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July 24, 2026

ワールドカップ2026北中米大会をふりかえる

ワールドカップ2026 トロフィーリフト
●さて、忘れないうちにワールドカップ2026北中米大会をふりかえっておきたい。この大会に対する気持ちは複雑だ。大会のハイライトは準決勝でスペインがフランスを下した試合。技術と戦術がフィジカルモンスターたちを打ち破った。スペインが2度目の優勝を果たしたのはすばらしい。ただ、大会全体の後味はかなり苦い。決勝戦でのアルゼンチンの態度があまりに悪く、グッドルーザーからほど遠かった。昔からそういうガラのチームだけど、メッシまで主審を欺こうとしていたのは残念すぎる。で、優勝セレモニーでのスペイン代表のトロフィーリフトに、あろうことかトランプが割り込んでくるというトンチンカンな事態に。スペイン代表の前を徘徊し、インファンティーノにフレームから外れるように促されたのに無視して、最終的に横に立って、しっかりカメラのフレームに収まってしまった。どうするのこれ。と思ったら、後で見た写真ではトランプの姿が消えていて、AI、役に立ってるぞ!と感激したのだった。
●ずっと不要な試合だと思っている3位決定戦が、とんでもない乱打戦になって、イングランド 6-4 フランス。前半でイングランドが4ゴールを奪ったのに、後半、追いつかれそうになった。そりゃ10ゴールも入ればおもしろいにはちがいないけど、まるでエキシビションマッチのような大味な試合。
●アメリカ代表のバログンのレッドカード猶予事件はどうなるのか。でたらめだと思った。あと、決勝戦でアメリカ国歌が歌われたのも違和感あり。まるでアメリカの国内大会みたい。
●参加チームが32から48に増えた。FIFAは大成功だったと言っているが、観る側からすれば試合が多すぎるし、大会が長い。32に戻してほしい。でも、たぶん64になりそう。
●ハイドレーション・ブレークは事実上のクォーター制。その分、アディショナルタイムが増え、試合がますます長くなった。中継ではCMがたっぷり。不評を買って当然だろう。ただ、クォーター制には試合が見やすくなる、戦術的な工夫がしやすくなるなど、いい面もあると思っている。

July 20, 2026

ワールドカップ2026北中米大会 決勝 スペインvsアルゼンチン

ニュージャージ・スタジアム
●ついに決勝戦だ。欧州王者スペイン対前回世界王者アルゼンチン。完璧なカードが実現したともいえるのだが、内容は一方的な展開になった。ボールを持って攻め続けるスペインと、守りながら39歳メッシの奇跡を待つアルゼンチン。アルゼンチンはもともとそういうチームではあるが、ラフプレイが目立ち、審判との駆け引きで試合を有利に運ぼうとする。メッシがいなかったらアルゼンチンなど応援しない。
●なにしろスペインは準決勝であのフランスを一蹴したのだ。アルゼンチンはボールを持てない。90分でスペインのシュートが20本、アルゼンチンは0。後半48分にアルゼンチンのエンソ・フェルナンデスが2枚目のイエローで退場。もともと劣勢なのに、さらに不利に。それでもアルゼンチンはキーパーのエミリアーノ・マルティネスのファインセーブもあって延長戦にまでもつれ込んだ。なお、ハーフタイムショーが既定の長さを越えて行われた模様。いろんなアーティストたちが登場し、ドゥダメルが指揮者として登場したのは目をひいたけど(背番号は1)、それまでのピリピリした試合の雰囲気からすると、かなり異質。このお祭り感、試合の前にやればぴったりなのに。
●延長前半6分、スペインは右サイドのクロスから、こぼれ球をニコ・ウィリアムズが押し込んでゴール、と思いきや、ファウルがあって取り消し。メリノがオタメンディを倒したということらしいのだが、映像で見てもファウルがあったようには見えない。主審のスラヴコ・ヴィンチッチは安定感のあるジャッジで巧みに試合をコントロールしていたけど、ここはオタメンディに欺かれた感も。アルゼンチンの2連覇というかメッシの2連覇を願っていたけど、もしこの試合内容でスペインが優勝できなかったら正義がなさすぎる。延長後半1分、右サイドからのクロスにファーでニコ・ウィリアムズが頭で折り返し、フリーになったフェラン・トーレスがズドンと蹴り込んで、ようやくスペインがゴールを決めてくれて、ほっとした。この日はメッシにもノーチャンス。スペイン 1-0 アルゼンチン。スペインは4大会ぶり2度目の優勝。国際試合38試合無敗、今大会通して失点はわずか1。すごすぎる。守りが強いというか、相手に攻める機会を与えない。勝者にふさわしい。
●試合終了後、「ノーサイド」とはならずに、アルゼンチンの選手とスペインの選手の小競り合いが続いて、後味が悪い。アルゼンチンは試合後もずっと態度が悪い。表彰式の場面で、トランプとインファンティーノ会長が出てくると、場内から一斉にブーイング。なんと、スペイン代表のトロフィーリフトの場面になってもトランプが選手の横に立ち続けて、あわててインファンティーノが退くように促すも、トランプは動こうとしなかった。今大会を象徴する場面だったと思う。

