2009年5月アーカイブ

May 29, 2009

バルセロナvsマンチェスターユナイテッド@チャンピオンズリーグ決勝

バルセロナ●欧州フットボール・シーズンの締めくくりは、最強クラブを決めるチャンピオンズリーグ決勝。今年は近年まれに見る好カード。ほとんどだれが見てもこの両クラブが最高のサッカーをしているにちがいないんだけど、それがうまく決勝戦で対決するというのはかなりまれな出来事。決勝の地はローマ。
●近年、イングランド勢が圧倒的に強い。が、昨年みたいに同国対決になってしまうと、プレミアを見てないワタシなんかは思いっきりテンションが下がるんである。今年もベスト4のうち3チームがイングランド勢。残りの一チームがひいきにしているスペインのバルセロナで、決勝まで生き残ってくれて本当に良かった。
●でも今回はバルセロナは苦戦するかと心配していたのだ。というのは国内リーグの優勝を決めてからの選手の起用法なんだけど、直後の試合はほとんど主力を休ませた。そりゃまあ休ませる。控え組ばかり。で、その次の試合というと先週末なので、この日の決勝までの間隔を考えるとまた主力を休ませて控え組を出すことになる。こうなると試合の間隔が開いて、かえってコンディションの維持が難しいんじゃないかなあ、と。しかも今日の決勝、結局左サイドバックは控え組のベテラン、シウビーニョ35歳を使うことになってしまって、だったら前節休ませればよかったんじゃないか、とか、あれこれとウジャウジャ、ウジャウジャ……。
●で、開始早々は案の定マンチェスター・ユナイテッドのペースだったが、10分にエトーのゴールで先制してからは、圧倒的にバルセロナのペース。あれだけプレッシャーの厳しいマンチェスター・ユナイテッドの守備を相手に、普段のリーグ戦と同じように中盤で華麗なパス回しをしてしまうバルセロナのありえなさ。特にシャビ、イニエスタ、メッシのキープ力は異次元。追加点がなかなか奪えず心配したが、70分にはシャビからの3次元ピンポイントのクロスに、メッシの珍しいヘディングシュートが決まって2-0。バルセロナ・サポの「オーレー!」を聞けた。
●スペインのクラブの「オーレー!」は特徴がある。選手がボールを足元に持つと、サポが「オー」をはじめる。で、ボールを離した瞬間に「レーッ!」を言う。だから、足元でボールをこねるような球離れの悪い選手がいると、サポがずっと「オーーーーーーー」と音を伸ばし続けることになってしまうわけで、これが「早くボールを回せ」という強烈なメッセージになっている。これってスゴくいいと思うんすよ。ニッポン代表でもやれたら楽しいなあといつも思うんだけど、驚異的なボール・キープ力が大前提だから、やるにしてもそんな機会はなかなか巡っては来ない、たぶん。
●はー、完勝すぎる完勝。少しEURO2008決勝を思い出した。なぜあのときと同じ爽快感があるかといえば、たぶんハードワークするパワフルな大男たちのスポーツになりすぎた現代フットボールで、170cm前後のテクニシャンたちが勝利したから。あの、ため息が出るような美しいパス回し。まさかロナウジーニョが去った後のバルセロナに、こんな黄金時代が到来しようとは。サッカーはなにが起きるかわからない。

May 28, 2009

ニッポン代表vsチリ代表@キリンカップ2009

ニッポン!●これは驚き。今のチリを相手にここまでできるとは。岡田監督就任後の試合では一、二を争う出来かも。
●チリの監督って、あのビエルサなんすよね。アルゼンチン代表監督としてほとんど完璧な最強のチームを作り上げたにもかかわらず、2002年日韓W杯で謎の失速により一次リーグで敗退してしまったビエルサ。その後U23ではオリンピックで優勝。辞めてからどうしているのかと思ったら、チリ代表を率いていた。
●かつてサモラノ&サラスの強力2トップを擁していた頃のチリは、パワフルかつパス回しの楽しい非常に魅力的なチームだった。今回のW杯予選は久々に本大会出場圏内で戦っていて、ビエルサ監督の手腕に対する期待も相当なものだと思う。キリンカップのために一週間前から来日して合宿組んでいたというくらいなので、これは相当に強烈なプレッシング・サッカーを見せてくれるんじゃないかと、恐る恐る期待していたら。
●まさか、そんなチリ代表をニッポンが4-0で一蹴しようとは。中村俊輔も松井もトゥーリオも田中達もいないのに。これはメンバー書いておかなきゃ。
●GK:楢崎-DF:駒野、中澤、阿部、今野-MF:遠藤(→橋本)、中村憲剛(→香川)、長谷部(→山口智)、本田圭佑-FW:玉田(→山田直輝)、岡崎(→矢野)。
●オランダ2部でMVPを獲った本田が見違えるほどたくましくなっていた。ドイツ・ブンデスリーガで優勝した長谷部もすばらしい。攻守両方頼りになる。やはり二人とも強い相手にも体を張れるというか、体の使い方がうまいというか。南アフリカ後のニッポンの中盤はこの二人が中心になっていくんだろか。
●2ゴールの岡崎も文句なしにすばらしい。「そんなにいいのかな?」と思うほど岡田監督は積極的に起用してるけど、たしかに使うほどグングンと育つみたいな感じで、9番らしいストライカー。矢野のほうがずっと体格は恵まれているんだけど、爆発力を感じさせるのは岡崎。
●山田直輝の18歳代表デビューはスゴいけど、まだなんとも。香川の真価が見抜けないワタシの目は曇っている。
●こうしてみると、ニッポン代表はやはり左サイドバックが手薄。長友の離脱があっただけで、本職とはいえない今野が先発になる。駒野は左もできるが、本来の右でプレイしたにもかかわらず少し元気がないのが気になる。
●このメンバーで常にこれだけできるのなら中村俊輔のポジションはなくなるのだが……。本番のウズベキスタン戦ではどんな中盤になるのやら。

