2008年11月アーカイブ

November 28, 2008

「ネットで楽しむオーケストラ 新日本フィルライブ」を公開!

新日本フィルライブ
●日経パソコン創刊25周年企画として、PC Onlineに特設サイト「ネットで楽しむオーケストラ 新日本フィルライブ」が公開されましたので、そのご案内を。新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏をインターネットで配信するサイトです。日経BP社さんとワタシとで「日本のオーケストラの演奏会をネット配信できないかなあ」と考えて、企画したサイトです。もちろん、新日本フィルさん、音楽監督アルミンクさんのご賛同ご協力があって実現したものです。無料で聴けますし、映像もついています。音質重視の方には256kbpsのWMAで音声のみの高音質ファイルもありますので、ぜひPCを外部オーディオにつなげて聴いてください。
●現在公開されている音源は、クリスティアン・アルミンク指揮による今年9月7日すみだトリフォニーホールで開催された名曲シリーズからの3曲。今後これをなるべく拡充したいと思っていまして、すでに比較的最近の定期演奏会および名曲シリーズの3公演から、ほかに4曲分の映像や音声を収録しています。
●このブログだとか、日経PC Onlineの連載でも繰り返しご紹介してるんだけど、今、いろんなオーケストラやオペラハウスが次々とインターネットでライブを配信/放送しているじゃないですか。これは大変ありがたいし嬉しいことで、パッケージメディアの次の時代の到来を感じさせてくれるんだけど、一方で欠落感を感じるのは、それらのほとんどが「どこか遠くにあるものを聴かせてくれる」という性格のものばかりだから。なぜ近くの楽団は聴けないんでしょうか。ネットでウィーン・フィルやメトを聴いて感動しても、次の段階として「じゃあ、今度これを生で聴きにいこうよ」ということにはならない(来日すれば聴けるけど、それは別の種類の楽しみ)。気に入ってくれた人が、生の演奏会を聴きにいけるような、無料の音楽配信コンテンツが欲しかった。サッカーで言えば、レアル・マドリッドとかマンチェスター・ユナイテッドは確かに横浜Fマリノスや浦和レッズよりも魅力的なサッカーをしてるわけだけど、週末に観戦に行けるのはマリノスやレッズのほう。「レアルが好き」と「マリノスが好き」は、本質的に違う「好き」なんだと思うんすよ。なんというか、マリノスのほうは「一方通行」ではない。
●で、日経パソコン創刊25周年の記念企画として公開された「ネットで楽しむオーケストラ 新日本フィルライブ」、ぜひお楽しみいただければ。今3曲載ってるだけなんだけど、ここに至るまであれこれ壁にぶち当たりながら半年以上かかってます(笑)。でもこれ、どれくらいアクセスがあるのかなあ。どうか大勢の方につないでいただけますように。

November 27, 2008

Aさんからのスパム

●日々大量に送りつけられるスパムメールだが、最近はプロバイダ側にもパソコン側にもいろんなフィルターがあるので、その99%以上は目に触れる機会もなく即座にゴミ箱直行、電子の藻屑と消える……はずなのだが、まれに誤動作なんかもある。で、たまにスパム用ゴミ箱を除いてみるのだが、そこに整然と並ぶAさんからの大量のスパムを発見した。
●Aさんのスパムには共通の特徴がある。全部日付が一年先になっている。毎日2009年の未来から何通もやってくるのだ。で、差出人の名前がすべてAから始まっている! どんな名前かというと、Akim, Aldrich, Alick, Abbott, Adner, Ali, Addie, Allayne, Alan, Alexander, Adolph, Abran, Alejoa, Agamemnon, Abeu, Ahmed, Abby, Alfonso, Ado, Aguinaldo, .....。とにかく、どんな名前でもAさんなのだ。いろんな国のAさんが次から次へとワタシに「薬を買わないか」とか「学位が安く買えますよ」とか「支払いの確認です」とか言って、気を引こうとしてくる。みな英文スパムだが、詳細ヘッダを調べてみると、ロシアとかタイから発信されていたりする。
●日付が未来で、しかも名前がAだから、メールボックスの並びをどのようにしても最上位に来るように工夫されているわけだ。スパム業界は競争も激しいだろうから、どこも知恵を絞っている。
●で、差出人の名前は全部Aからはじまるが、姓のほうはというと、これがAからDに限定されている。AndrewsとかBlackとかCruzとかDiazとか。これはなぜなんだろう? ランダムに氏名を生成させるために、その材料としてAから順に姓を集めていったが、Dくらいまででもう十分な数がそろったから止めたとか。いや、名前の標本なんてそれこそ彼らは十分にデータベース化したものを持っているだろうから、そんな集め方はしないか。不思議だ。気になるからどういう理由があるのか教えてください、Allayne Allisonさん、またはAkim Bradleyさん、またはAlick Coxさん、またはAlbie Dawsonさん……。