July 16, 2026

ワールドカップ2026北中米大会 準決勝 イングランドvsアルゼンチン

アトランタ・スタジアム
●ワールドカップ準決勝のもう一試合はイングランド対アルゼンチン。この両者の対戦にはいろんなストーリーがある。最大の事件は1986年メキシコ大会でのマラドーナの「5人抜きゴール」、そして「神の手ゴール」だろう。もちろん「神の手ゴール」は今だったらVARで取り消されるだけだが。神は死んだ!(違) 1998年フランス大会では、ベッカムがシメオネの挑発に乗ってしまい、レッドカードで退場し、PK戦でイングランドは敗退。続く2002年の日韓大会でも両者の対戦があり、ベッカムが決勝点となるPKを決めた。で、今大会の対戦では、アルゼンチン代表にあのシメオネの息子、ジュリアーノ・シメオネがいる。スカローニ監督は期待に応えて(?)、シメオネを先発起用!
●試合は序盤からイングランドがハイプレス。だが、アルゼンチンもスペインばりのパス回しでプレスをかわして対抗。まったく五分の展開になった。因縁の対決とあってか、荒っぽい肉弾戦になってしまうが、アメリカの主審イスマイル・エルファスはラフプレイにカードを出さない。選手たちの小競り合いがたびたび勃発。つまらないレッドカードで決着しなければいいがと心配になるほど。前半は両チームともほぼ決定機がなかったが、中盤に下がってきたメッシに一瞬の鬼神プレーあり。ありえない39歳。ハイドレーションブレイクで恒例のブーイング。これだけ締まった試合を中断されるのは、観客席にとってストレスだろう。
●後半10分、イングランドは長い縦パスをロジャーズが受けて、右サイドからクロスを入れると、ファーに走り込んだゴードンが右足でゴール。人も手数もかけずに1点。膠着した試合だったが、入るときはこんなもの。ここから攻めるアルゼンチンと守るイングランドの構図に。イングランドのトゥヘル監督は5バックにして5-3-2でゴール前を固める。これに対してアルゼンチンは相手の中盤の3枚の脇からどんどんクロスを入れて攻勢を強める。なんだかニッポンvsブラジル戦を思い出す光景。これでは耐えきれないと、トゥヘルは5-4-1で中盤の枚数も増やして、なんとしても守り切るという布陣に。ところが後半40分、メッシがショートコーナーのリターンを受けてマイナス方向へのパス、これを受けたフェルナンデスが豪快なミドルを蹴り込んで同点弾。これでさらにアルゼンチンは勢いを増し、アディショナルタイムの後半47分、マックアリスターのミドルがポストを叩いて跳ね返ったところで、右サイドからメッシが右足のクロスを入れると、これがセンターバック間にポジションをとるラウタロ・マルティネスの頭にドンピシャで合って逆転ゴール。怒涛の逆転劇でアルゼンチンが決勝進出を決めた。激しくガッツポーズをくりかえすメッシ。選手たちの感情の高ぶりがすごい。アルゼンチンはエジプト戦での2点差からの逆転劇といい、ドラマティックな展開のゲームが続く。イングランド 1-2 アルゼンチン
●イングランド側から見れば、5バックにして守りを固めたら、連続失点して逆転されたのだから、トゥヘルの策は大失敗。当然のごとく監督批判の嵐になる。アルゼンチンはカウンターアタックに対しての守備が弱い印象があるので、5バックにしてもボールを跳ね返した後の攻め手があればまた違ったのだろうが、単純に防戦一方になってしまった。だから、まあ、失策なのかな。とはいえ、アルゼンチンの最初のゴールはコーナーキックからなので、布陣とは関係なくありそうなゴールともいえる。サッカーは結果論で語られがちで、トゥヘルの策で耐え切る確率はどれくらいだったのか。10回中8回成功したのか、5回成功したのか、1回しか成功しなかったのか。正解はだれにもわからない。