May 27, 2009

削らないで、みんな仲よく~

●遅まきながら録画しておいたアジア・チャンピオンズ・リーグのハイライト映像を見たが、なるほど、こういうことかと。いくつかの中国のクラブとのアウェイ・マッチが悲惨。ラフプレーが出ても主審がうまくコントロールできなくて、選手がケガをしないかということばかりが気になって、全然試合を楽しめない。ボールを前でつなぎたくないから、プレイ内容も低調になりがち。自分のクラブが出場してるわけでもないのに、相当に憂鬱な試合だった。ACLは今後まだまだどう転ぶかわからんな、と。
●告知。東急のフリーマガジン「SALUS(サルース)」で1ページコラム連載中。最新号6月号が東急沿線他で配布されてるはず。
●最近リニューアルされたSheet Music Plusで、ベーレンライター20%OFFセール開催中。6月25日まで。

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May 26, 2009

レッツゴー!クラヲくん2009 気鋭の若手指揮者編

●連続不条理ドラマ「レッツゴー!クラヲくん」第14回 気鋭の若手指揮者編

若者 「ふぅ、やっと着いた。ここが老師の住まいか。頼もう~」
老師 「なんの用じゃ、お若いの」
若者 「ブ、ブルックナーの極意を教えてくださいっ!」
老師 「修行の道は険しいぞ」
若者 「覚悟の上です」
老師 「今からブルックナーを極めるには50年はかかる」
若者 「えっ、それは少々長すぎでは?」
老師 「ならば用はない。さらばじゃ……」

May 24, 2009

レッドクリフ Part I → 三国無双2

レッドクリフ Part I●「レッドクリフ」ってなんのことかと思ったら、「赤壁の戦い」じゃないっすか。どうして「三国志」とか「赤壁の戦い」っていうタイトルにならないんだろか、と思いつつジョン・ウー監督の映画「レッドクリフ Part I」。録画でだけど。
●劉備三兄弟といい趙雲といい曹操といい日本人が抱くイメージを覆すムサい感じで「ドキッ!オッサンだらけの戦国時代」状態な配役、これが中国的センスなのかと衝撃を受けつつ、孔明が金城武っていうのは別次元でカッコよすぎやしないかとかツッコミ入れながらも、荒唐無稽な猛将アクションを堪能。あー、これ「長坂の戦い」だなあ。おお、これが尚香か、あっ、小喬だー。「赤壁の戦い」はPart IIに続くのか、そりゃそうだな。
●で、なんかこの映画、群集とか遠景とかCG全開で、しかもそのCGが最近珍しいほどかなりCGっぽいというか、もうスゴくプレステ感が漂ってる気がして、プレステ→猛将→赤壁の戦いと来たらこれしかない、埃をかぶった古いソフトを引っ張り出して遊びたくなったですよっ!
真・三國無双2●「真・三國無双2」(2001年)。もはや懐ゲー。これで「長坂の戦い」をプレイしてから「赤壁の戦い」をクリアすると、気分的には「レッドクリフ」完結。Part IIまですっかり見終わった気分になれるという不思議! 不思議すぎる不思議、謎すぎる謎! そのまま勢いで激しく張飛、周瑜、甘寧、孫尚香などさまざまな猛将を操り、「真・三國無双2」の傑作ぶりにひたすら驚嘆、わが家に猛将ブーム再到来。スゴいな、「レッドクリフ」効果。

May 22, 2009

ニッポン代表メンバー発表@ワールドカップ2010最終予選

●先週末、バルセロナの優勝決定の試合を見ようと思って楽しみにしてたら、前日にレアル・マドリッドが負けて、試合前に優勝が決まってしまったではないですか。やれやれ。
●と、欧州のシーズンが終わりつつある今。本田圭佑はオランダ2部リーグのMVPっすよ。2部リーグとはいえ、36試合で16得点は驚異的。Jリーグでもこんなに得点を獲ったミッドフィルダーはいないんじゃないか。ていうかフォワードだってなかなか日本人にはいない。生まれ変わっている予感。
●あと長谷部と大久保が所属しているドイツのヴォルフスブルクが優勝しそう>ブンデスリーガ順位表
●で、いよいよ最終予選に向けてのニッポン代表発表。キリンカップ2試合とW杯予選残りの3試合をこのメンバーで戦う、と。

GK:楢崎(名古屋)、都築(浦和)、川島(川崎)
DF:中澤(マリノス)、山口智(G大阪)、田中トゥーリオ(浦和)、駒野(磐田)、今野(東京)、長友(東京)、槙野(広島)、内田(鹿島)
MF:中村俊輔(セルティック)、橋本(G大阪)、遠藤(G大阪)、中村憲剛(川崎)、松井大輔(サンテティエンヌ)、阿部勇樹(浦和)、長谷部(ヴォルフスブルク)、本田圭佑(VVV)、香川(C大阪)、山田直輝(浦和)
FW:玉田(名古屋)、大久保(ヴォルフスブルク)、矢野(新潟)、岡崎(清水)、興梠(鹿島)