November 26, 2008

ラトル/ベルリン・フィルの記者会見で

ラトルとパユ
●来日中のラトル/ベルリン・フィルのリハーサルと記者会見へ。壇上には左からフルートのパユ、指揮者ラトル、EMIクラシックスのスティーヴン・ジョーンズ氏。レコーディングの話題が中心で、先月リリースされた最新盤「ベルリオーズ:幻想交響曲」についてのエピソードや、来年3月にリリースされるラヴェル「子供と魔法」のことなど。以前、あちこちのブログで伝えられていたけど、ベルリンのフィルハーモニーの火事があったときのプログラムがこの「幻想交響曲」。レコーディングはその数日後に予定されていて、演奏会のほうは急遽空港の格納庫(だっけ?)で行なわれた(レコーディングはイエス・キリスト教会)。「子供と魔法」は昔から録音したかったんだけど、キャストをそろえるのが大変で、今回はそれが理想的にうまくいった、など。
●あと、これはうっかり気づいていなかったんだけど、今回の来日公演の演目でもあるブラームスの交響曲第1番が音楽配信のみで先行発売中なんすね(iTunesではここ。EMIはDRMなしのiTunes Plusで配信してくれる。すばらしい!)。CDでは残り3曲と合わせて交響曲全集として来年秋に発売予定ということなので、配信が超大幅先行発売ということになる。こういうパターンは今後も増えてくるんだろうなあ。
●で、ベルリン・フィルが定期演奏会をインターネット生中継するという話があって、なんとパユがそれを発表してくれたのだが、そのあたりは日経PCオンライン連載でご紹介するつもり(毎週金曜更新予定)。

November 25, 2008

盤上のストリートファイター

●公園のベンチで、将棋が5卓くらい立ってた。あれ、将棋は「卓」って言わないんだっけ? ご近所のオッサン同士で将棋指してて、周囲にギャラリーがでてきる。指し方がぜんぜんわからないワタシには、見ても巧いのかヘタなのかもわからないが、ああいうところで将棋指せるのってやたらカッコよく見える。これって格闘対戦ゲーみたいに乱入できるのかなあ。お互いの名前はどうなってるんだろ。きっと本名じゃなくて、愛称で呼び合っていると予想。「ケン」とか「リュウ」とか。
●告知をいくつか。
ピアノスタイル●「ピアノスタイル (PIANOSTYLE)12月号」の特集は「今年の冬はピアノ映画を観よう!」。「ピアノ映画」っていう括りが成り立ってしまうくらい、ピアノ物(というかピアニスト物か)の映画は豊富にあるんすね。ワタシもほんの少しだけ原稿を書かせていただいてます。表紙が松田聖子ってなんかスゴい。
●CD「6弦と11弦ギター演奏によるショパン名曲集」(クリスティーナ・トラブロプール、長野剛)。この発想はなかった。バッハのように楽器を選ばない作曲家ならともかく、ショパンのような楽器依存性の高そうな作曲家の作品をギターで弾くとは。でも身構えて聴くと、案外とショパンはショパンだった。
●12月22日に東京国際フォーラムホールAで開かれる「世界まるごとクラシック ~年末大感謝祭2008~」。青島広志さんの指揮とトーク、構成で、超々名曲プログラムを聴かせてくれるというカジュアルなコンサートなんであるが、このコンサートで「きよしこの夜」を舞台上で合唱してくれる小中学生50人を募集中。詳しくはこちらのリリースをご参照あれ。

November 24, 2008

鎌北湖紅葉ハイク

●ふー。先週から来週くらいまで慌しくドタバタな感じで、あれこれ煮詰まり気味でもあるところに、晴れの日がやってきた紅葉見ごろな時期の週末、もうガマンできない耐えられない、今日一日は野外で過ごす、テクテクと山をハイクしてプチ自分探しの旅(←またかよ)へGO!
●きっと世間は三連休だし高尾山はじめメジャーどころは激混雑と見て、比較的マイナーなルートを選択して鎌北湖へ。ここは高いところに登るわけじゃないから、軟弱者でも安心だし。東吾野駅から山村の集落ユガテを経由して鎌北湖、その後は時間があれば北向地蔵から物見山~日和田山ルートを考えていたが、疲れたので後半はほぼこの西武鉄道ハイキングマップにしたがって、五常の滝、武蔵横手駅へ。正味歩行4時間に休憩やら道草込みで6時間。高低差があまりないからすっかり甘く見てたんだけど、鎌北湖でお昼休憩した後に、もう一度登りになるのが意外とキツい。ホント、体力ないな。
●鎌北湖の紅葉はこんな感じ。
鎌北湖の紅葉
●鎌北湖そのものはクルマで来る人がガンガンいて、釣り人も大勢で、山っぽい雰囲気は乏しいんだけど、その前後は静かな山道を存分に歩ける。ユガテのあたりは、畑の中を抜けて民家の庭先を通っていくという不思議なコース。帰り道は(車はたまにしか通らないとはいえ)アスファルトの道を歩く時間が長いのがこのコースの難点ではあるが、その分、疲れていてもダラダラ緊張感なく帰れるのが楽という面もあり。あと、このコースはトイレの心配がないのがいい。
●猟期に入っているようで、ハンターの方も見かけた。「ぼくは猟師になった」を思い出した。

