せ。もうひとつ、近年の最強フットボーラー対決であることも見逃せない。ジダンとロナウジーニョ。大会前はジダンの活躍なんて期待されてなかったし、ロナウジーニョの大会になることがほとんど当然のことのように語られていた気がする。
●しかしよくわからんのだが、どうしてブラジルはフランスを前にすると借りてきた猫みたいになるのか。8年前もそう、今日もそう。ジダンのフリーキックからアンリが先制ゴールを決めた、そこまではフツーにあり得る。が、その後、熱くなったブラジルが鬼のような猛攻を仕掛けてくるはずなのに、なぜか沈黙してしまう。ロナウジーニョは4年前の日本ですでに伝説プレイを見せてくれたけど、今回はノーゴール、普段バルセロナで見せているプレイの半分もできなかった感じ。アドリアーノもどうしちゃったのか。1-0でフランス優勢のまま勝利。欧州で開催されるワールドカップでは欧州が強い、この基本法則がさらに強まって再確認された今大会、ベスト4は全部欧州。
●伝説の物語となるためには、8年前の再現を狙うフランス vs 8年前だって優勝したのは開催国だよだからドイツ、ってファイナルを期待したいものである……って、ドイツ戦はイタリアを応援するけど。
●印象的な場面。前半45分が終わってベンチに帰ってくるジダンに、ブラジルのベンチからロビーニョが出迎えて抱擁。ジダンから見りゃブラジル代表はレアルマドリッドのチームメイトだらけだけど、特にロビーニョはジダンになついてるのが微笑ましい。フランスが負けたら即、ジダンの引退試合になるからなー。でも勝ったのはフランス。ジダン、またマルセイユ・ターン見せてくれっ! あと次戦はジダンにはつまんないイエローカード出すの禁止! スペイン戦で一枚もらってるから。決勝に出場停止で引退じゃあ泣くに泣けん。ジダンだよ、そのへんのヘッポコといっしょにしちゃいかんよ。


ブラジル 0 - 1 フランス
至福度 ★★★
伝説度 ★★★★

準々決勝:イングランドvsポルトガル、イタリアvsウクライナ

●まずはイングランドvsポルトガル。イングランドのフォーメーション、今日も4-1-4-1。ルーニーのワントップってどうっすか。フォワードを一人にして、ディフェンス・ラインの前にハーグリーブス。慎重。ほぼ確実に試合はつまらなくなる。決定機が少なく眠気を催してきた後半(えっ、もう?)17分、ルーニーが一発退場。これ、なぜ退場なのか全然わからなかった。ポルトガルのクリスチャーノ・ロナウドとなんか言い合ってたように見えたけど、ひょっとしてこの二人、険悪? マンチェスター・ユナイテッドのチームメイトなのに。どっちも若いからなあ。
●イングランドは一人少なくなったのに、運動量の低下を感じさせなかった。この魂のフットボールは立派。攻め切れないポルトガル。惜しいシーンはいくつもあったが、延長に入っても決着付かずにPK戦へ。プレッシャーから両者なかなか決まらないが、制したのはポルトガル。見せ場の少ない試合だったけど、熱くなって見ることができたのは準々決勝だから。次戦、ポルトガルにデコが帰ってくる。楽しみ。


イングランド 0 (1 PK 3) 0 ポルトガル
至福度 ★★
伝説度 ★

イタリア●イタリアvsウクライナ。こっちもイタリアが1トップ。トーニだけ。トッティがその下にいる。後はみんなでまず守って、攻撃は前のほうにいる特殊能力持った二人くらいでやるイタリア風。ワタシは人が言うほどイタリアの守備的な戦いが嫌いじゃない。技術はあるわけだし。ベンチにジラルディーノ、インザーギ、デルピエロ、イアキンタと豪華フォワード陣4人座らせて、ピッチには一人(笑)。なかなかこんなことはできません。
●前半6分、イタリアはザンブロッタが右サイドからドリブル突破、10回打ったら1回入るかどうかみたいな難しいシュートを決めて先制。守りの意識の強いほうが先制してしまったので、後は安心して見ていられる展開。トーニが後半14分、後半24分と追加点を奪って、3-0で完勝。ジラルディーノ、インザーギ、デルピエロ、イアキンタは全員最後までベンチ。ならそんなにフォワード連れてこなくていいじゃねーの!なんて寂しいことを言っちゃいけない。