●サプライズは浦和の18歳、山田直輝が初召集されたことか。あとは広島の槙野も初代表のはず。海外組は順当なところ。香川ら岡田監督が好んで使う選手も選ばれている。なんか人数がやたら多い気がするが、5試合分だからなのか。26人全員ウズベキスタンまで連れて行くらしい。
●ニッポン代表は慢性的にセンターフォワードとサイドバックの層が薄い気がする。チョン・テセみたいなパワフルで豪快なストライカーがいたらなあ。矢野貴章には期待してる。

May 21, 2009

ゾンビと私 その7 「アイ・アム・レジェンド」

ウィルス●あの「ゾンビ」化してしまうウィルス、「レイジ・ウィルス」でも「T-ウィルス」でもなんと呼んでもいいと思うんだが、あれが日本で蔓延しだしたとき、まず起きるのはパニックではなくて、もっと陰湿な何かだと思う。
●国内第一感染者が高校生だったと報道される。すると、それが××町の○○高校の生徒だということがネット上の掲示板で伝わり、その学校の生徒や教師、感染者の家族や親戚に対して、無数の嫌がらせ電話や脅迫、イジメが起きる。××町と同じ県内の住民だというだけで、みな不潔であると忌み嫌われる。
●そうこうしているうちに、××町の住民はものすごい勢いでゾンビ化してゆく。報道で最初は1人と発表された感染者が、10人になり、100人になり、1000人になる。高機能マスクが売れ始める。一部の専門家が「ゾンビ・ウィルスはマスクでは防げません」と指摘するが、だれも耳を貸さない。それどころか、マスクを装着しない人間が非難される。メディアは迅速に対応しない厚労省を批判する。「ゾンビは人災ではないか」と追及する人まで出てくる。だが、いくら他人を批判したところで、ゾンビ人口の増大は止まらない。1万人が100万人になり、1000万人になり、1億人になる。
●すると、今度は感染から無事だった人たちが怨嗟の的になる。オレの妻は、子は、親兄弟は、ゾンビになってしまった。それなのに、あの家族は全員が無事でありけしからん。あいつらを襲え! あの家の娘をゾンビ様への供物として差し出せっ!ついに人が人を襲い始める……。
アイ・アム・レジェンド●はっ。ワタシはなにを妄想しているのであろうか。「アイ・アム・レジェンド」の話をしようと思っていたのだった。リチャード・マシスンがホラー小説「アイ・アム・レジェンド」を書いたのは1954年のこと。もう半世紀以上前だ。この小説は長く「地球最後の男」の題で親しまれてきたが、最近ウィル・スミス主演で「アイ・アム・レジェンド」として映画化されたことから、原作の書名も「アイ・アム・レジェンド」に変わっている。これはゾンビ小説ではなく、吸血鬼小説で、自分以外の全人類が吸血鬼と化してしまったというシチュエーションで話が進む。
●吸血鬼は日光に弱い。そこで主人公は昼は自由に行動できる。夜は自宅に立てこもる。ちなみに、この主人公は結構クラヲタで、夜になるとベートーヴェンとかブラームスとか、レコードを聴いてるんすよ。バーンスタインの交響曲第2番「不安の時代」とかも聴いてる。そりゃたしかにこれほど不安な時代はないよなー。しかし1954年の小説でですよ。まだステレオ録音がない頃なのに、もうバーンスタインの最新作を聴いている。
●死者がよみがえって吸血鬼になる。吸血鬼は人を噛む。噛まれると吸血鬼になる。これってゾンビっぽくない? というか、これがゾンビ誕生のモデルとなったのかもしれない。映画版の「アイ・アム・レジェンド」では、思い切ってこの「吸血鬼」を「ダーク・シーカー」という化け物に設定を変更しているのだが、これはどこからどう見てもゾンビ。それも最近の「走るゾンビ」同様の、凶暴で素早いヤツで、こいつらに出会ったら勝ち目はない。
●が、救いがひとつある。もとが吸血鬼だっただけに、こいつらは日光の下では活動できない。夜行性ゾンビなのだ。もしゾンビに日光という弱点が与えてもらえるのなら、ワタシたちはどうすればいいのか。生存戦略上、日照時間の長い地域が有利である。日照量の多い赤道直下を目指すべきなのか、あるいは白夜を求めて北欧や南極圏に行くのか、それとも渡り鳥のように季節ごとに最適な土地を目指すのか。来るべきゾンビの襲来に備えて、ワタシたちは準備を怠ってはいけない。

参考:
渡り鳥は山を越えて~月別・緯度別の日照量シミュレーション付き (Junkyard Review)

不定期連載「ゾンビと私」

May 20, 2009

ヴィヴァルディのRV177

●最近カルミニョーラのCDを聴いてて気づいたこと。ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲ハ長調RV177の第一楽章は、オペラ「オリンピアーデ」のシンフォニア(序曲)の使いまわし。あ、逆なのかな。オペラ「忠実なニンフ」(La fida ninfa)のシンフォニアと同じとも言える。気に入ったメロディは何度でも。
●確認するために「オリンピアーデ」のシンフォニアを探してみたら、ウチに3種類あることに気づいた。アレッサンドリーニ/コンチェルト・イタリアーノの全曲盤(Opus111)と、ヘンゲルブロック/フライブルガー・バロックオーケストラの序曲集(DHM)、それからホグウッド/ラルテ・デラルコのシンフォニア集(DHM)。アレッサンドリーニもヘンゲルブロックも切れ味鋭い快速系で気持ちいいんだけど、カルミニョーラは意外と遅くてていねい。でもこれがいちばん生き生きとしていて、カッコいいな~。ていうか、曲そのものが最強にカッコいいんだけど。
●DHMの2枚はどちらも例の50枚組ボックスに入っていたわけで、まさかこんな曲がダブって入っていようとは。

