2007年5月アーカイブ

May 31, 2007

メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬(トミー・リー・ジョーンズ)

メルエキ3●少し前に恵比寿ガーデンシネマで上映されてたみたいなんだけど、あそこはあんまり足が向かなくて、結局WOWOWで録画して見る、「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」(トミー・リー・ジョーンズ監督&主演)。舞台はテキサス。メキシコとの国境近く。メキシコから不法入国してきたカウボーイ、メルキアデス・エストラーダが銃に撃たれて死ぬ。主人公のピートは、メルキアデスの遺言に従って死体を生まれ故郷の村に埋めるために、馬に乗り荒野を旅する。それだけの話なんだけど、猛烈に傑作。テーマは、たぶん、孤独。
●物語中に国境警備隊員マイクという他人への共感能力を欠いたろくでもない人物が出てくる。あ、ひでえ男だな、と。で、主人公ピートは友情に厚いいいヤツだ。ピートの周りの人間もいい人っぽい。ところが話が進んでいくうちに、マイクだけが人として常識的な反応をしてて、ピートを筆頭にそれ以外の人間はみんなクレイジーなヤツばかりになっている。国境を越えて死体を埋葬するための旅を通して、ピートもマイクもだれもかれもが本当は孤独な男たちであることがわかる。救いはボーダーを越えることでしか訪れない。淡々と描かれるラストシーンが実に見事。殺風景な砂漠やら岩山やらしか映っていないんだけど、これがまた美しいのだ。テキサスの田舎町の退屈そうで「なにもない」感じなんかもよく伝わってきて、「なにもない」って怖いなって思わせるんである。怖いっていうか寂しいっていうか。

May 30, 2007

液晶モニタの脇にある端子

●少し前にPC用のCRTとサヨナラして、ようやく液晶モニタを導入したんだけど、これってスピーカーが付いているんすよ。「ああ、よかった、PC用のスピーカーって机の上でジャマだったし」っていうんで、液晶モニタ付属のスピーカーとかでネットラジオ聴いたりとかしてたんだが(笑)、ある日、気がついた。液晶モニタの脇に端子がある。ここにヘッドフォン差し込めばいいのか。
●最初、耳に突っ込むタイプのイヤフォン(なんて呼ぶんだっけ)を入れたらバックグランドノイズがうるさくてダメ。で、オーディオ用にいつも使っているAKG K501を入れてみたら自分的にぜんぜん無問題にちゃんと鳴る。液晶モニタについてるヘッドフォン端子で満足して音楽を聴けるって、酷くないか、耳的に。幸福なことなのか不幸なことなのかわからないまま、New York Philharmonic Weekly Radio Broadcastにつなぐ。6/1まで聴ける、マゼール指揮ニューヨーク・フィル、ムターのソロでベルクのヴァイオリン協奏曲他。スゴい無節操な感じのプログラムなんだけど満喫。
●これもしばらくしたらDGでCDにプレスして売られるんだろうか。ひとつ演奏会をやったら、FMで放送→ネットラジオに期間限定で乗せる→iTunes等でデータを売る→CDにプレスして売る、っていう流れができてる。CDにプレスするところは過渡期の対応であって近い将来不要になるのかもしれないけど。映画が劇場公開→セルDVD→有料TV→レンタルDVD→無料TVって流れていくのに似てるな、と。

May 29, 2007

「アップグレードのご案内」を凝視する

空は青いな大きいな~♪ それ、海だよっ!●「美しい五月」であることを忘れていた。気がつけば五月が終わろうとしているではないか。
●ワタシは些細なことに考え込んでしまう性質である。小さなことをあれこれとずっとああでもないこうでもないと気にしてしまう。たとえば。今回でアップグレードの権利が切れてしまうADOBEのPHOTOSHOPをどうするか。ワタシが所有しているのは大昔のver5.0だ。バージョンアップのルールが変わったから今CS2にアップデイトしないともう今後は新規ユーザー扱いになってしまう。
●もういいじゃないか、古いPHOTOSHOPだって。自分のサイトを作るのには十分だし。今後紙に出力するような高解像度データを自分で扱う可能性はないだろうし、PHOTOSHOPってオーバースペックだよなあ。といったん納得したが、また気が変わる。いやいや、ある日、取引先が最新バージョンのPHOTOSHOPデータをメール添付かなんかでいきなり送ってきて、それをワタシが開けなかったときの屈辱感を想像せよ。いかんよ、こういうかつて先駆していた分野で遅れを取るのは。やっぱりアップデイトしよ。あ、しかしこれってアクティベーションのためにサポートに電話しなきゃいかんみたいだぞ、ワタシのくらい古いバージョンだと。ああ、しちメンドくさい……。ADOBEの電話サポートはお待たせミュージックにパッヘルベルのカノンを延々と聞かせるのだ、あの拷問のようなループ。
●そんなことをずっと「美しい五月」に悩んでしまった、本当なら蒼天に新緑を眺めたり、公園の池の鯉の大口に人差し指を差し出したり、気持ちよさげに泳いでいる鴨に葱を背負わせたりしたかったのに。