November 21, 2008

フランク・ブラレイ・イン・ブルー

●東京文化会館小ホールでフランク・ブラレイのリサイタル。シューベルトの即興曲で始まり、ベートーヴェンの第31番を経由し、ドビュッシーの前奏曲集から何曲か、そして最後にガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」に至るという振幅のあるプログラム。切れ味鋭く、明晰。でも饒舌というよりは寡黙なリリシズムがあって、会場は割りとクールに音楽を味わってた、たぶん。ブラレイ、カッコいいな、なんか笑わないよね、容易には。基本、微妙にブスッとしてて、たまにニッコリしたりすると激しくチャーミングな感じがしたりするんだろうな、いいね、見習おうかな、いやムリなの知ってるけど、でもまず軽く練習してみたりして、ブスッ。
ブラレイ●で、終演後ロビーに出たらそこはぜんぜんクールじゃなくて、とてもホットだった。サイン会に並んでる人、目視で約100名くらい、小ホールなのに。CDが飛ぶように売れている。サインペンを持ってブラレイ、ニコッ。いいな、籠絡されそうだぜ。来日記念盤は「IMPRESSIONS ドビュッシー、ラヴェル作品集」。ブスッとして聴いてみるが、頭の「映像第1集」でニコッとなる、爽快に。

November 20, 2008

カタールvsニッポン@ワールドカップ2010最終予選

カタール●以下、結果バレあり。
●前の試合でホームでウズベキスタン相手に引き分けてしまったこともあって、いきなり厳しい最終予選になってしまったところで、アウェイのカタール戦(場所はドーハ。不吉だ)。耐える展開が予想されたわけだけど、先発メンバーを知って驚愕。GK:川口-DF:寺田周平、トゥーリオ、長友、内田-MF:遠藤、長谷部、中村俊輔、大久保(→岡崎)-FW:玉田(→佐藤寿人)、田中達也(→松井)。あー、これが岡田監督なのだった。フォワード2枚使ってるのに、中盤にフォワード調の大久保、足にケガを抱える俊輔、そして遠藤と長谷部だ。誰が守備するの。いや遠藤も長谷部も守れるけど、体を張ってガツガツと相手を潰すタイプがいない。アウェイなのに、足元のうまい選手をずらりとそろえた攻撃的布陣。怖すぎる。
●と思ったワタシは完璧に間違っていたのだった。アウェイだろうがなんだろうが最初から勝点3を目指すサッカーで、どんどん攻めるし、激しく守る。ボールがよく回るし、選手もよく走るし、一瞬オシム・サッカーが戻ってきた気がした。田中達也の気合の入り方なんて本当に立派。岡田監督就任以降のベスト・マッチでは。前半に相手のミスを突いた田中達也のゴールで先制(浅い角度からキーパーの股を抜いた)、後半すぐにこぼれたボールを左45度から玉田が思い切り蹴りこんで2点目。これで相手の動きががっくり落ちた。後半23分にショートコーナーからトゥーリオがヘディングで3点目。これも角度の浅いところからだったけど、しっかり枠をとらえた。3-0で完勝。
●それにしても中国の審判はひどかった。カタールの選手がラフプレイを連発、目の前で蹴りを入れたり、顔に手を出したりしているのに、カードどころかなかなか笛も吹かない。あの試合で後半44分までイエローが一枚も出なかったなんて、冗談としか思えない。一方、ニッポンの選手のなんでもない守備に笛を吹いてカタールに好機を与える。アジアの戦いでは強い側に極端に不利な笛が吹かれる傾向がある気がする(カタールでもセバスチャンにだけは厳しかった)。でもこういうのに今のニッポン代表選手はすっかり順応してて、「あ、そう来るわけね」と淡々と自分のプレイを続けるところが偉い。一昔前なら「こんなの、やってられるかっ!」と報復してレッドで退場とか、ありがちだったわけで。
●カタールはエースのセバスチャンがひどく不調だったのが痛かったのでは。あと、笛を頼りにするプレイがあまりにも多い。本当はニッポン以上の攻撃力があっておかしくないのに。ホームなのに、不必要な「弱者のサッカー」をしてしまった。ウズベキスタンはニッポン相手に、アウェイであるにもかかわらず前線からプレスを積極的にかけてきて成功したわけだけど、カタールはまったく逆のことをして失敗した。他のアジアのチームには対ニッポン戦のヒントになったんじゃないだろか。
●他会場では、バーレーンがオーストラリア相手に善戦して、0-0で勝点1を得る寸前のところまで行きながら、ロスタイムに失点して敗れてしまった。オーストラリアが楽々と独走している、悔しいことに。

November 19, 2008

皮むき

あなたはこの皮を5秒以内に剥けるか?●輸入盤CDの「皮むき」って、できますか、あれ。どうしてあんなに剥きにくいのかなあ。日本のCDってきわめて快適に剥きやすいのに、あの技術が一向に輸出される気配がないのはかねてよりの謎、謎すぎる謎。このペロリとスムーズに剥ける心地よさを世界の音楽ファンに体験してもらいたいぜっ!
●以前、仕事の一環として大量のCDの皮を剥くことがあったんすよ。ブックレットの中のデータがどうしても必要なんだけど、進行上たった半日しか手元にCDを置けなくて、その日の内に何百枚と皮を剥いて中身をコピーして戻さなきゃいけない。あれは国内盤だったからできた。輸入盤だったら牡蠣の殻をむくベテラン海女くらいに熟練しないと不可、きっと。