May 19, 2009

「わたしたちが孤児だったころ」(カズオ・イシグロ)

LINDEN日記でファビオ・ルイージがイギリス人作家カズオ・イシグロの愛読者だと知って、この指揮者に対する好感度が上昇中。
●「オレは正しい。でもこの世はバカばっか!」。そういう世界観を持つ人にはカズオ・イシグロの小説はまったくおもしろくない。むしろ不快だろう。これまでに当ページでも「日の名残り」「充たされざる者」「わたしを離さないで」をご紹介しているが、基本構造はどれもおおむね同じ。一人称視点で描かれるが、主人公はいわゆる「信頼できない語り手」となっている。最初、世界はとても美しく、しばしばノスタルジックである。読者は無条件に主人公に共感する。ところが読み進めるうちに、どんどんとこの主人公の視点に対して疑問がわいてくる。そして、しまいには人間の呆れるほどの独善性や自己愛の強さが猛烈イジワルに明らかになってくる。ああ、なんてイタい存在なのでしょうか、ワタシは。と心地よく痛感するための一人称小説。
わたしたちが孤児だったころ●旧作だが「わたしたちが孤児だったころ」(ハヤカワepi文庫)も、そういう物語だ。前作「充たされざる者」が世界的ピアニストを主人公にした実験的小説で(カズオ・イシグロは音楽に造詣が深いようだ)読者を強く選ぶものだったが、「わたしたちが孤児だったころ」は万人が安心して読める。特に舞台が日中戦争中の上海となれば、日本人にとっても興味深いのでは。
●この「わたしたちが孤児だったころ」の主人公は、上海の租界で少年期を過ごしたイギリス人の探偵(!)という設定。なんと、「信頼できない語り手」の当人が探偵とは。探偵小説へのオマージュなのか。ある出来事を境目にして、終盤から物語の風景が変わって見えてくるのだが、そこからは少々「充たされざる者」風というか、かなり大胆な手法が使われている。主人公の目的であった「少年時代に別れた両親を探すこと」と「世界を救うこと」の境界が曖昧になり、秩序だった世界に急激に混沌が訪れる。主人公は狂っているのか? それともこれが戦時における現実感なのか。カズオ・イシグロは三人称視点で主人公がおかしくなってゆく姿を描かない。代わりに一人称でこれを読者に自分自身のこととして体験させる。だれよりも大切で愛しい自分という者の姿が、こんなに醜く痛々しいものだったなんて! 背筋がゾクゾクとするような真実の描き方だ。やれやれ。なんという傑作。「自分探しの旅」をしてる人には劇薬だな、こりゃ。
●「充たされざる者」にも出てくるんだけど、どうしようもなく鈍感で慇懃無礼な人物を描くのが好きみたいっすよね、カズオ・イシグロは。どす黒い善意っていうかな。この手の人物が出てくる場面は、笑うところ。顔を引き攣らせながら。

May 17, 2009

横河武蔵野FCvs刈谷FC@武蔵野陸上競技場

カメラ忘れたから去年撮った写真●今シーズン、仕事等と重なりまくって欠席続きだったが、ようやく2試合目観戦。横河武蔵野FCvs刈谷FCへ。せっかく後援会に入ってるんだからもっと通わねば。ちなみに後援会特典の携帯ストラップ愛用中。
●お天気ももうひとつということで、観衆523名。多いときは1000人超えるのでやや寂しいか。でもまあ、JFLとしてはまずまずの人数。なんと、アウェイ側のFC刈谷応援席に某レコード会社の方がいらっしゃっていて驚く。今、局所的に静かなJFLブームが!(笑)
●驚いたといえばFC刈谷側のベンチ前に立って選手に指示を出していた長身のブラジル人。あれ、ここ日本人監督じゃないんだっけ? なんか元FC東京のアマラオに似てるなあ……ていうか、アマラオ本人だよ! キング・オブ・トウキョウがキング・オブ・アイチに!? 調べてみると確かにアマラオがコーチとなっているが監督ではない。謎。JFLってこういう意外な発見がしばしばある。
●試合は2-0で完勝。スーパーゴールを見た。前にワタシが見た試合でも印象に残った選手として挙げていたんだけど、中盤左の6番、遠藤真仁。JFL離れしたテクニックがあって、この日はゴール前25m(想像)くらいの直接フリーキックを決めた。最近、少しはやっているタイプで、相手の壁の手前に味方3人くらいが膝をついて並ぶっていうフリーキックがあるじゃないですか。ボールの出所をキーパーから隠す作戦。あれをやったんすよ。「えー、そんなスーパーゴールみたいなのを3部リーグでマネするわけ?」と失笑した人がいたとしたら、その人は猛省するしか。見事にゴール右上の隅に突き刺さるゴール。あれはJ1でもめったに見られないフリーキックだった。伝説。
●横河武蔵野は左サイドの新戦力が効いている。中盤左にこの遠藤がいて、その後ろの左サイドバックの斎藤広野がまた実に上手い。昨シーズンと比べると、左サイドの攻撃力は格段に高まった。その分、失点も増えたかもしれないが、攻守のバランスはいい。現在2位につけている。今年からJFL前期4位以内だと天皇杯に出場できるそうなので、これはかなり期待大。
●よく欧州でプレイしている選手が「2部リーグは1部と違って技術の高い選手はいないから、みんなフィジカル勝負でガンガンと当たってくる。屈強なヤツが勝つ。当たりだけなら1部以上に激しい」みたいなことを言う。これ、日本とは全然違う。J1とJFLだとむしろフィジカルがいちばん差がある。JFLにも「どうしてJ1やJ2でプレイしていないの?」と思うほどテクニックのある選手はときどきいるんだけど、全体として選手は小型なんすよ。160cm代の選手なんてぜんぜん珍しくない。武蔵野の左サイドだって、斎藤広野が164cmだから、遠藤真仁の173cmが大きく見える。これがニッポン代表だと華奢に見える中村俊輔だって178cmあるわけだ。欧州に比べて日本では「デカくて強い」ことの価値が相対的に高いという、体格差を見れば明らかな結論を改めて実感。
●次のホームゲームは駒沢開催。これは遠いから悩むな。というか、新横浜のマリノス戦からすっかり足が遠のいてしまっているが……まあ、しょうがないか。

