amazon
April 9, 2026

東京・春・音楽祭 ワーグナー「さまよえるオランダ人」演奏会形式

東京・春・音楽祭 ワーグナー「さまよえるオランダ人」
●7日は東京文化会館で「東京・春・音楽祭」のワーグナー「さまよえるオランダ人」演奏会形式。アレクサンダー・ソディ指揮N響。近年、ワーグナーシリーズといえばヤノフスキだったが、今回はソディ。歌手陣はカミラ・ニールンドのゼンタ、ミヒャエル・クプファー=ラデツキーのオランダ人、タレク・ナズミのダーラント、オッカ・フォン・デア・ダメラウのマリー、トーマス・エベンシュタインの舵手。合唱は東京オペラシンガーズ。休憩なしの上演方式。ゼンタのニールンドが絶唱。ダイナミクスの幅が史上最大レベルで、強靭さが最強に強まっていた(←強を一文で3回使うテスト)。演技なしの純然たる演奏会形式ということも手伝って、ゼンタが何物にも動じない超然としたキャラクターに思えてくる。人間的な苦悩を抱えたオランダ人よりよほど超越的。
●ソディとN響のコンビは期待以上。なにしろこれまでがヤノフスキの鉄壁のアンサンブルによる緊密なワーグナーだったので、それに比べると開放的でダイナミック。テンポが速く音楽が停滞しない点は同じだけど、勢いがあり、ここぞというところでエネルギーが噴出する。とくに第3幕はスペクタクル。合唱はパワフル。自分はなじみがなかったのだが、序曲と第3幕のおしまいは初稿が用いられていたそうで、第3幕の終わり方は唐突な感じ。
●休憩なしで2時間強。終盤、退席する人の姿がちらほら。客席の多くは年配男性なので、しかたがない。
●オランダ人には名前がない。本当はあるはずだけど、オペラでは一度も呼ばれない。これは名乗ることができない騎士ローエングリンと対になっていると思う。

April 8, 2026

東京芸術劇場新芸術監督 岡田利規(舞台芸術部門)&山田和樹(音楽部門)就任記者発表会

geigeki202604press.jpg
●1日は東京芸術劇場で新芸術監督の就任記者発表会。今年度から芸術監督は舞台芸術部門の岡田利規と音楽部門の山田和樹にふたり体制になる。登壇者は岡田利規、モナコからオンライン参加の山田和樹、東京芸術劇場の鈴木順子副館長。少し驚いたのは会場が地下1階のロワー広場だったこと。つまり、地下鉄の池袋駅から芸劇に行く際に通る地下のオープンスペース。衝立くらいは置くのかなと思ったら、なにもなくて、通りすがりの人も見聞きできる完全にオープンな環境で行われた。開かれた劇場を目指す姿勢を示したものと理解。
●舞台芸術部門の岡田利規さんは率直な語り口が印象的。まずは「芸術の力を疑ってかかることを基本姿勢としたい。それは芸術の力を信じているから」という逆説で話をはじめ、「公共による芸術の実践は、現実に対する応答でなければならない」「現実に対して舞台芸術で応答するというコンセプトを、どれだけ明確に実践できるのか。この課題を自分自身に対して課したい」と問題意識を表明しつつも、それが容易に達成できるテーマではないことを認める。問題を簡単な話に落とし込もうとしないところがいいなと思った。今、音楽界でも世界的に公的支援が縮小する方向にあり、社会のなかで音楽家がどういう役割を果たせるのかというテーマについて語られる機会は増えているとは思うんだけど、「現実に対する応答」として音楽芸術が語られる機会はとても少ないと感じるので、その意味では刺激的でもあった。
●さらに、こういう場では珍しい発言だけど、「職員の過酷な労働環境を改善したい」と明言。現場の職員とのコミュニケーションを重視し、すでに職員ひとりひとりと面談をしたのだとか。このあたりは現場で働く人々にとっては心強いことだと思う。
●音楽部門の山田和樹さんは、「音楽監督になっていちばん嬉しいのは、岡田さんといっしょに仕事をできること」。まだ詳細は発表されていないが、10月には岡田利規×山田和樹のコラボレーション企画も予定されている。岡田さんの労働改善環境の話を受けて、「私は逆で、もっと働いてほしい。人と金には限りがある。錬金術的な発想、アイディアが必要」と答えていたのも「らしい」ところ。もちろん、これは労働環境はどうでもいいという話ではなく、バーミンガム市交響楽団で予算がカットされて苦境に陥った自身の体験に基づいて、これからは従来にないような発想が求められるということを強調したかったのだろう。
●山田和樹さんも「社会に自分たちの存在意義を証明していかなければならない時代になった」と語り、「交響都市計画」というシリーズ企画を掲げる。「交響は英語にするとシンフォニックだけど、違うものを結びつけるという意味で、ハーモニーと訳したい」。その目玉企画が5月の水野修孝「交響的変容」。伝説的な超大作をよみがえらせる。
●岡田利規芸術監督就任記念公演として、「映画を撮りたいゾンビの演劇」が挙がっていた。この作品について自分はなにひとつ知らいないのだが、かねてよりゾンビ禍について探求してきた者としては、不定期連載「ゾンビと私」のためにも観ておくべきだろうか?