July 15, 2026

ワールドカップ2026北中米大会 準決勝 フランスvsスペイン

ダラス・スタジアム
●みんなが見たかった対決が準決勝で実現。ここまでの大会を見て、最強と感じたのがフランス。エムバペという突出した個の力だけではなく、チーム全体としてのフィジカルの強さと速さは圧倒的で、このチームに対抗できる存在を想像できなかった。一方は現在の欧州王者であるスペイン。技術の高さはナンバーワンだとしても、フランスが相手となればパワーとスピードで劣勢なのは明らか。現代のハードワークするフットボールの世界で、ポゼッション前提のスペインがどこまでやれるのか、というのが試合前の見方。
●が、試合が始まって驚愕。そこにはスペインの超絶技巧連発のパス回しにフランスが手も足も出ないという、まさかの光景が。フランスのフィジカルモンスターたちがプレスをかけてくるというのに、スペインの選手は自陣でもするするとパスを回すのだ。ワンタッチパスの精度が異様に高く、さらに足元にぴたりとボールが収まる。そして、視野が広い。逆にフランスにボールを奪われても、ほかのチームなら一気にピンチになるところだが、落ち着いて対応する。すべての局面で相手を上回る技術の高さが前提となっているプレイぶりで、なんというか、勇気づけられる。もしこの試合でフランスがスペインを圧倒していたら、「結局、最後はフィジカルなのね」の結論が出てしまうところだった。スペインは世界中の妄想ゴールゲッターたちの夢を守ってくれた。技術上等!
●スコアはフランス 0-2 スペイン。前半、オヤルサバルがPKを決めたが、これはどうかと思うつまらないファールをとられたもの。一方、後半のペドロ・ポロのゴールはオルモとのコンビネーションからきれいにディフェンスを崩したビューティフル・ゴール。スペインの攻撃はスペクタクル。一方、フランスは攻勢に出た場面がほとんどなく、点差以上の内容の差があった。フランスのプレスにもっと連動性があれば、また違った展開になったとは思う。
●スペインのボール回しは往年の「ティキタカ」風味だったが、かつての「ティキタカ」は成熟度を深めすぎた結果、ボールを回す美しいサッカーから、やがてリスクを冒さない退屈なサッカーへと変貌した感があった。今のスペインも「ボールを保持している限りは相手に攻撃されない」というフィロソフィーでは共通すると思うけど、以前に比べると相手のゴールへと向かうプレーがずっと多く、見ていて楽しい。実のところ、EURO2024でもスペインは準決勝でフランスを破っている。そのときの決勝の相手はイングランドで、スペインが2対1で勝った。今大会でも同じカードが実現する可能性があるわけだが、それは明日の試合の結果次第。
●主審がエルサルバドルのイバン・バートン。日本対スウェーデン戦でも笛を吹いていた人だが、この日も基準に一貫性が感じられず、よくない意味で目立っていた。こんな重要な試合で笛を吹くのだからFIFAでの評価は高いのだろう。いつも「目立つ審判」という印象を持っている。
●会場のダラス・スタジアムには巨大なスクリーンが設置されている模様。インファンティーノFIFA会長が映し出された瞬間に、場内から大ブーイングがわき起こったのは痛快だった。インファンティーノは苦笑い。アメリカ代表バログンへのレッドカード猶予事件はまだ終わっていない。

July 11, 2026

ワールドカップ2026北中米大会 準々決勝 スペインvsベルギー

LAスタジアム
●準々決勝の2試合目はスペインvsベルギー。どちらもスキルの高い好チーム。とくにベルギーはトランプ介入事件があっただけに応援したい気持ちにもなるが、だが、この試合の勝者がフランスと対戦するのだ。しかも一日休養日の長いフランスと。フランスを倒すチャンスがあるとしたら、スペインのほうだろう。試合が始まってみると、やはりスペインがベルギーを押し込む展開。さまざまなアイディアで相手の守備を崩そうとする。見ていて楽しいサッカー。
●前半30分、ポロとヤマルのワンツーから右サイドを崩して中央でオルモがシュート、その跳ね返りをファビアン・ルイスが決めて先制ゴール。ベルギーもさすがで前半41分に右サイドからのクロスに中でデケテラーレが競り合いに勝って頭で同点ゴール。後半、攻めるスペインと守るベルギーの構図が続くが、ベルギーのキーパーのクルトワが足に違和感を覚えて、交代。代わりに入ったのはマンチェスター・ユナイテッドの守護神センヌ・ラメンス。このクラスになると控えキーパーでもすごい人が出てくる。が、この日のラメンスはついていなかった。クバルシの強烈なミドルシュートをキャッチしようとして、手前にこぼしたところを、突風のように走り込んできたミケル・メリノに蹴り込まれて失点。これが決勝点になってしまった。実力者でも大舞台でミスをしたら、そこばかりがクローズアップされてしまうゴールキーパーの辛さ。スペイン 2-1 ベルギー
●ベルギーはクルトワの負傷交代の後、デブライネも足がつって交代。交代枠を予定外に使わされた印象。ベテランが多く、チームがかなり熟している。デブライネは35歳、クルトワは34歳、途中出場のヴィツェルは37歳、ルカクは33歳。ルカクはもともと大型選手だが、体がさらに大きくなった印象で、厚みがすごい。重戦車級の迫力。競り合えば無敵の巨体だが、ポストプレイでボールが収まるかというと、これがそうでもない。スペインは十分に対策を心得ている感じ。
●これで準決勝でフランス対スペインが実現。フランスのフィジカルやスピードに対抗するのはほとんど不可能に思えるんだけど、スペインだったらなにかを起こせるかもしれない。