May 15, 2009

男だけが知っている秘密

全品20%UPセール中!●街中を歩いていると、いろんなファッションビルとかこじゃれたお店とかがあるじゃないですか。たぶん、ほとんどの女性の方は街で買い物をしていて気づいていないと思うのだが、ああいったお店には女物の服を売っているお店は無数にあるけど、男物の服を売っている店は極端に少ない。女物の洋服を売っているお店と男物の洋服を売っているお店の比率は、控えめに見積もっても10対1くらいの大差がある。
●でも男性と女性の人口はほぼ1対1なんすよ。それなのに洋服店はこんなに差があるのはどうしてなのか、世の女性たちは不思議に思っていないのだろうか。実はこれは男たちだけが知っている秘密なのだが、男は基本的に服は着ません。女性の前に出るときだけはなにか着用するけど、ひとりのときはみんな全裸。ああ、バラしてしまった……。

May 14, 2009

美しい5月

近所の公園で●一瞬訪れた美しい5月、しかし雨が降ったり、雲がムクムクと分厚く空を覆ったり、晴天のようでなく晴天でなく、しばしば曇天、猛烈に満喫したい美しいはずの5月、なのに日照時間低まってて、せめて今日はスッキリ晴れ上がってほしいのだがどうか。
●バルセロナvsビジャレアル戦@リーガ・エスパニョールの観戦ポイント。ビジャレアルのロッシがほとんど完璧なシュートを打つ、しかしバルセロナのキーパー、ビクトル・バルデスが人間離れした反射神経で片手を伸ばしてパンチングで防ぐ。コーナーキックへ。そのときロッシはゴール前でほとんど意識レスにビクトル・バルデスに手を掲げ、ビクトル・バルデスもこれに応えて片手で軽くタッチする。カッコよすぎる! 敵味方でハイタッチみたいな感じなんだけど、あまり手を高く上げないでさりげない感じなのがいい、よすぎる、あまりによすぎる。悶絶。
●ワタシもやってみたい。ビクトル・バルデスになった自分とロッシになった自分をそれぞれ10回くらい超満員の脳内カンプノウ・スタジアムで妄想してみる。ていうか、これに似た場面、リアルでなかったっけ、前に草サッカーしてるときに。あった気がする、そうだあったのだ、あのゴールはたしか渋谷区スポーツセンターの……いやいや、それはさっきまで反芻しすぎていた妄想スタジアムの一場面なのでは。記憶はこうして捏造されるんです、脳科学的に証明されてるんですね。暴走するサカオタの神プレイ空想メカニズム。
●梅雨入りまでに美しい5月を満喫できますように。

May 13, 2009

映画「つぐない」(ジョー・ライト監督)

映画「つぐない」●WOWOWの録画で映画「つぐない」を見た(ジョー・ライト監督)。文句なしの傑作。これは以前にもご紹介したイアン・マキューアンの小説「贖罪」が映画化されたもの。マキューアンの「贖罪」はタイム誌のオールタイムベスト100にも選ばれるくらいの名作なんだけど、これを映画化すると聞いたときは「果たしてうまくいくのかな」と疑問に思った。というのは、「贖罪」はマキューアンとも思えないくらい美しくて痛々しいノスタルジックな恋愛小説なのだが、現代においてそんなテーマをそのまま小説にするのは難しい。そこで、マキューアンは主人公を小説家志望の女の子と設定することで、物語にメタフィクション的な構造を持たせた。女の子は物語の中で「いかに小説を書くか」を考える。すなわち、小説それ自体がいかに小説を書くかという問いでもあり回答でもあるわけだ。
●それを映画にするとどうなるか。小説家志望の女の子を映画監督志望の女の子に変更すればいいのだろうか。だがそれではオースティンの「高慢と偏見」風の背景など、物語の根幹が成立しなくなる。ジョー・ライト監督はあえて原作にきわめて忠実な脚本を採用して、それでいてマキューアンのテーマを映画の中でなんとか再現させてみせた。もちろん、映画だから、物語の外側よりも圧倒的に内側に焦点が当てられることになるので、素直に「贖罪」、人の過ちと贖い、時の不可逆性、自己肯定と自己欺瞞の境界について考えさせられることになる。
●うまいなと思ったのは、少女時代の主人公をやたらと利発そうで早熟な感じの女の子が演じているのに対し、18歳に成長して登場するときは実に凡庸で冴えない感じの女のコが演じているところ(でも一目で同一人物だとわかる)。こういうのは映画ならではっすよね。こんな調子で、全般にひたすら美しくてイジワル。すばらしい。