April 7, 2026

アンナ・プロハスカ with ジョヴァンニ・アントニーニ&イル・ジャルディーノ・アルモニコ

TOPPANホール アンナ・プロハスカ ジョヴァンニ・アントニーニ イル・ジャルディーノ・アルモニコ
●4日はTOPPANホールでソプラノのアンナ・プロハスカとジョヴァンニ・アントニーニ(指揮とリコーダー)&イル・ジャルディーノ・アルモニコ。「蛇と炎」の副題が添えられていて、以前にリリースされた同コンビによる録音と同じ趣旨の選曲。バロック・オペラにおけるヒロイン役のアリアを中心としつつ、さまざまな楽曲が集められた凝った構成になっている。長いけど記録のためにもプログラムを書いておくと、パーセルの「ディドとエネアス」より序曲と「ああ、ベリンダ、私は苦悩に押しつぶされそう」、グラウプナーの「カルタゴの女王ディド」より「流れる水のせせらぎよ」、サルトリオの「エジプトのジューリオ・チェーザレ」より「愛したくなどない」、ロックの「テンペスト」組曲よりガリアード、リルク、カーテン・チューン、カストロヴィッラーリの「クレオパトラ」より「さらば王国よ、王位よ」、サルトリオの「エジプトのジューリオ・チェーザレ」より「私が望めば」、パーセルの「妖精の女王」よりシャコンヌ「中国の男女の踊り」、グラウプナーの「カルタゴの女王ディド」より「空はずしりと雷をたたえている……裏切りの愛の神は」「嵐にかき乱されて」、サンマルティーニのリコーダー協奏曲へ長調、ハッセの「見捨てられたディドーネ」より「嵐はもう始まっている」、ヘンデルの「エジプトのジューリオ・チェーザレ」より「何ということ、神よ!……あなたの憐れみがなければ」、カステッロの4声のソナタ第15番、カヴァッリの「ディドーネ」より「誇り高きジェトゥーリの王よ」、ハッセの「マルカントニオとクレオパトラ」より「死の凄まじい形相に」、ロッシの「ルイージ氏のパッサカリア」、パーセルの「ディドとエネアス」より「この山は狩りの女神のお気に入り」「べリンダ、手を……私が地に伏すとき」。ふー、曲目一覧だけで560字あるから、紙媒体だったら載せられない!
●いろんな作品があるけど、中心となっているのはカルタゴの女王ディドとエジプトの女王クレオパトラ。つまり自ら炎に飛び込んで命を絶ったディドと、毒蛇に己を噛ませて死んだクレオパトラを合わせて「蛇と炎」セット。アンナ・プロハスカによる「女王様の七変化」ショーといった趣で、嘆いたり怒ったり誇ったりする。プロハスカは女王の貫録、強靭でもあり可憐でもある。さらにアントニーニとイル・ジャルディーノ・アルモニコは鮮烈。キレッキレとヌルヌルの両極を自在に表現できて機動性抜群。コントラストをマックスに振った猛烈な感情表現。プロハスカが女王様なら、アントニーニは王子様……と呼ぶのは無理があるかもしれないが、そうたとえたくなるほどのカッコよさ。リコーダーだけではなくトラヴェルソも披露してくれて、縦笛でも横笛でも暴れ回るのは文字通りの縦横無尽だなと思った。サンマルティーニのリコーダー協奏曲がすごい。リコーダーでこんなに躍動感のある音楽を作り出せるとは。あと、ロックの「テンペスト」組曲で、決然としたリルクから、カーテン・チューンの祈るような優しい音楽に移る流れが鳥肌もの。アンコールは2曲、パーセルの「ディドとエネアス」より「あとの危険を恐れたもうな」、サルトリオの「エジプトのジューリオ・チェーザレ」より「私が望めば」。
●同コンビによるアルバム「蛇と炎」のリンクを貼っておこう。曲は完全に同一ではないけど、おおむね重なっているはず。