May 28, 2007

筋肉痛で引きこもりながらオーダーするマラ3

●草サッカーを楽しんだのは良かったが、その翌日さらに翌々日とワタシはもう歩くのも動くのもヤになるという消耗ぶりで、引きこもる。ボールは友達だが、筋肉痛はもっと友達。自分のゴールシーンはすでに256回くらい脳内で反芻済み、ミニゲームなのに(笑)。でもフルコートだったら65536回くらいは味わってる、脳内サンチャゴ・ベルナベウで。ミニゲームだと脳内三ツ沢球技場くらいのサイズ。
ハイティンクのマーラー3番●シカゴ交響楽団が新たに自主レーベルでマーラーの3番、出してるじゃないですか。ハイティンクの指揮で。CSO Resoundっていうレーベル名。で、シカゴ響のサイトを見たら、iTunesでFREE trackを聴かせてあげるからアクセスコード欲しい人はこっちから申し込んでねってなってて、ほいほいと申し込んでみたら、iTunesの中の人に「アメリカのショップからじゃないとダウンロードできません」って叱られた。えっ、そなの。じゃあとiTunesの設定をアメリカのショップに変えて再度チャレンジしたら、appleIDを入れたところで「それアメリカのショップ用じゃないから。日本だから」ってまた叱られて、もうヤになった。ぐすん、なんか目新しいから軽い気持ちで試してみただけなのに。こうなると無性に聴きたくなって、フツーにCDを通販で発注したというワナ、いやワナじゃないけど。

May 25, 2007

サッカー者のもっとも熱くて長い一日

Goooooooooooal!!!!!!! GolGolGolGolGolGol Gooooooooooooooaaaal!!!!!
ACミラン●明け方、世界最高峰を決める試合が行われた。場所はアテネ。ACミランとリヴァプールによるチャンピオンズ・リーグ決勝戦。2年前の同じ組み合わせの対戦で、いったん3点差をつけながらミランが負けた。今回はミランがトップにインザーギ、その後ろにカカ、一方リヴァプールもトップはカイトだけ、その後ろにジェラードといった感じで中盤を厚めに構成、慎重な立ち上がり。前半はリヴァプールが押していたように感じたけど、ミランがインザーギのあまりにも「らしい」2ゴールで雪辱を果たした。あの2ゴール目のタッチは好きだ。ディフェンス・ラインのギリギリでずっと駆け引きをして、パスの出し手(このときはカカ)とタイミングが合ったら、即座にキーパーと一対一、ここで相手を交わしてコロコロとゴールマウスに転がるボールを蹴る。美しいというか、おいしい。「どのサッカー選手になりたいか」と尋ねられたら(ケガは考慮しないとする)、ワタシはジダンでもロナウドでもベッカムでもなく、インザーギと答える。
●でもさ、ACミランのメンバーの変わらなさぶりってスゴくない? ワタシはCSも入っていないからもう何年もセリエAなんて見てないのに、先発メンバー全員名前とポジションがわかる。ジダ、ヤンクロフスキ、マルディーニ、ネスタ、オッド、ガットゥーゾ、アンブロジーニ、ピルロ、セードルフ、カカ、インザーギ。選手があまり変わらないから。それに対してリヴァプールはジェラードくらいしか知らない、あと控えのクラウチと。だからどうしてもミランを応援しちゃう。2-1、優勝おめでとう。カカはどうしてあんなにエレガントなのか。
●それが朝の部だ。昼の部は仕事仕事仕事。そして夜の部、イエス! 夜は世界最底辺の戦いを繰り広げるべく草サッカーへGO! 場所は大島小松川の都立グラウンド。
●ワタシは知ったのだ。最近、草サッカーでお相手するチームのレベルが高すぎたんじゃないかと。そしてフルコートはでかすぎたんじゃないかと。そんなわけで初心に帰って、ドヘタクソのジジイ(ワタシのことだ)もプレイできるように、ウェルカム初心者でハーフコートくらいで7対7の少人数プレイを試してみた。そしたらぜんぜん違ったんすよ! 久しぶりに草サッカーを気楽に楽しめた! いつもはずっと息を切らせて右往左往するだけでプレイ機会も超少ないんだけど、ミニゲームならたくさんボールに触れるし、パスもどんどん出せるし、シュートも打てる。忘れていた楽しさを思い出した気がする。ヘトヘトに疲れ切ったけど、終わったあとの気分が爽快だった。いつもはなんか罪でも犯して逃げてきたみたいな気分になってんだよなー、最近は。これは良い、狭いグラウンド、少人数。でも単にこういうことかもしれない、すなわち、決まったオレゴール、もちろん心の中はインザーギ、だれにも見えないガッツポーズをとりながら誰にも聞こえない心の声で絶叫した。
Goooooooooooal!!!!!!! GolGolGolGolGolGolGolGolGol GolGolGolGol
オレGooooooooooaaaal!!!!!