May 12, 2009

フリーハグを超えて

●コンサートに行こうと思って原宿に出かけた、そしたら見かけたんすよ、Free Hugs って書いた紙を持って並んでいる若者たちを。そうかあ、これがウワサに聞くフリーハグってヤツなのか……。まあ、日本人はフツー友人と挨拶するときにも身体的に接触しないけど、見知らぬ人同士がハグしあうというっていうのはステキなことかもしれん、なんていうか、無償の愛、温もり、優しさ、ラヴ・アンド・ピース、肌と肌で感じあう癒しと安らぎっていうかな、笑顔と笑顔で抱きしめあうってすばらしいじゃないですかっ、きっと。
●でもな、どうかな、あの若者たちはワタシみたいなオッサンでもウエルカムなのかな、ていうかあの人たち全員野郎どもだし、一瞥した感じ、どっちかって言うと怖そうな感じがするし、実際みんな遠巻きに眺めてて誰もハグしてないよ、近寄りすらしてない、大丈夫かな、でもそれを言うなら己のほうこそ怪しさ全開でどっちもどっちだろうって気がするわけで、この自分の腰の引け方はフリーハグ精神から100万光年くらい遠い。自分の心はなんと邪なことでありましょうか、もっと清らかな心で世の中を眺めたいものです、そう思っていたところに見つけた映像。
Free Hugs Prank: $2 Deluxe Hugs
deluxehugs.jpg「フリーハグ」じゃない。なんと2ドルで「デラックス・ハグ」。そうか、これだっ! 無料サービスより断然有料サービスがいいに決まってるじゃないか!さっそく、練習して習得したい、スーパーでスペシャルでエクストラな「デラックス・ハグ」を。

May 11, 2009

ゾンビと私 その6 「大西洋漂流76日間」

●前回の「イントゥ・ザ・ワイルド」で書いたように、人類が次々とウィルスに感染しゾンビ化してしまった場合、おそらく荒野というのは安全な地となりうる。しかしそれはもともと荒野が人間にとって生存困難な苛烈な土地であるからにすぎない。では荒野以外にゾンビ化を免れる安全地帯はないのだろうか、といえば実はある、あることはあるのだ、たっぷりと。
●地球においてもっとも活動的な種族が人類であるというのは大きな勘違いである。この地球において、海は地表の71%を占める。陸地よりも断然海のほうが広い。地球とは魚類の惑星なのだ。地球上の大半を占める海において人類は生息しておらず、人類がいないということはゾンビもいないということに等しい。そう、今後たとえ人類がウジャウジャと総ゾンビ化したとしても、地球上のほとんどの地域はなにひとつその姿を変えはしない。じゃあ、海ならワタシたちは生きていけるのか。
「大西洋漂流76日間」●その疑問に答えるためには、スティーヴン・キャラハンが自らの体験を綴ったノンフィクション「大西洋漂流76日間」(ハヤカワ文庫NF)を読まなければならない。小型ヨットに乗った著者キャラハンは大西洋上で嵐に襲われる。ヨットは沈没し、キャラハンは救命ボートで脱出し、ボートに積んだ最低限の装備とともに海上に一人放り出された。ここから壮絶なサバイバルが始まる。書名にあるように76日間という史上まれに見る長期間の漂流が続く。
●水はどうする、食糧はどうする。嵐が来たらどうなる、サメはいるのか、夜はどんなに恐ろしいのか。そんなワタシたちが想像する問題以前にある恐怖として、著者は残酷な統計を読者に示す。遭難者のほとんどは3日で死ぬ。つまり食糧や水が尽きる前に、どこまでも続く大海原で孤独に漂流するという絶望に耐えられなくなるという。ではキャラハンがなぜ76日間も生き延びたかといえば、それは最悪の事態を前もって想定していた準備周到さと、いざ最悪の状況に陥ったときに可能な手段の中から冷静に最善の方策(1%でも自分が生き続けられる可能性の高い選択肢)を選ぶ強い精神力と知性に恵まれていたから。
●サバイバルキットには簡易な飲料水製造機が積んであった。これは海水をわずかづつ太陽熱で蒸溜して真水(といってもまだかなり塩分が高いようだが)を作るという、原理からしても相当に頼りなさそうなものだが、この扱いの難しい装置を苦心して使いこなして飲料水を確保し、生存に必要な最低限を日々飲み続ける。
●食い物はどうするかといえば、それは魚だ。海上に浮かぶボートは、海の生き物から見れば小島である。漂流するうちに底面に貝類や藻類が付着し、それを食べる小魚が集まり、それを目当てにまた魚が集まる。ボートに周りには常にシイラが群れを成し、シイラたちはボート目がけて体当たりを続ける。もしキャラハンがボートから投げ出されれば(あるいはボートが修復不可能なほどに破損すれば)、彼はシイラの餌になるだろう。だがそれまではキャラハンがモリでシイラを獲る。ここには「食うか食われるか」という自然界の基本的な関係がある。
●最初はシイラの一匹を仕留めるのにも大変な苦労をする。しかし何十日も漂流するうちにシイラの捕獲は日常となる。そのうちボートと並んで泳ぐシイラの一匹一匹を区別できるようになる。そして最後の最後、絶望的な場面ではそれまで敵対関係にあったはずのシイラがまるで自分を獲れとでもいうかのようにキャラハンに向かって腹を差し出してきたというのだ。「食うか食われるか」というのは同時に「どちらかがどちらかを食べさせてもらうことで生きる」ということでもある。敵対関係は共生関係の礎なのだ。
●ゾンビの恐怖はここにある。彼らはワタシたちと敵対関係しか作らない。ゾンビはわれわれを喰う。ゾンビを喰うものはいない。そして何より恐ろしいのは、ゾンビは別に人を喰わなくても生きていられる点だ。彼らはいかなる共生関係も必要としない。捕食相手を根絶させてしまっても困らないという反自然性が、その恐怖の源になっている。
●キャラハンが76日間を生き延びた母なる海もまた、荒野と同じようにワタシたち人にとって過酷な場所であった。都市では今後感染者がますます増えていくことはまちがいない。ワタシたちはどこへ逃げればよいのか。