November 18, 2008

「復活」で讃えられるチャンピオン

●そういえば、先日ガンバ大阪が優勝したアジア・チャンピオンズリーグの決勝で、NHK-BSはマーラーの交響曲第2番「復活」を番組のオープニングテーマに用いていた。終楽章で合唱とオーケストラが復活を讃える壮大なクライマックスは、たしかにこのアジアナンバーワンを決める長い戦いの終結部にふさわしい。いつ耳にしてもウルッと来るっすね、この曲は。まあ、「何が復活するの?」と言われると困るが。
●試合終了後、遠藤がインタビューで「この調子でトヨタカップでもがんばります」みたいなことを言ってて驚く。選手たちにとって今でもあの大会はトヨタカップなのか。
●欧州と南米の勝者が戦う旧トヨタカップは、2005年から各大陸の王者が勝者を競う「FIFAクラブワールドカップ」に生まれ変わっている。この大会の通称と正式名称というのはいつだって一致していなくて、かつては外国の選手たちは「インターコンチネンタルカップ」と呼び、日本人は「トヨタカップ」と呼んでいたが、オフィシャルには「トヨタ ヨーロッパ/サウスアメリカ カップ」という名前だった。今年の大会の国内表記は「TOYOTAプレゼンツ FIFAクラブワールドカップジャパン 2008」となっているようだが、「トヨタカップ」と「ワールドカップ」がいっしょになっているみたいで落ち着かないというか、東京三菱UFJ三井住友銀行みたいな「全部盛り」感、大あり。
●有名な話だが、この大会の決勝戦は日産スタジアムで開催される。でもこの新トヨタカップで使用される際には、名前が従来名称の「横浜国際総合競技場」に戻り、NISSANのロゴは隠される。もしわれらがマリノスが大会の出場権を得ていたら、ホームスタジアムであるにもかかわらず「日産スタジアム」の名が使えないというややこしい事態になってたわけだ。その場合、胸のNISSANのロゴはどうなるんだろ。これはチームスポンサー名なんだから当然残るはずだが……。いや、現在J2落ちの危機に瀕するほど弱体化したクラブにとっては妄想レベルの話でしかないんだけど。

November 17, 2008

僕の傘

マイ傘「えっ、どうして僕が女モノの傘を持ち歩いているのかって? では、説明しよう。先日、あるレストランで食事をしたのだ。そこは街の中の小さなフレンチのお店で、当日は雨だったから、お気に入りのベージュの傘を持って出かけた。閉店間際までゆっくりしてたから、僕らが最後のお客さんだった。帰り際に傘立てを見ると、僕の傘がない。あれれ、困ったな、どうしたのかなとオロオロしたんだけど、傘立てに一本だけ余ってたんだよね。僕のベージュの傘に良く似た色の女モノの傘が残っている。ああ、そうか、誰かがまちがえて、僕の傘を持ち去ってしまったのだ。しょうがないなあ。まちがえた誰かさんは後からお店に連絡をしてくるかもしれない。お店の人に説明した、これ、僕の傘に似てるけど僕のじゃないんです、でもこの一本だけが傘立てに残ってるんです、と。お店の人は陽気にこう言った。『あら、そう、ホホホホホ、まあしょうがないわねえ、もうそれしかないんだから、その傘を持っていっちゃっていいですよ』と、僕の連絡先も尋ねずにその傘を差し出すのだ。ええっと、いいのかね、お店対応がそんな大らかで。でもまあいいか、まちがえたお客さんが誰かもわかんないんだし。そして推定年配女性の持ち物だったと思われるベージュの傘を、以後、持ち歩くことになったのだ。今やもうこれが僕の傘だ。以前の傘に似ている。あれ、良かったんだけどな。以前の傘もそっくりのベージュの色で、たぶん女モノだったと思うんだけど。えっ、どうして僕が女モノの傘を持ち歩いていたのかって? では、説明しよう。先日、あるレストランで食事をしたのだ。そこは街の中の小さなフレンチのお店で……」

November 14, 2008

アジア最強に強まる大阪

●昨日はニッポン代表vsシリア代表の親善試合があったのであるが、相手の選択といい欧州組抜きのメンバーであるということといい、W杯予選前の練習試合としてもどうかなってこともあって早送り再生(←これ悲しい)。スマソ、岡田監督。
●そんなことより、偉業は大阪だ。アジア・チャンピオンズ・リーグ決勝でガンバ大阪が豪アデレード・ユナイテッドを下して優勝。ホームで3-0で完勝し、さらにアウェイに乗り込んでもふたたび2-0で勝った。終わってみればアウェイでも全勝しているという圧倒的な強さ。昨年の浦和に続いて2年連続でJリーグからチャンピオンが出たってのも吉報なんだが、それ以上に(見た限りでは)攻撃的でスペクタクルなサッカーで勝ち抜いたのがスゴい。しかも決勝は失点もない。美しすぎる。
●決勝の2試合を通じて左サイドの佐々木勇人が良かった。恐ろしく体がキレている。安田理大も同サイドを破り放題。佐々木や安田の鋭い切り返しに対して、アデレードの選手がまったく付いていけずに体のバランスを崩してしまう場面が何度もあった。一対一でこれだけニッポンの選手が勝てるのかっ。いや、ニッポンじゃなくて大阪なんだけど。
●アデレードはオーストラリアの大型選手にブラジル人3人を加えたチームで、決勝トーナメント初戦ですでに鹿島を倒している強豪。ただ、決勝第2戦は3点のビハインドで戦うという点で苦しかった。17歳のキーパー起用が裏目に出てしまった感もあり。相手への顔面肘打ちを何度も狙うブラジル人フォワードには辟易。今後も毎回オーストラリア勢が強敵として東アジア勢の前に立ちはだかることになるんだろう。
●アデレードのお客さんは不思議なところで湧いたりブーイングしたりしてかなり異文化。激しいタックルを好み、うずくまる選手を嫌うっぽい。全然共感できないが一理はあるから、こういうフットボール文化がアジアの中に誕生したことを歓迎したい……ホントはヤだけど。