May 24, 2007

ケネス・ブラナー監督の映画「魔笛」

「魔笛」のパパゲーノ。写真提供:東芝エンタテインメント
●7月14日より公開の映画「魔笛」を試写で。監督のケネス・ブラナーの記者会見にも顔を出した。
●えー、この映画「魔笛」、なんと、今どき珍しい本当のオペラ映画なんすよ。昔はオペラ映画っていくつもあったと思う。最近のDVDソフトみたいに劇場の公演をそのまま収録して映像ソフトにするんじゃなくて、全部セットを作りこんで映画としてオペラを撮るっていうやり方。そんなの現在じゃ予算的に「ありえない」ってことになるんだけど、それがありえたのがこの「魔笛」。しかも監督ケネス・ブラナーでメジャー感大あり。
●なので、これ、フツーに映画を見るつもりで劇場に行った人は大変(笑)。モーツァルトのオペラ「魔笛」を序曲からはじめて、最後のフィナーレまで基本的に一通り演奏するし、モーツァルトと無関係な音楽とか一切なし、そして登場人物は全員本物のオペラ歌手で、当人が歌っている(もちろん音声は別に録ってるけど)。たとえばザラストロ役はルネ・パーペ。映画の中でもルネ・パーペが演技してる(オペラだから当然なんだけど)。演奏はジェイムズ・コンロン指揮ヨーロッパ室内管弦楽団。ワタシたちクラシック音楽ファンには大変すんなりと受け入れられる映画なので、映画館ではとまどう非オペラ・ファンをぶっちぎって存分に楽しむべし。
●演出のコンセプトもちゃんとある。もともと「魔笛」というのは、いつの時代のどこの国ともわからない世界を舞台としている。ケネス・ブラナーはこれを第一次世界大戦中に読み替えた(こういうのもおなじみの手法っすね、オペラ者には)。このあたりの演出的な手腕も実に鮮やか。ただ昔のオペラ映画と違うのは、フツーの現代の映画としてCGなんかも使っちゃうところ。たとえば冒頭場面、第一次世界大戦の最前線が舞台なので、地平線の向こうまでずっと続く塹壕が画面に出てくる。これなんかはCGだから簡単に作れる映像で、劇場にはなくて映画館にはあるもの。
●映画館でモーツァルトの「魔笛」を楽しむってことでオッケー、オススメ。ただし2点だけ、フツーのオペラと違う点があるのでそれだけご注意を。1. 劇場で見るオペラと違って幕間に休憩は入らない。まあ映画館だからしょうがないんだけど、第1幕、第2幕とぶっ続けで最後まで行く。2時間19分。フィナーレの後、エンドクレジットのためにもう一度序曲を流すのは違和感あり。 2. 歌詞はドイツ語じゃなくて英語。わざわざあえて英語で歌っているのには理由がある。オペラの普及促進に努めるイギリスのピーター・ムーア財団が資金を提供しているから。この財団はシャンドス・レーベルなんかでも英語訳詞によるオペラ録音を推進していて、イギリスで広くオペラを楽しんでもらうには歌詞は英語であるべきというポリシーみたい。
●ちなみに監督のケネス・ブラナーは、特にオペラ・ファンというわけじゃなくて、この作品のためにモーツァルト漬けになったという人なので、今後劇場でオペラの演出に乗り出すってことはなさそう。

May 23, 2007

しゃべる速度で思考し、思考する速度で忘れる

●先週に続きネットラジオ、林田直樹さんカフェ・フィガロ、昨晩から2週目が配信。今週は主にワタシがしゃべる番だったので、思いっきりしゃべっている。「時間ないから」と思って焦ってしゃべる。やたら早口にしゃべる。「今おもしろいこと言うとこなのに」ってとこで早口すぎて聞き取れない。しかもぜんぜん時間余裕あったじゃん。なにをそんなに急いでしゃべっていたのか。
ピーター・ゼルキンのモーツァルト。若さって偉大だ●ふと思った。今年をワタシのモーツァルト・イヤーとして祝おう。祝、モーツァルト生誕251周年。「発狂の日」音楽祭を瞬間的にお家で開催。新譜でもなんでもなくて録音も古いけど、ピーター・ゼルキンのモーツァルト、ピアノ・ソナタ集。若いのにブツクサわけのわからん独り言をつぶやいているかのようで、フツーじゃありえない。最強。昼間聴くと恥ずかしく、深夜にヘッドフォンだと無問題。いいね、いいね、これホントにいいね、ラブ。

May 22, 2007

映画「ハンニバル・ライジング」(ピーター・ウェーバー監督)