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不定期連載「ゾンビと私」

May 8, 2009

レアル・マドリッドvsバルセロナ@スペインリーグ

バルセロナ●いやー、久々にテレビでちゃんと(?)サッカー観戦。スペイン・リーグの「クラシコ」ことレアル・マドリッドvsバルセロナ戦が大変なことになってて、なんと2-6のスコア。バルセロナ圧勝。
●でもなんというかな、驚きはスコアじゃないんすよ。とにかく両者とも異様にボール扱いが上手い。あまりにも狭いところでピシピシとパスが通るから、特にバルセロナのボール回しは(倒錯的だが)「ウィイレ名人による神プレイ」を思わせる。そんなワンツー、ゲームでしかできないだろ!みたいなプレイが現実に。
●試合開始早々から両チームとも超ハイテンションで飛ばしてきて、イグアインのゴールでマドリッドが先制した時点では「これはキツい試合になりそうだな」と思ったのだが(バルサ視点で見てる)、その後すぐにアンリの実にエレガントなゴールでバルセロナが追いついた。バルサのゴールはどれも美しかったが、アンリの2点目とメッシの2点目が特にすばらしい。

レアル・マドリッド 2-6 バルセロナ ゴールシーン
http://www.youtube.com/watch?v=6r4_2uMpzKI

●近年、チャンピオンズリーグなどを見ても明らかにイングランド勢が他を引き離している感があるけど、今のバルセロナなら伝説を作れるかもしれない(伝説ってのはそうだなあ、6-0くらいで勝つとか。でも0-6で負けて伝説になる可能性だってある)。チャンピオンズリーグ決勝は5月27日(水)の27:45~。バルセロナvsマンチェスター・ユナイテッドは現在考えられうる最強カードだろう。地上波でも生中継してくれると思うが、夜更かしも早起きもできない時間帯(しかも平日)なので、なにかと大変。セルフ情報統制しなければ。

May 8, 2009

熱狂の後に~金沢篇

lfjk2009.jpgラ・フォル・ジュルネ金沢のことも書いておかねば。去年もそうだったんだけど、金沢に行くとみんな異口同音に「金沢ならではのラ・フォル・ジュルネにしなければ」って言う。だからワタシもついほとんどオウム返しに「金沢ならではのラ・フォル・ジュルネを見たい」とか言っちゃったりしてたんだけど、今回少し気づいた。
●能とモーツァルトのコラボレーションとか、会場前で和服美女がお茶をたててるとか、邦楽専用ホールで室内楽を演奏するとか、そういうギミックは確かにあったほうがいいし大歓迎なんだけど、これらが金沢らしさになっているわけではないね、おそらく。本質的には(東京に比べて)街も会場も小さいってことが、重要なんだと思う。今回のラ・フォル・ジュルネ金沢は、ぶらっと音楽堂にやってきて当日券を買うだけでも十分に楽しめる程度に席に余裕があったし、その一方で人気の公演は満席で、公式発表によるとあの超絶大混雑した前年よりも今年のほうが総来場者数は多かったんである(公演数は増えたから)。何を聴くにも、食べるにも、休むにも、移動するにも、ぜんぜんストレスがない。ホールの音響もいい。快適に音楽を楽しめる。
●これ、街の規模が今の数十倍だったら、そうはいかなかったと思う。東京で同じことはムリ。1500席の音楽専用ホールをメイン会場にできるのも、ホールとホールの間を5分以内で移動できるのも、他の会場で終演が遅れたからとお客さんが入ってくるのを待っててあげれるのも、サンドイッチを待ち時間ゼロ秒で買えるのも、休憩するためのイスを探してウロウロしなくて済むのも、街がこの規模だから。
●チケットの買い方にしても、この街では「当日」から逆算して考える人が多いんじゃないか。当日券でも買えるかな→心配なら当日早めに行って買おう→それも心配なら前日までに買おう→それすら厳しいならもっと前もって買おう……。発売日の発売開始時刻にあわせてチケットをゲットみたいな人はおそらくかなり少数派。
●ほかにもいろいろユルいんすよ。当日券が売り切れて、でもまだお客さんが並んでいたら、立ち見でも入れるとかっていうのは、中小都市じゃ普通の感覚だと思う。ナントでも立ち見とか通路で座って聴いてる人をたくさん見かけたけど、あれと同じ。セキュリティも厳重にはほど遠い(行儀の悪い人の存在を前提としていない)。関係ないけど、自分が在宅のときに、家のカギをかけてないでしょ、金沢の人々。東京じゃ在宅時でも二重三重にカギかけて全員セコムしてますよー(ややウソ)。
●そういう意味で今回の音楽祭はナチュラルに「金沢らしさ」全開だった気がする。ワタシはこの街の生まれだから、いたるところで「あー、そういえば、ここはこうだったんだ」と思い出すというか納得したんだけど、逆に東京スタンダードのノリで見ると不合理に見えたりすることもきっとあるにはちがいない。幼児がうるさいとか怒る人がいませんように。いずれにせよ「ラ・フォル・ジュルネ金沢」が東京の縮小コピーになる心配は要らなさそう。
●来年は金沢も「ショパン」ではあるけど、そのままショパンだとOEKの公演が協奏曲2曲だけになってしまうので、なにか独自にテーマを広げるってことなんでしょか?