November 13, 2008

ネオ・クラシカル・メタル系ヴィヴァルディ

●「ハーイ、ヨーイチ! 今度新しいアルバムを作ったんだ。きっとニッポンのリスナーも喜ぶと思うから、ぜひキミのウェブサイトでレヴューしてくれないかな。楽しみにしてるよ!」的な売り込みメールとかニュースリリースが見知らぬガイジンさんからしょっちゅう送られてくるんすよ、ワタシのメールアドレスに。ウチは日本語サイトだし、英語不得手だし、そもそもその手のメールの半分くらいはスパムフィルターに引っかかってる気もするし、まあいいかと思って基本スルーしてるんだけど、これは笑ったから紹介しちゃおう。
Strad To Strat II●ギタリストのKevin Fergusonさんの7枚目のアルバムがリリース。タイトルは「Strad To Strat II: Vivaldi」。ヴィヴァルディの「調和の霊感」および「ラ・ストラヴァガンツァ」からのヴァイオリン協奏曲を、エレキギターでギュンギュンと熱く弾いております。ジャケがベタにエレキギターを持ったヴィヴァルディ(笑)。サンプル音源はDebone Music のこちらで。といっても日本から買えるの、これ? iTunesでもそのうち販売予定だから、そっちのほうがいいかも。
●で、「Strad To Strat II」と題されているってことは「I」もあるわけだ。こちらは現在iTunesで販売中。パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番とかリムスキー=コルサコフ「くまんばちの飛行」とか、エレキギターでやりたい放題→「Strad To Strat」(←クリックでiTunes起動)。これでオケが本物だったらなあと思わんでもないが。「仮面ライダーキバ」の戦闘シーンにどうでしょか>テレ朝様。

November 12, 2008

「ぼくは猟師になった」(千松信也著)

ぼくは猟師になった●圧巻。親が猟師とかそういう理由じゃなくて、純然たる興味と関心から猟師になったという京都の若者が書いた、「ぼくは猟師になった」(千松信也著/リトルモア)。京都みたいな都市圏で狩猟生活が成立するっていうのも驚きだ。
●著者は京大在学中から先輩猟師を通じて伝統のワナ猟を学び、現在は運送会社で働くかたわら、裏山で鹿やイノシシを狩猟している。「なんとなくずるい」からという理由で猟銃は使わない。猟期になると山にワナを仕掛けておいて、そこに捕まったイノシシなんかを仕留めるわけなんだけど、これがスゴいんだ。そもそも嗅覚の発達した野生動物たちは人間が仕掛けるワナになんか簡単にはかからない。鋼鉄のワイヤーでできたワナを、カシやクスノキとかいった匂いの強い樹皮といっしょに大鍋で10時間以上煮込んで匂いを消すとか、ワナを仕掛ける前に全身を良く洗うとか、いろんな工夫をして、それでもやっぱり感づかれたりする。そういった野生動物との駆け引きに勝利してようやく捕まえたとしても、その後、獲物にトドメをささなきゃいけない。この著者は基本的に「どつく」ことで仕留めるんだけど、相手がイノシシともなると危険も伴う。本書にはどのように猟師になったか、どうやって狩猟のために必要な知恵を学んだか、さらにはイノシシや鹿の解体・精肉法まで書かれている。
●そう、食べるのだ、もちろん! 著者にとって狩猟をするのは「自分で食べる肉は自分で調達する」という、生活の営みの一部なんである。ケダモノ好きなら(いやそうでなくても)、ワナにかかった鹿やイノシシを屠るというところに「かわいそうだな」という感情が自然とわきおこるだろう。でもワタシらが口にしている肉は、すべてがもともとは生きた動物のものである。スーパーの冷凍食品コーナーの餃子だろうが、コンビニのハムカツサンドだろうが、製品となる過程を遡れば、生の喜びや死への恐怖といった原初的な感情を有した一体一体の動物たちに確実にたどり着く。誰かがその動物たちを育て、屠っている。屠畜というプロセスが消費者には完全に見えないようになっているだけだ。
●しかし自ら獲物を解体し、精肉し、食するとどうなるか。著者は自分の獲物を無駄にしないために決して努力を惜しまない。獲物が死んで肉が腐敗しないように毎日ワナを見回る。食べられるところは全部食べる。食べられない消化器系の内臓などは土に埋めて、タヌキなど山に生きる他の動物たちに恵む。読んでいるだけでも、生物は他の生物によって生かされているのだという自然の摂理に対する畏敬の念がわいてくる。一人では食べきれない獲物を仲間たちと分かち合うのもすばらしい。食べ残した餃子やらハムカツサンドを各自めいめいがゴミ箱に捨て、これほど密集して住みながら食べ物をまるで隣人と分け合えないワタシらの都市生活はなんて脆弱なんだろう。
●イノシシ、鹿だけではない。狩猟仲間を手伝いカモやスズメも獲る。休猟期には山菜や野草を採り、渓流のアマゴやイワナを釣り、海へ行けばマテ貝を捕まえる。全部食べるためだ。ああ、ニンゲンだって動物なんだなあ。憧れ、感動する。ワタシ自身は彼のマネを1ミリたりとも実践できないことをよく知っているが、著者に対してほとんど崇拝に近い気持ちを抱いてしまうのを抑えられない。