映画の画像はプレス向けのを使おうと思えば使えるんだけど、いろいろと手続きが面倒なので原作の書影を載せちゃう●「羊たちの沈黙」以来、このシリーズは一通り原作も映画も読んだり見たりしているのであるから、前評判の悪さにもめげずにちゃんと前売りまで買っておいたのだ、映画版「ハンニバル・ライジング」。今回もレクターのテーマともいうべきバッハのゴルトベルク変奏曲が(一瞬だけだけど)グレン・グールドの演奏で流れる。モグモグ、ムシャムシャ。
●原作は前に書いたように、ずいぶん緩い感じであって、でもまあこれまでのシリーズに敬意を表しておこうっていう気分だったが、映画のほうの印象は緩いどころではない。気色悪い、基本的に。怖いっていうか、ひたすら猟奇殺人鬼の話になっていて驚く。レクター博士ってさ、知性と教養にカニバリズムの組み合わせがカッコよかったのに、この青年レクターはたんにサディスティックな食いしん坊ってだけでは。モグモグ、ムシャムシャ。原作にあった天才少年性みたいなのがぜんぜん描写されてないし。
●こんな脚本書いたのは誰だっ! って、わかって見てるんだけど、これが原作者トマス・ハリスその人なんである。いったいどうなっちゃったのか。いや、しょうがないか、最初の作品から20年近くも経ってるんだし。今度DVDで「羊沈」見よう、ヒツチン。モグモグ、ムシャムシャ。あ、これチョコ柿ピーね、ヘンなもの食べてないから。

May 21, 2007

軽く負け惜しんでおく

フランスのトトカルチョは70%を払い戻すんだって!●一時期期待を寄せていたtotoであるが、あまりに運営スタイルがワタシの求めるものとちがっていたので、何年か前にすっかり愛想を尽かしていた。が、そこにこのtotoBIGの盛り上がり。ずっと当選が出ずに約15億円の繰越金が発生、さらに61億の爆発的な売り上げがあって、ついに当選者が登場。1等5億6300万円が7口も出たっていうんだから、たしかにインパクトは強烈。
●しかしなあ。totoBIGって、試合結果の予想は一切しないんすよ。ランダムに向こうのコンピュータが「勝ち/引き分け/負け」の三択から各試合選んでくれる。宝くじとなにひとつ違わないし、もう事実上サッカーとも関係ない。だいたい今回の繰越金だって、12回連続でだれも当選しなかったからであって、12回も全員はずれのクジってどうなんでしょか。
●で、この12回連続ハズレの間にワタシも一度買ってみたんすよ、初めてtotoBIGを。そうしたら、ホームの勝利が2試合くらいしかなくて、アウェイの勝利が4試合くらいあって、あとは全部引き分けとか(笑)、あんた本気でランダムに選んでるでしょ、みたいなクジが出てきて脱力。いや確かに確率的にゼロとはいわんけど、これはなあ。もう身も蓋もないサッカー感の薄さ。あー、そうだよな、これってそういうクジだった。スマソ、ワタシが悪かった。
●これはサッカーの神様とちがう神様が当選者決めてる、きっと。実際、ワタシ、当たらなかったし。ていうか買ってないし。いやサッカーの神様でも当ててくれないけど。

May 18, 2007

予想外に鋭くシュートするその軌跡

●事実上の消化試合とみなされていたので、深夜の録画放送しかなかった、U22香港vsU22ニッポン。4-0で快勝したので、次のマレーシア戦も消化試合に。最終予選は相当厳しくなるはずだが、結果的に二次予選は楽に通過。
●印象的だったこと2点。その1:本田圭佑がフリーキックで「途中から鋭くシュート回転するブレ球」というキャプ翼なみの魔球を披露してゴール。香港のキーパー、逆に飛んでるし。その2:西川周作、平山、水野、伊野波、遅延行為などで大会2枚目のイエローをもらって次の試合で出場停止の選手多数。どう見てもイエローの累積をゼロにリセットするためにわざともらったとしか思えない(だれも公には認められないけど)。指示があったんでしょう。
●日経パソコンオンラインというかなり予想外な場所で新連載を開始しました→ネットエイジのクラシックジャンキー。なんと、週イチ更新予定。いままで隔週ならやったことあるけど、週イチってスゴいっすよ。Rrrrr... 「はい、iioです」「あの、原稿の件ですけど……」「あ、もう送りましたけど、なんか問題ありましたか?」「いや、そうじゃなくて今日が〆切なんですけど、次の」。みたいな(←想像図だけど)。場所が場所なので当初はおとなしくふるまっておいて、そのうち爆走しよう、自分ノリで。