May 7, 2009

熱狂の後に~東京篇

●「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2009」最終日、全公演が終わったらもう午後11時過ぎ。関係者向けフェアウェルパーティに一瞬だけ顔を出して、午前0時を少し回ったところで、終電を目がけて慌ててダッシュ。
lfj2009yatai.jpg●今回の東京の「ラ・フォル・ジュルネ」、本当にスゴかったすよね、中身が。これまでの5回のなかでぶっちぎりの断トツで魅力的な公演が並んでいて、もう今後これに匹敵するほどのプログラムはないんじゃないかと心配になるくらい。特に古楽方面が恐ろしく豪華だった……。
●とかいいながら、実際にはほんの数公演しか聴けてないわけだが、それでもいくつかは格別の感動があったから自分用メモ。
●ビオンディ/エウローパ・ガランテの「四季」(4日)。ビオンディはラテン的に太ったなあ……。でも貫禄がついてきてカッコいいとも言える。音楽的にもそう。ラ・ヴェネクシアーナのブクステフーデ「われらがイエスの四肢」(4日)。この曲でこんなに盛り上がるのか! お客さんが熱狂していた。カウンターテナーが歌いながら指揮。一部寝不足で集中力を欠いてしまったのが悔しい。ラ・レヴーズのラインケン「音楽の園」より&ブクステフーデのソナタ(5日)。永遠に聴き続けていたいほどの心地よさ。最後の夜の公演は躊躇レスにBCJのヨハネ受難曲へ(5日)。胸がいっぱいになる。これこそバッハ、これこそ音楽。最高のヨハネだった。
●来年の「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」のテーマはショパンと発表された(参照:来年のテーマはショパン!)。生誕200周年ということでもともとショパンイヤーなのが、ますますショパンな年になりそう。ちなみに、ワルシャワでも「ラ・フォル・ジュルネ」を開くんだとか。ルネ・マルタン氏は「ナント、東京、金沢ともにショパンをテーマにするけど、金沢については少し独自性を持たせることになる」とも言っていた(5日記者発表)。

May 2, 2009

本日よりラ・フォル・ジュルネ・モード

●「ラ・フォル・ジュルネ」期間中は当欄は不定期更新で。今年も公式レポートをご覧いただければ幸い。
●昨夜はレセプションと前夜祭コンサートへ。今年からホールAはステージの左右にスクリーンが設置されている。
●会場内のOTTAVAさんのブースには、4日(終日何度か)、5日(午前中と夕方2回)くらい登場する予定。金沢からも3日の昼に一度電話中継あり。
●本日はこれから「ラ・フォル・ジュルネ金沢」へ出発。荷造りしたらカバンの中が充電器だらけになってる。カメラの充電器、携帯電話の充電器、モバイルPDAの充電器。シェーバーの充電器……は要らないか、一泊だし。

May 1, 2009

旅人フットボーラー、ACLの海外組

●先週の試合なんだけど、アジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL)の鹿島アントラーズvsシンガポール・アームド・フォーシーズFCのハイライト映像を見てたら、なんと、深沢仁博が出場してるじゃないですか。深沢仁博(元マリノス、元新潟)と新井健二(元新潟)が先発、シンガポール・アームド・フォーシーズの一員として。
●深沢は96年にマリノスに入団した攻撃的MFで、一時アルゼンチンやスペインに渡ったりもしていた。ドリブルに持ち味があって活躍を期待してたんだけど、巡り合わせの悪さか、マリノスでは才能を発揮しきれず。で、J2時代の新潟に移籍して実績を残したものの、新潟がJ1昇格すると出場機会が激減。戦力外通告を受けて、Jリーグのトライアウトを受けるが、JFLからも地域リーグからも話がない。
●ここでサッカー界から姿を消す選手は山のようにいると思う。しかし深沢はアメリカでのオープントライアウトに申し込んで、自力で渡米、代理人なしでカナダのクラブと契約。その後タイ・リーグに移籍して、さらにシンガポールの強豪クラブへ。そして、こうしてアジア・チャンピオンズ・リーグの晴れ舞台に出てきて、ふたたびJリーグのクラブと対戦することになった。これはものすごく充実したサッカー人生だと思う。
●ワタシは知らなかったんだけど、新井健二のほうはさらにシンガポールでは大活躍しているようで(シンガポール選抜に外国人枠で選ばれてロナウジーニョ入りのブラジル五輪代表と対戦している)、「海外組」といってもいろんな選手がいると改めて認識。彼らこそ「旅人」なのでは。


参考:JリーグOBリレーコラム 「サッカーと私」第22回 深澤仁博
過去記事:僕たち「海外組」がホンネを話した本(秋元大輔編著)

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