November 11, 2008

ワクワク鬱々ショッピング

●うーむ、とブラウザを眺めながら、腕組みして悩む。パソコンを買い替えたい。
●すでに去年くらいから「2008年はパソコンを買い替える年」と決めていた、耐用年数的にも厳しいし、処理速度的にも限界まで来ている、っていうのもあるし、会計上の事情からもどうしても年末までに購入しておきたい、だが気が付けばもう11月中旬。どうする。
●PCを移るのって大変じゃないっすか。全部ゼロからインストールしたりデータを引っ越したり、アプリの設定したりで、うまくいっても軽く丸一日は潰れる。ああ、気が重い。でも重い腰を上げて、いろいろ調べてみた。
マザボ●求められる条件は、1.壊れにくい 2.安い 3.サポートがある。業務用なので高性能なグラフィックボードやら最強最速のCPUを必要としない。だから、まあ、フツーでいいわけだ。適当にBTOで買えばいい。購入先は3つほどに絞った。安さならDELL、品質やサポートならエプソンダイレクト、あるいは現在も使っているサイコムか(←修理時対応好印象)、そのあたりでお買い得そうなものを選ぼう。そう思って、3社のサイトでCPUやらドライブやらを選んだりして比較していたら、だんだん楽しくなってきた。そうかあ、今はこんな選択肢があるのかー。CPUはどれにする、メモリは2ギガ積んどくか、OSはVistaのいちばん安価なのでもいいんじゃないか、とか。省スペース型は魅力的だけど内部が狭いほど排熱は不利だろうから、壊れにくさではミニタワーのほうが有利なのかなあ?とか。
●そうしたら、ついついワクワクしてきて、あれこれ猛然とPCの各パーツについて調べ出してしまった。最初は「フツーのなら何でもいいや」と思ってたのに、今は「チップセットはIntel G45とG31とどちらがいいのか」とか「マザーボードはASUSのP5Q-EMか、GIGABYTEのGA-EG45M-DS2Hか、悩むな」とか、だんだんどうでも良かったはずのところが気になり始めた。もう調べれば調べるほどわかんなくなる。世間の評判もまちまちだし。
●そして、ぜんぜん楽しくなくなった。これ以上情報を集めてしまうと、しまいにはCPUファンをどれにするかで年末まで悩み倒すことになりかねない。また気が重くなり、憂鬱になった。やっぱりハードウェアは苦手だな。眠ってる間に小人さんが新しいPCを導入してくれたらいいのに。

November 10, 2008

週末フットボール・パラダイス暗雲編

●うっ。ニッポンU19がU-20ワールドカップ(旧ワールドユース)出場権を逃してしまった(→参照)。対韓国戦、0-3。これまでに7大会連続出場していたのに。トルシエ率いる黄金世代で世界準優勝まで到達したのを筆頭に、もっとも世界大会で好成績を挙げてきた年代だったんだが……。オリンピック、W杯と大人の大会になるにしたがってニッポンにとってはアジア予選を勝ち抜くのが厳しくなると予想していたのに、まさかこの年代が世界で戦えないとは。凶兆、かなり。まさかこの調子で……いや、やめとこ。
●Jリーグは毎週のように上位陣が足踏みするおかげで、かつてない大混戦に。何が起きてもおかしくない。名古屋なんて最近6試合も勝利していないのに、まだ1位鹿島と勝点2しか離されていない。一方下のほうの降格争いにも同じことが言えて、わがマリノスは7試合ほど負けがなく「やれやれ、これで一安心かな」と思っていたのに、今節京都に敗れただけでもう降格ラインまで勝点3しかないところまで落ちてしまった。まさかJ2には中村俊輔は来ないだろう。というか中澤も契約切れるし。空中分解寸前だな、このクラブ。
●と、サッカー界で荒廃した精神をどうしたものか、このままにはしておけない、求めたいのは癒し、それも超弩級のジャイアント癒し、日本列島ユーラシア大陸地球太陽系全銀河もろとも癒されるくらいの癒しが必要だ、だから見たコレ。

● Ninja cat comes closer while not moving!