May 17, 2007

マシンと続く見えない冷戦

ブツブツ、ブツブツ●ふたたび、わが家のデジタル複合機とかいうプリンタ兼コピーについて報告したい。報告するなと言われても報告する。
●この横逆プリンタ野郎については以前にも述べた、すなわち4色カラーのうち1色でもインクカートリッジが切れた場合、こいつはウンともスンとも言わなくなる。イエローがないだけで、ブラック一色の印刷を拒否するのだ。オレはただこのパンダの絵を印刷したかっただけだ、なのにイエローがないだと? このパンダのどこにイエローが。トゥリャー! 絶叫しながらプリンタ野郎にジャイアントスウィングを決め、スクリューパイルドライバーをくらわせ、さらにPPPKでパンチからキックへの流れるコンボを叩き込んでやった、あの日。
●以来、プリンタとは口も利かない冷え切った関係にある。
●今朝。プリンタはいつものように午前11時に「クリーニング中デス」とか言いながら、カシャーコシャーと準備運動をはじめた。そして午前11時15分頃、なんと、またしても「クリーニング」をはじめたのだ。今、別にカートリッジも取り替えてないし、印刷もしていないぞ。このクリーニング・マニアの複合機め!
●午前中に二度のクリーニング。これは新たな挑発行為なのか。ヘイ、ブラザー、言いたいことがあるのなら、はっきりと言ってくれ、その用紙にいくらでも書けるだろう、君の4色のインクカートリッジを使って。

May 16, 2007

「カフェ・フィガロ」ふたたび

●以前にも一度出演させていただいたネットラジオ、林田直樹さんカフェ・フィガロに、山尾敦史さんといっしょに呼ばれてきた。話題は「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」関係。二週分(二回分)の収録で、今週分は主に山尾さん、来週分はワタシがしゃべる。かっちり作りこむ番組じゃなくて、深夜放送みたいなユルユルの雑談ノリ。台本一切なし。それにしても自分のしゃべりがグダグダすぎて、次回分が心配である(笑)。山尾さんはしっかりとしゃべっているのにさ、自分はもうモゴモゴ言っててなにを言ってるんだかモゴモゴゴモゴモなんだよな。
●それにしてもこれ、収録した翌日に公開ってスゴくない?
●でもネット媒体だと時間の流れ方が速いから、これくらいやらないといけないのかもしれない。「ラ・フォル・ジュルネ」の話題の賞味期限がどれくらいあるかとか考えると慄然とする。月刊誌だと大型連休のイベントを取材して、それを6月中旬発売の号に載せるなんていうスケジュールがありうるんだけど、ネットだとあっという間に風化する、みたいな気がする、それともこれは軽く強迫観念入っているのか。

May 15, 2007

その左サイドバックの新人はダイヒョー

●告知を。TKDコアさんからプレゼント企画。パルマ王立劇場のヴェルディのオペラ「海賊」、フェニーチェ歌劇場のビゼー「真珠採り」のDVD、フラットパネル・スピーカー他。ご応募はTDK株式会社の下部にあるプレゼントコーナーから。5月末〆切。
●おなじみSheet Music PlusでBaerenreiterの楽譜が20%OFFセール中。こちらも5月末まで。
ニッポン!●ニッポン代表、キリンカップに向けて合宿メンバー25人を発表。驚愕。わがマリノスからは中澤ともう一人、小宮山尊信が選出……って、おいおい、ついに自分のチームからよく知らない選手がニッポン代表候補に選ばれてしまったっすよ! だって先日やっとプロA契約したばかりの選手だし。他にディフェンス陣では柏の近藤直也、川崎の森勇介とか、オシム・ジャパンでは初召集の磐田の村井慎二、中盤では磐田の太田吉彰、フォワードには名古屋の杉本恵太、川崎の黒津勝とか、ホントに新鮮。清水の藤本淳吾、新潟の矢野貴章も。新しいメンバーをたくさん選んでるってことは、古いメンバーをたくさん落としてるってことでもあって、実績や名前ではなく目にしたもので判断するってこういうことなんだなと改めて思う、恐るべしオシム。

May 14, 2007

スパイダーマン3(サム・ライミ)

なんとなくスパイダーマン風の模様●映画館で「スパイダーマン3」(サム・ライミ)。傑作。
●前作「スパイダーマン2」は青春映画の傑作だった。子どもが大人を乗り越えるという物語。主人公がまだ己の力を知らない子どもなので、敵はみな大人だ。ドクター・オクタヴィウスにしてもグリーン・ゴブリンにしても、肉体を人工的な機械を付加して武装するのは権力や富の表現と見えた。主人公は若者の武器でこれに勝利した。
●では「スパイダーマン3」はどうなるか?(以下、ほんの少し筋を割ります)。 ここではすでに主人公はヒーローとして成功を収めている。すでに成功した若者にとって敵となるのは、傲慢や憤怒、そして娼嫉である。だから今回の真の敵といえるものは不定形な相手である。砂状の粒子で肉体を保つサンドマンしかり、負の感情をパワーとして増幅させる謎の黒い寄生生命体で覆われたヴェノムしかり。スパイダーマンたるピーターは自分の人気に酔うあまり、ガールフレンドのMJの内面すらまったく見えなくなる。慢心がブラック・スパイダーマンを生み、自己の制御を失う。
●ブラック・スパイダーマンは見失った自分を取り戻すため、教会で黒い寄生生命体と格闘する。スパイダーマンは偶然、この黒い生命体は鐘の音が弱点であることを発見する。なぜなら憤怒や娼嫉に打ち勝つのは赦しだから。今回の敵は本質的に弱者である。だからスパイダーマンも力による勝利ではなく和解と寛容によって戦いを乗り越え、大人への階梯を一歩上る。
●物語的にはこれで完結してるんだけど、次はあるんでしょか。役者が老けてきたので、同じメンバーではもうムリか。ピーター役のトビー・マグワイアは顔の輪郭にすでに中年の雰囲気が出てきてるからこわい。トビー・マグワイアはマイケル・ダグラスと共演した「ワンダーボーイズ」のときの「なにを考えてるんだかさっぱりわからない才能のある若者」役が最強にステキだったんだがなあ。