July 10, 2026

ワールドカップ2026北中米大会 準々決勝 フランスvsモロッコ

ボストン・スタジアム
●さて、本日からワールドカップは準々決勝。ここからはあっという間だ。会場はボストン・スタジアム。まずはフランスvsモロッコ。現在の強豪同士の対戦となったが、フランスが終始ゲームを支配。モロッコはたとえ相手がフランスであってもボール保持にこだわり、自陣深くで相手に囲まれていても落ち着いてボールをキープする志の高いサッカーをする。が、やっぱりそれだと奪われるのだ。モロッコの個の力も高いはずなのに、フランスはさらにその上を行く高さ。尋常ではない。スタッツに試合内容がよくあらわれていて、ボール保持率はほぼ五分五分なのだが、枠内シュートはフランスの10に対してモロッコは1。前評判通り、フランスは今大会で最強だと思う。前半にエムバペがPKを甘いコースに蹴ってキーパーのヤシン・ブヌにキャッチされるという場面があったが、後半にエムバペとデンベレがゴールを決めて、フランス 2-0 モロッコ。どちらも個人能力で決めた得点で、とくにエムバペのゴールは無から生み出したゴールといった感。防ぎようがないと思った。
●両チームともキックオフで、相手の陣地の奥深くにボールを蹴り出すスタイル。相手のスローインになってしまうので、一見、損に思えるのだが、この方式が大きく広がったのは(大島監督のマリノスもやっていた)、統計的なアドバンテージが明白にあるからなのだろう。つまり、キックオフからボールをつないだ場合と、たとえボールを相手に渡してでも相手の陣地の奥まで侵入した場合では、後者のほうが得点につながる確率が高い(あるいは失点する確率が低い)ことが、過去の統計の分析から判明しているのだと思う。一度、答えがわかれば、ほかのチームは自前で分析する必要はなく、まねをすればいい。実際、これは納得できる話なのだ。サッカーの本質は陣取り合戦なので、基本的に相手のゴールの近くでプレーしたほうが得。それから、オシムの言葉も思い出す。オシムは逆の立場から「自分たちのスローインでは、ピッチ上は必ず数的不利になる」と警句を発していたと思うが、まさにそういうこと。スローインは不確定要素が大きく、案外と危険な場面につながりやすい。
●が、一方でモロッコは、相手がこの作戦を採用したときの解決策も見つけているように思った。フランスがキックオフでボールを大きく蹴ってタッチラインの外に出したとき、モロッコの選手はあらかじめディフェンスラインを深くしておいて、即座にスローインをしてセンターバックの選手にボールを渡した。相手の選手が上がってくるより前にすぐにプレーを始めてしまえば、前述の統計的なアドバンテージはなくなるはず。味方と敵の選手が集まった状態でスローインをするからボールを奪われることがあるわけで、そうならないように準備しておけばいいわけだ。このキックオフ戦略はまもなく廃れるかも。