●忍者ネコ。むしろ「ダルマさんが転んだ」と呼ぶべきか。

November 7, 2008

「サロメ」@METライブビューイング

カラヴァッジオのサロメ●先日、「カリタ・マッティラのサロメ」でも触れたMETライブビューイングの今シーズン第1作R・シュトラウス「サロメ」、東京でもようやく上映されて新宿ピカデリーへ。「何でも見せちゃう」「何でもリアル」を追求するのがMETライブビューイング。今回は休憩がないので舞台裏紹介はないんだけど、それでも開幕直前の楽屋にカリタ・マッティラを司会役のデボラ・ヴォイトが訪ねたりする。カリタ・マッティラは先シーズンの「マノン・レスコー」での幕間インタビューで、「わたし今猛烈にストレッチしてるのよ、ほらほら、これ180度開脚よ、ホーホホホホ!」(←意訳)みたいなことをハイになって語ってたんだけど、今日わかった、あの180度開脚はサロメ役で使うためだったんだっ!
●いや、そんなことはいいか。カリタ・マッティラ、絶唱。すさまじいサロメだった。演出はユルゲン・フリムで、一応登場人物が20世紀の服装をしてたりするけど、荒業も飛び道具もないストレートなもの。例の「7つのヴェールの踊り」は男性ダンサー2人が絡みながら、(知らないから想像だけど)正調アメリカン・ストリップティーズを見せてくれて、踊っているのがオペラ歌手だといういちばん肝心な点を除くと(笑)圧倒的な本物感。いやー、この踊りをどれだけ練習したんだろ。もう降参。ストレッチだけじゃなくて、きっとダイエットも激しくしたと思うんだ、一見わからないけど。48歳を16歳(17歳だっけ?)にするために、ここまでやるのか、みたいな。「何でも見せちゃう」「何でもリアル」だから、観客の想像力なんて当てにしないで、作れるものは徹底して作りこむ。最後の全裸になったらしい瞬間は、カメラがヨソを向くのでお茶の間も安心。ていうか、そのまま映すと映画館でR指定になるのかなあ? あれ、でも生首はいいんだっけ。口の周りを血だらけにして熟女が生首に接吻するシーンのほうがよっぽど問題な気もするけど、よくわからん。
●スゴいよ、メトは。ヘロデ役のキム・ベグリーの顔芸とか。笑ってしまうほど見事。高解像度映像が前提の顔芸。あと黙役の首切り奴隷の人も可笑しかった。どう見ても「マサイ族の勇者」みたいな体脂肪率5%くらいのおっかない人が、黒褐色の肌をテラテラさせながら蛮刀みたいなのを振り上げて、ヨカナーンの首を斬りに地下牢に入っていく。本物っぽくて怖すぎだよ! 「何でも見せちゃう」「何でもリアル」だから。やめて、夢に出てきてうなされそう。
●カメラワークも緻密。ここまでやろうと思ったら、カメラとか映像の編集とか、どれだけがんばらなきゃいけないんだろ。仕切ってる人は偉すぎ。
●次回予告編で流れていた、ジョン・アダムズ「ドクター・アトミック」がまた強烈なんだ。画面に「廣島市」が出てくるし。ナガサキ~って歌ってるし。被爆国視点で見るとどうなのかな。
●誰も劇場でポップコーン食べないよね……やっぱり。うるさいから。食いしん坊の人のために、静かに食べれる(ら抜き)堕落したジャンクな食い物はないかなあ。バリボリ齧っても隣の人が気づかない無音チップス絶賛待望中! コーラとセットで。

November 6, 2008

おいしいオレンジジュースの飲み方

tropicana.jpg●発見! 果汁100%のオレンジジュースに、3割くらいの分量のミネラルウォーターを注ぐと、さらにおいしいオレンジジュースになる!すっきりとさわやか、それでいてジューシー。ていうかジュースがジューシーなのは同語反復だろ、でも果汁感たっぷりのしたたるようなジューシーなジュースはとびっきりジューシー、まるでジューシーなジュースみたいにジューシー。
●さて問題です。このオレンジジュース、果汁何パーセント? 正解は心の中にそっとしまわれた想い出の彼方に。

November 5, 2008

青いタヌキ

多摩湖
●「あたし、海が見たいの!」と唐突に自分探しがしたくなった先週末(ウソ)、近くに海などない、あるわけない、でも湖なら、というか貯水池ならあるのを発見、またしても西へと向かったその先にあるのは多摩湖。狭山公園から多摩湖南側を大散歩して半周、湖の向こう側に小さくかすかに見える円形建造物は西武遊園地の観覧車なのだ、まだ紅葉には早かったのだが、広々と前方に開いた水面と青空に向かって、さわやかな気分で叫ぶ、ヤッホー、いや叫びません、叫ぶのは心の中で。
●それにしても、このあたりの狭山丘陵地帯であるとか、奥武蔵奥多摩方面のハイキング・コースとか、緑豊かなわけであるが、人間以外の大型哺乳類をぜんぜん見かけないなあ、それが少し惜しいと思ったのである。いや、クマとかは見たくないっすよ、そうじゃなくてタヌキとかキツネとかイノシシとか野うさぎとかアライグマとか、なんていうかな、日本昔話的なヤツとかロッキーチャックだかラスカルだか忘れたが、ホノボノとするエコでロハスで地球に優しそうな心温まる動物たちとの安全な出会いがあったらいいのに。そんな都合のいいケダモノ好き気分を軽く引きずりながら、アスファルトの道を歩き、電車に乗り、都市へと帰った。
●で、帰ってみたら、これはまあ絶対にウソだと思われるのを承知で書くんだけど、ウチのマンションの駐車場で何かケダモノがいるんすよ、ネコにしてはなんか大きめで微妙にボッサリした体型だなあと思って、そっと近づいてみると、それはタヌキだったのだ、どうやら。たぶんワタシはこれまでタヌキなんて見たことないと思うんだけど、バッタリ出会ったリアルタヌキ、しかも都内の住宅地ど真ん中で。
タヌキ発見●暗闇で撮ってるのを明るく加工したから見づらいが、この未確認歩行生命体はきっとタヌキ。ゆっくり近寄ると、トコトコと歩いて去っていった。山や森、湖に出かけてもいなかったタヌキ、でも帰宅するとウチにいたタヌキ、それって幸福の青いタヌキ? 青くないけど。
●後で調べてわかったが、都心も含めて東京23区内でも、野生のタヌキというのは案外たくさん生息しているらしい(→参考:東京タヌキ探検隊!)。フツーに彼らは彼らの狸生を送っているのであり、駆除する必要も保護する必要もない、と。また会えるかなあ、タヌキ。ご近所で見知らぬ顔を見かけたら、臀部に尻尾がないか要確認。