April 6, 2026

東京・春・音楽祭 東博でバッハ vol.78 小林海都(ピアノ)

夜の東京国立博物館
●2日は東京国立博物館の平成館ラウンジで「東京・春・音楽祭」のミュージアム・コンサート「東博でバッハ vol.78 小林海都(ピアノ)」。プログラムがいい。前半にクルターグの「ピアノのための遊び」より「J.S.バッハへのオマージュ」、バッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻より第21番変ロ長調、第8番変ホ短調、第13番嬰ヘ長調、平均律クラヴィーア曲集第2巻より第4番嬰ハ短調、ラヴェルの「クープランの墓」よりフーガ、バッハのフランス組曲第3番ロ短調、後半にバッハのイギリス組曲第3番ト短調、ブゾーニ編の無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番よりシャコンヌ。冒頭のクルターグは開幕のジングルみたいな短い曲。ラヴェルの「クープランの墓」のフーガをはさむ構成も効果的。
●夜の閉館後の博物館の雰囲気にふさわしく、全般に短調寄りの選曲。端正で格調高いバッハ。当初の発表からフランス組曲第3番とイギリス組曲第3番の順番が入れ替えられた。重めでシリアスなイギリス組曲を後ろに置いたということか。この日の圧巻はそのイギリス組曲第3番。次第に熱を帯びて、じわじわと高揚する。おしまいのブゾーニはバッハの宇宙を飛び出してロマン派ヴィルトゥオジティの別世界へ。アンコールにパルティータ第1番よりサラバンド。
●平成館ラウンジの響きは独特で、床からは音が強く反射する一方、天井側からの音の返りはほとんどなく、床の近くだけで鳴っている感じで、くぐもった骨太の響きになる。ピアノをきれいに響かせるのは難しい場所だけど、それでも東博という場には特別なオーラがある。閉館後の博物館に足を踏み入れるのはワクワクする体験。
●フランス組曲とイギリス組曲、どちらもバッハが名付けたものではないとはいえ、早くからこの名称は定着していたようだ。それぞれフランス風にもイギリス風にも感じない。フランス組曲というのなら第1曲に荘重なフランス風序曲が置かれていてもよさそうなものだが(管弦楽組曲のように)、6曲すべてがいきなりアルマンド(ドイツ風)から始まる謎。本当は6曲とも冒頭にフランス風序曲があったのに何者かが破棄してしまい現行の形で伝わった……というミステリーを空想する。イギリス組曲のほうは、フォルケルの伝記に「高名なイギリス人のために書かれた」と書かれている。これが本当だとしたら、フランス組曲も「高名なフランス人のために書かれた」でもよさそうなものだが、どうなんでしょね。