July 9, 2026

ワールドカップ2026北中米大会 外国生まれの代表選手たち

●ワールドカップはベスト8が出そろい、準々決勝の前に一日のお休み。そこで、ロイターに興味深い記事が出ていたので、紹介しておこう。World Cup’s foreign-born recruitment doesn’t guarantee success という記事で、今回のワールドカップでは、大勢の代表選手がその国とは別の国で生まれた選手であることを伝えている(ブラウザが翻訳してくれるから日本語で読んじゃう)。26人の代表選手の内、何人が外国で生まれているか。たとえばキュラソー代表は25人が外国生まれ。というか、オランダ生まれ。コンゴ代表は22人が外国生まれで、そのほとんどはフランス出身。現在、勝ち残っているモロッコは19人が外国生まれ。ざっと見たところ、半数以上の選手が外国生まれのチームが9つもある。
●代表選手の供給元という観点から見るとフランスが最大で、アルジェリア代表に13人、コンゴ代表に11人、ハイチ代表に11人、セネガル代表に10人、コートジボワール代表に8人、チュニジア代表とモロッコ代表に6人ずつ……といった具合に大量の選手を送り出している。ある意味、真のサッカー大国。これはフランス出身者だらけのワールドカップなのだ。次いで、オランダ、イングランド、ドイツ、スペイン、ベルギーと続く。どれも強豪国ばかりで納得。そして、ヨーロッパとアフリカの境目はどこにあるのかという気持ちもわいてくる。
●このロイターの記事の見出しは「外国生まれの選手をリクルートしても成功は保証されない」というニュアンスだけど、自分はまったく逆の認識だ。キュラソーもコンゴもモロッコも大成功してるじゃないの。ワールドカップに出場している時点で大成功なのにね。
●アフリカのチームの多くがヨーロッパ出身者を多く含んでいるが、エジプトと南アフリカは例外。基本的に自国の出身者でチームを組んでいる。

July 8, 2026

ワールドカップ2026北中米大会 ラウンド16 アルゼンチンvsエジプト

アルゼンチン●こんな壮絶な試合になるとは、だれに予想できただろう。W杯2026のラウンド16のアルゼンチンvsエジプト戦。DAZNの中継からも、試合前からアルゼンチンが勝って当然のような空気が流れていたかもしれないが、始まってみればエジプトが強敵であることは明らか。相手を恐れずにボールをつなぎ、守備は組織的で、序盤は五分の展開。前半15分にゴール前でヤセル・イブラヒムが頭で合わせて先制ゴール。あれ?と思うほどアルゼンチンの守備が淡泊。これで試合がおもしろくなったと思ったら、その4分後にアルゼンチンがPKを獲得。蹴るのは39歳のエース、メッシ。だが、これを失敗! コースが甘すぎた。実はメッシはよくPKを外す。謎すぎる謎。
●前半を1点リードで終え、後半は攻めるアルゼンチンと守るエジプトの図式が鮮明に。ところが後半13分、自陣深くでボールを奪ったエジプトは、ハッサンが超絶的な粘りのドリブルで右サイドを駆け上がって、中央でモスタファ・ジーコが決める鮮やかなカウンターアタックで2点目! しかし、これにVARが介入し、エジプトが自陣深くでボールを奪った時点でファウルがあったとして、ゴールが取り消されてしまう。えっ、そんなところまで遡ってビデオ判定するの?と、思う人は多いだろう。でも、これはJリーグでも同様にゴールが取り消されるパターンで、自分の理解では「疑惑の判定」でもなんでもない。少なくともJリーグではVARはAPP(アタッキング・ポゼッション・フェイズ)まで遡ることになっている(参照:VARはどこまでさかのぼれる?APPを徹底理解)。そして、そんな判定よりも、もっと痛快なことがある。なんと、後半22分に、ほとんど似たような形で、カウンターからモスタファ・ジーコが本物のゴールを決めたのだ! あまりにもアルゼンチンはカウンターを警戒していない。一度やられてVARに救われたのに、なにも修正しなかったらまた同じ形でやられたという形だ。
●さすがに2点差になったら、アルゼンチンも厳しい。あとはエジプトは守ればいい。このままエジプトが勝つと確信したが、後半38分からクリスティアン・ロメロ、メッシ、エンソ・フェルナンデスがゴールを決めて、まさかまさかの大逆転。アルゼンチンはベンチもサポーターも異常な盛り上がりに。メッシが力を振り絞って凄まじいドリブルでゴール前に切り込んでいく場面があったが、まだこんな爆発的な力が残っていたのかと驚愕。鬼神か。メッシはその直後にボレーで同点ゴールを叩き込んでいる。試合終了後、メッシは滂沱の涙。自分の感情を制御できない状態になっているようだった。こういう姿を見たら、メッシを応援せずにはいられなくなる。アルゼンチン 3-2 エジプト
●もう一試合のスイスvsコロンビアは0対0の延長戦の末、PK戦でスイスが勝ち抜け。これでベスト8が出そろった。準々決勝はフランスvsモロッコ、スペインvsベルギー、ノルウェーvsイングランド、アルゼンチンvsスイス。なんとなくこの並びは、最後のところがスイスではなくコロンビアだったほうが「きれい」で、PK戦で神様がうっかりまちがったような印象を受ける。いずれにせよ、偶然にも全カードが「優勝経験国vs初優勝を狙う新時代の強豪」の構図になっている。

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