November 4, 2008

西に向かうホリデイ

●カルミニョーラ&ヴェニス・バロック・オーケストラを聴きに三鷹市芸術文化センターへ。今回の来日公演、東京では5日にトッパンホール、6日に紀尾井ホールとあるんだけど、よく考えたらウチからだと三鷹市芸術文化センターのほうがはるかに近いではないか。電車レスに、バスまたは自転車で行ける。なので初めてこのホールへ、そして漠然と市民会館的な昭和っぽいホールを予想してたら(スマソ、何も知らなくて)、ムチャクチャ立派で美しい音楽ホールだった>「風のホール」。
●カルミニョーラは猛烈カッコいいっすね。ギュンギュンと全身から発せられるオーラ。自在奔放アグレッシヴ、でも豊かで多彩。ヴィヴァルディ、アルビノーニ、タルティーニの協奏曲。アンコールもヴィヴァルディ、お客さん大盛り上がり。ひたすら楽しかった。
●最近、都心とは逆方向に出かけることが妙に増えている。サッカーは横河武蔵野FCだし。高尾山とか奥武蔵方面で山歩きしたくなるし。映画館も立川とか昭島とか。さらにコンサートまで西のほうで聴けるとは。プチ満喫、多摩ライフ。

November 2, 2008

横河武蔵野FCvs三菱水島FC@武蔵野陸上競技場

横河武蔵野FCvs三菱水島FC●ご近所スタジアムで久々のJFL生観戦。横河武蔵野FCvs三菱水島FC。久しぶりの観戦になったのはサボっていたからではなく、この競技場でホームゲームが開催されなかったから。8月2日、夢の島競技場で開かれた対JEFリザーブズ戦(なぜかホームゲーム)には遠征したものの、その後9月と10月に1試合ずつ開かれたホームゲームはいずれも西が丘開催。もともと「ウチから近所だから」という理由で観戦してるので、西が丘は遠いなとスルー。申し訳ない気もするんだけど、「ホームである」ってのは本来そういうことだからしょうがない。
●で、なんと7月以来の開催となった武蔵野陸上競技場での試合なんだけど、やっぱり長らくホームを留守にしてしまった影響なのか、好天にもかかわらず観客は608名と少なめ。相手は三菱水島FC。この三菱ってのは三菱自動車なんすね。クラブカラーはやっぱり赤。サポータークラブの名前が「レッドアダマントクラブ」だったりして(アダマントはダイヤモンドのことらしい)、なんか浦和レッズの兄弟クラブみたいな印象があるんだけど、じゃあ「水島」のほうはどこのことだと思うじゃないっすか。知らなかったんだけど、岡山の倉敷にある地名らしい。でも岡山県って、同じJFLに強豪ファジアーノ岡山があるじゃないっすか! 同じ県に2チームもJFLのクラブがあるとは。ファジアーノ岡山のほうは遠からずJ2に昇格するだろうから、岡山の人は今のうちに「岡山ダービー」で盛り上がるのが圧倒的に吉。えーと、両者の直接対決は……うわっ、今季はもう終ったのか! これは惜しい、惜しすぎる、桃太郎に退治された鬼なみに惜しすぎるぞ、岡山ダービー。
●って、クラシック音楽ブログで、3部リーグの岡山事情についてなにを力説しているのだ、ワタシは。
●それで、三菱水島FCって今のところJFL最下位なんすよ。勝点14。こちら武蔵野はリーグ最少失点を誇る鉄壁ディフェンスで勝点49。うっかり試合前に華やかな展開を期待してしまった、レアルマドリッドやバルセロナみたいなスペクタクルなサッカーで圧勝とか。
●そういう甘い妄想をサッカーの神様は許さない。キックオフ直後からほとんど一方的に武蔵野がボールを支配するものの、なかなか決定機まで持ち込めない。下位の相手と戦うときは早めの1得点が肝心。時間とともに相手が「これなら戦える」という自信を持ってしまうから。それでも前半、長身フォワードの金子が左サイドから持ち込んでニアの薄い角度から強烈なゴールを決めて先制。
●でもその後がいただけない。球際の甘さを感じるというか、J準加盟クラブと戦うときのような集中力が感じられず、時折相手の鋭いカウンターを食らう。後半、恐れていた通り失点して1-1。試合終盤は迫力のある怒濤の攻撃を見せてくれたし、ここで再び突き放していても何の不思議もなかったんだけど、ツキに見放されたようにシュートがゴールをとらえてくれず、痛恨のドロー。1-1。強豪相手に負けたときよりもよほど悔しい気分になる。
●JFLは残り今季2試合(←ホームゲームのみを数えている)。快勝を見せてほしい。

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