May 12, 2007

深夜睡眠症候群

●ウトウト、ウトウト……はっ! いかん、寝てたのかも。最近、深夜になると眠くなるんすよ。昨日の晩もPCに向かってたら、どうしても眠くなってそれで寝てしまったんだけど、また今晩もふらふらと眠くなってしまった。なんでかなあ、近頃夜遅くなると眠くなるのは。てかこれがフツーなのか。でもな。
●「サラリーマンNEO」、期待して録画はしてるし、事実おもしろいのだが、新シリーズはネタの大半が不気味ネタになっているような気がする。大河内透の恋愛ブログをはじめとして。
●アニメ版「の◎だめ」は1週(か2週)脱落したかも。スマソ(って誰に?)

May 10, 2007

フランス大統領夫人の曾爺さん

アルベニスの「イベリア」。本文とぜんぜん関係ありません●フランス大統領選のニュースで、なににいちばん驚いたかって言えば、やっぱりサルコジ氏の妻セシリアさんがアルベニスの曾孫だってことっすね(サルコジ夫人華麗な経歴「ファーストレディー真っ平」)。記事にある奔放な生き方も強烈だけど、でもアルベニスの曾孫だもんなー。なんかうらやましいぞ。曾孫って全員で何人くらいいるんだろ。
●アルベニスといえば、こちらのサイト、More About Isaac Albenizが大変おもしろい。更新は止まっているようだが、従来伝えられていたアルベニスの生涯が、最近の研究ではかなりのところが作曲者本人の作り話であることがわかってて、アルベニスは実際には12歳でアメリカ大陸放浪の旅なんかしていないし、リストに会ってピアノを聴かせたりもしていないという。元ネタのW.A.クラークって人の(あるいは別の人でもいいけど)新しい伝記が翻訳されたらいいのにな、でもアルベニスじゃ採算取れるわけないからムリだよな、と思う一方、自分を大きく見せようと伝記作家に次々とデマカセを語ったアルベニスもラブリーであって、この種のデマカセが「事実じゃない」の一言によって忘れられてしまいませんようにと祈る。大ウソでも伝説として語り継がれるものには意味があると信じる派。

May 9, 2007

オレもサッカー「海外組」になるんだ!!! (吉崎エイジーニョ著)

オレもサッカー「海外組」になるんだ!!! ●ブログ連載中から猛烈に注目していた企画が単行本化。吉崎エイジーニョ著「オレもサッカー「海外組」になるんだ!!!」。これ、ホントにおもしろい。サッカージャーナリストの吉崎エイジーニョ氏が、ヨーロッパサッカーを肌で感じよう、海外組ってのを実体験しようってことで、ドイツに渡って10部リーグに移籍する(笑)という体験記。実際、ドイツの10部に所属してプレイしちゃうんすよ。もちろんアマチュア。いくらドイツと言っても、10部とか11部とかいうのは草サッカー。腹の出た地元のフツーのオッサンもプレイする。だけどそこにあるフットボール環境は、日本とは天と地ほど違うってのがわかる。
●まず10部とか11部とかまでクラブが存在するってのが驚異。地域によっては14部まであるらしい。これらのクラブに「シーズン」があって、「リーグ戦」がある。11部にも昇格争いや降格争いがある! 理論上、ずっと勝ちあがっていけば1部のブンデスリーガまでつながるわけだ。
●あと10部とか11部でも試合は90分というのもスゴい。腹の出たオッサンがやるようなサッカーであっても90分。もう年だから20分ごとに休憩入れようよ、って話にはならない。ワタシなんか30歳の時点でもうキックオフしてから10分経ったらベンチの椅子が恋しくなったのにさー(笑)。
●それからチームにはちゃんと「監督がいる」というのも感動。日本だったら学校サッカーとか競技サッカーやってれば監督がいても当然だろうけど、草サッカーじゃ監督の下でプレイするって体験自体なかなか得がたい。たとえばクラブの1軍が9部、2軍が10部、3軍が11部とかに所属しているとしたら、それぞれに監督がいて、出場選手を決めたり選手交代したりする。監督だって仕事を持ってるだろうから、なかなかできることじゃない。草の根レベルでのサッカーにかかわる人々の数や情熱が圧倒的に違うんだなと。
●で、そんなドイツで吉崎エイジーニョ氏は言葉の壁や文化の壁にぶつかりながら、悪戦苦闘しながらボールを蹴る。最初に入ったクラブで、自分はそこそこプレイできてるはずなのに試合にまったく使ってもらえないという状況に遭遇し、移籍を考える。それってイタリアとかイングランドに渡ったJリーガーとぜんぜん違わない(笑)。そしてサッカー本でありながら、ダメ男(←ホントはそんなことないと思うんだけど)の成長の物語になっているところがすばらしい。笑えるのに、勇気がわいてくる、みたいな。いやマジで。