イタリア 3- 0 ウクライナ
至福度 ★★★
伝説度 ★★

2006年7月 1日

準々決勝:ドイツvsアルゼンチン。選手交代って難しい

●よくニッポン代表の負け試合とかで、「あそこでジーコが××を交代させてりゃ」みたいな悔しがり方、するじゃないですか。でも基本的に弱いほうが選手交代で勝てたかもしれないって思うのは幻想で、交代の明暗ってのはこのドイツvsアルゼンチンみたいな、対等に戦っている者について生まれるものなんじゃないか。と思ったり。
●前半、アルゼンチンのボール支配率は60%を超えていたと思う。リケルメを中心としたパスワークで異彩を放つアルゼンチン、慎重な戦い方をするといっても攻めないとかそういうんじゃなくて、ボールを失わないっていう試合をする。ドイツ相手に。すごいなあ。でもあまりに慎重で、延々と横パスをつないでいたら45分が終わったという印象。お互いチャンスレス。
●後半、急激に試合は動き出す。後半4分、コーナーキックにアジャラがクローゼに競り勝ってヘディング・ゴール。クローゼは顔が青ざめてた(ように見えた)。で、ここから明暗が分かれた気がするんだが、後半17分にドイツはシュナイダーに代えてオドンコー。すると右サイドの攻撃がぐっと活発になり、ゲームを支配しはじめる。
●一方、アルゼンチンが不運だったのはキーパー、アボンダンシエリの負傷退場。レオ・フランコが入ったが、延長もあるトーナメントでキーパーの交代に一枠使ってしまったのが痛すぎる。攻勢に出たドイツに対して、中盤の運動量と守備力を補うために、後半27分、大胆にもリケルメを下げてカンビアッソ投入。ほぼすべての攻撃をリケルメが作っていたのに! でも、このまま逃げ切ってりゃ実に合理的な交代だし、こういうのはみんな結果論でしかない。さらに続いて、クレスポを下げてクルス。ええっ、クルス? そこで3枚目の交代枠使っていいんすか、ペケルマン監督。っていうか、ワタシは単にメッシやサビオラを見たいだけだ。クルスみたいな体を張る長身フォワードじゃなくて。(思いっきりアルゼンチン寄りで見てます)
●で、悪夢。後半35分にクローゼがゴール決めやがった。あーあ、もうアルゼンチンにはリケルメもクレスポもいないよ。ベンチにメッシもサビオラもアイマールもいるのに、誰も使えない。なんたる不条理。かくなる上はクルスにかんばってもらうしかない。ワタシはずっとテレビの前で呪文のごとく繰り返していた。「クルス、クルス、クルス、クルス……ブツブツ、クルス」。
●でもこういう裏目に出た試合はめったに勝てない。延長を耐え、PK戦に入ったら、ドイツのレーマンが鬼のようにPKを止める。レオ・フランコ、今日まさか自分がPK戦を戦うことになるなんて想像してただろうか。というか、ドイツ人たちは絶対にキーパーが止められないところに次々蹴りこんだ。4-2でドイツがPK戦を制する。ペケルマン監督とクリンスマン、前者の交代策が失敗して後者が奏功するなんて。なんか試合終了後、アルゼンチンの選手がエキサイトしてたけど、あれ、なんだったんだろ。はあ、クルス……。メッシ。


ドイツ 1 (4 PK 2) 1 アルゼンチン
至福度 ★★★
伝説度 ★

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