May 8, 2007

シューベルトへのオマージュ

●ふと思ったんだけど、昨日とかに来年の「ラ・フォル・ジュルネ」予定で書いてたシューベルトの「鱒」と同編成の新曲とかってさ、どなたが書くんだか知らないんだけど、ひょっとしてピアノ五重奏曲「シャケ」とか言うんじゃね? なんかこう、シャケが力強く海洋を回遊して母川へ回帰してゆく様子が目に浮かぶようなヴィヴィッドな音楽を想像できないか。
●で、この曲をオーケストラ版に編曲したバージョンがピアノ協奏曲「アラマキジャケ」。
●あとは交響曲「既完成」とか。ていうか、疲れてます。
●「ラ・フォル・ジュルネ」終わったら、その翌日の午前中に「日仏クラシック音楽ビジネス・コンヴェンション」というフランス大使館&日仏学院主催のイベントがあって、そこで「ネット時代におけるクラシック音楽ビジネス、日本は今こんな感じ」っていうのを林田氏@LINDEN日記といっしょにしゃべってきた。フランスの業界関係者向け。豪華同時通訳付仕様(笑)。ダウンロード販売とかストリーミングとか、あとケータイ関係の話。「日本における着メロ着うた文化は単なる実用的呼び出し音を超えた存在である」みたいな話とか。なにかクラシックの着うたをデモンストレーションして聴かせるべきだったと後で思いつき反省。
●ちなみにワタシのケータイの電話着信音はストラヴィンスキー「火の鳥」の「魔王カスチェイ」、メル着音はヤナーチェクの「シンフォニエッタ」だ。来年の今頃はこれをピアノ五重奏曲「シャケ」に(←それもういいよ)。

May 7, 2007

ラ・フォル・ジュルネ「熱狂の日」音楽祭閉幕

●忘れていたが5月6日は休日ダイヤだ。あれこれ片付けて、終電一瞬危ないかと思ったが無事帰宅。ラ・フォル・ジュルネ「熱狂の日」音楽祭閉幕。
●で、来年のテーマについては公式レポートに掲載したエントリーをご参照いただければと。前からみんな書いてるけど「シューベルトと仲間たち」、しかし当初思っていたよりは幅広いなと。同時代に横に広がるのは予想通りとしても、ベリオの「レンダリング」とかハンス・ツェンダーの「冬の旅」とか、縦にも広がるとは。
●あと公式レポのほうには書きそびれたけど、ルネ・マルタン氏は日本人作曲家への新作委嘱もやりたいといっておりました。もちろんなんらかの形でシューベルトにインスパイアされたものってことなんだろうけど。例として挙げられていたのが、シューベルトの「鱒」と同じ編成(ピアノ五重奏だが第2ヴァイオリンがいなくてコントラバスが入る)で書いてもらうと、同じ演奏会で演奏できるとかいう話。「鱒」は結構長めの曲だから、数分程度の短い新曲を添えて、「ラ・フォル・ジュルネ」の演奏会時間にちょうどいいようなプログラムを組むってことなのかなあ? 委嘱した新作は、ナントなど他の「ラ・フォル・ジュルネ」に持っていくとも。
●なんてことも考えると、シューベルトがテーマでありながらも、あちこちでモダンな響きも楽しめる、かもしれない(過剰にそっち方向に期待してたらスマソ)。

May 5, 2007

「熱狂の日」折り返す

●継続中、ラ・フォル・ジュルネ「熱狂の日」音楽祭2007公式レポート
●ワタシは本日のみ不参加。この日はレポートにも不参加だし、有楽町にも出かけない。この連休中、どうしてもラ・フォル・ジュルネ関連以外の仕事日を一日設定しなきゃいけない状況なので、一日お休み。が、おかげでストラヴィンスキーの「結婚」を聴けない! 4日、5日どっちの公演もムリ。しょうがない。トホホ。
●3日、4日とソムリエ・ボックスを無事終える。安堵、粘着されなくて。過去の案外豊富なお客様応対経験がワタシの妄想力を高めていたにすぎないのかもしれん。親切にもご挨拶いただいた方々には感謝。
●今回テーマが「民族のハーモニー」だったから、結果的にすごく珍しい曲とかも多くなったじゃないっすか。ソムリエ・ボックスにいると質問の大半は「クラシックのことは全然知らないんですけど、今から聴けるオススメのコンサートはなんですか」なんだけど、そこでバルトークとかストラヴィンスキーとかマルティヌーでもいいのかどうかで、いいんならそれでいいけど、もしパッヘルベルのカノンとかボレロとかG線上のアリアみたいなものを期待されているんだったらどうしようかなと少しは迷った。

May 3, 2007

ラ・フォル・ジュルネ「熱狂の日」音楽祭2007開催中

ラ・フォル・ジュルネ「熱狂の日」音楽祭2007開催中。ソムリエやんなきゃ。ドキドキ。
●衛星デジタルラジオのMUSIC BIRDでは本家ナントのラ・フォル・ジュルネ2007のライヴを6月に放送するそうである。加入してる方、これから加入するかもな方はどぞ→ここ
●初日でもう歩き疲れたのだが。

May 2, 2007

前夜祭「熱狂のプレ・ナイト」

「ノってるかーい?」「イエーイ!」とは言ってない●すでに進行中、ラ・フォル・ジュルネ「熱狂の日」音楽祭2007公式レポート。今日2日は平日なんだけど、「熱狂の日」いよいよスタート。
●で、前日は前夜祭「熱狂のプレ・ナイト」に。えーと、この人たちがタラフ・ドゥ・ハイドゥークスっていうの? なんか周りの人たちが「おおっ!」ってすんごく騒いでるので、とりあえず一緒に「おおっ!」とどよめいておくが、実はぜんぜん知らない自分、もしかして真性クラヲタ?な瞬間。ロマ音楽集団っていうことで、「あっ、この曲はエネスコのルーマニア狂詩曲だ」とか「これ知ってる!バルトークのルーマニア民族舞曲だ!」状態になるのであって、これは日頃クラシックを聴かない人が「あ、ボレロだ」とか「これ、知ってる、パッヘルベルのカノンだ」とか言って喜ぶのと同じ喜びって気がする。
●立ち上がってノリノリで踊りながら熱狂する女のコもいれば、手拍子もせず椅子に座って腕組みしながらじっと聴くクラ者あり。喜びの表現にはいろんなやり方がある。局所的に盛り上がる有楽町の夜。

May 1, 2007

「西部の娘」新国立劇場、マリノス、2010

●見ていないときにだけ大勝するマリノス。先発からベンチまで全員日本人選手。強化したブラジル人選手たちはどこに? そして鈴木隆行は?
2010年ワールドカップ、不測の事態あれば代替国開催も=日本も候補。前々回半分だけを開催したときから、みんな薄々意識していたことがこんな形で記事になってしまって、ややうろたえる。2010年アフリカ、2014年南米という大陸間持ち回り開催案はずーっと前から決まってるわけだけど、「そんな先の話はわからないから」って意識は猛烈アリアリだったはず。いろいろとビミョー。
●先週金曜日は新国立劇場でプッチーニの「西部の娘」。作品のことは半年に1回しか発行されないメルマガに書いたので、演出について。本来はゴールドラッシュに沸くアメリカのカリフォルニアが舞台で、ここで働く男たちは鉱夫だろう。でもアンドレアス・ホモキの演出では、舞台は「ほぼ現代、あるいは現代より十年か二十年くらい前」というような設定で、労働者たちは世界中のあちこちからやってきた移民たち。公演案内に「製作協力:レンゴー株式会社」って書いてあったから予測は付いたんだけど、舞台後方は段ボール箱の山。味も素っ気もない見た目フツーの段ボール箱。
●カリフォルニアにあるだだっ広い倉庫、で、本来酒場の女主人であるミニーは、移動ワゴンに煙草とか酒を積んで、従業員相手にこれを販売してるんである。漠然とワタシは「あ、これはあそことかあそこみたいなIT系とかカタログ系の巨大通販会社の倉庫なんだろな」と勝手に想像した。従業員の国籍も人種もまちまち。日本人だって中国人だっている、アフリカ系や東欧系もいる。シャルケ04(サッカーの)マフラーをしてる人もいたからドイツ人もいるってことなのか。まあ元の話がアメリカだからアメリカ企業と移民労働者という風にとらえるわけだけど、近未来と考えれば必ずしもアメリカととらえる必要だってないかもしれない。経済発展を遂げた中国やインドに、日本人やドイツ人が仕事を求めて移民労働者として渡るっていう見方だってあるだろう。いつのどこでもない国を舞台に、そこに世界中から集まってくる異邦人たちの孤独を描いた物語として、普遍化されたテーマが描かれていた。
●とはいえ段ボール箱は殺風景な商品倉庫にはふさわしいけど、第2幕(本来山中にあるミニーの一軒家)以降もそのまま積まれているってのはやや萎えるかも。ミニーは職場から商品パクって部屋に積み上げてるのかよっ!もしかしてそれヤフオクとかに出品してるのかよっ!みたいなツッコミを心の中で軽く呟く。

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