April 3, 2026

トヨタ・マスター・プレイヤーズ・ウィーンのベートーヴェン&メンデルスゾーン

トヨタ・マスター・プレイヤーズ・ウィーン サントリーホール
●30日はサントリーホールでトヨタ・マスター・プレイヤーズ・ウィーン。フォルクハルト・シュトイデ率いる「ウィーン・フィルとウィーン国立歌劇場のメンバーを中心とした」指揮者なしの室内オーケストラ。全国各地を巡る8公演の初日。メンバー表を見ると、意外といろいろな団体に所属する人も多いのだが、それぞれなんらかの形でウィーンにゆかりがあるようで、共通の音楽文化を持つ人たちの集まりなんだと思う。最初の一音から「これは!」と思うような音が出てきて、ほとんどウィーン・フィル。来日オーケストラの公演として見るとかなりお得で、空席がもったいない。
●プログラムは前半がベートーヴェンのピアノとヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲(阪田知樹、フォルクハルト・シュトイデ、ペーテル・ソモダリ)、後半がメンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」と交響曲第4番「イタリア」 。ベートーヴェンは不思議な編成の曲のわりに、聴く機会は案外多い。名手、阪田知樹が参加。といってもピアノが前面に出るような曲ではないので、アンサンブルの一員としてともに雄大な音楽を作るといった感。指揮者がいないので、本当に大きな室内楽。後半のメンデルスゾーン、弦楽器の編成は54332だったと思うけど、そんなサイズでもサントリーホールの空間に豊麗な音が響くという不思議。弦が「薄い」感じがぜんぜんしない。指揮者はいないけど、しっかり型ができているといった様子で、安心して楽しめる老舗の味。「イタリア」はどんどんと熱を帯びて、気迫十分。みんながこの場の演奏を楽しんでいる様子が伝わってくる。
●コントラバスのミヒャエル・ブラーデラーから日本語で案内があって、アンコールにヨハン・シュトラウス2世のワルツ「芸術家の生涯」。本家ウィーン・フィルの公演と同様、本領発揮。

April 2, 2026

イングランド代表vs日本代表 親善試合

●代表ウィーク英国遠征第2戦は聖地ウェンブリー・スタジアムでのイングランド代表戦。W杯優勝候補と完全アウェイで戦う貴重な機会だが、な、なんと、勝ってしまったのだ、ニッポンが! イングランド 0対1 ニッポン。前回W杯から、ニッポンはスペイン、ドイツ、ブラジル、イングランドといったW杯優勝経験国に勝ったことになる。今回、イングランドにはハリー・ケインら主力にけが人が何人かいたが、ニッポンも遠藤、久保、南野らけが人が多数いたわけで、そこはイーブン。ちなみにイングランド代表監督はドイツの戦術家トーマス・トゥヘル。マインツ時代の岡崎慎司の監督だ。
●ニッポンは先日のスコットランド戦から大幅にメンバーを替えて、現時点でのベストメンバー。先発はGK:鈴木彩艶-DF:渡辺剛、谷口彰悟、伊藤洋輝-MF:佐野海舟、鎌田大地-堂安律、中村敬斗-伊東純也、三笘薫-FW:上田綺世。3-4-2-1というか3-2-4-1というか、ウィングバックにフォワード調の選手を置くいつもの攻撃的布陣なのだが、久保と南野が不在のため、2シャドーに伊東と三笘という、ふだんならウィングバックに入るサイドアタッカーをふたり置いたのが特徴。ウィングバックは堂安と中村。つまり2シャドーとウィングバックが完全に交換可能なのが特色で、流動的に入れ替わることができる。左サイドで三笘と中村が共存できることがわかったのは大きな収穫。これでボランチの一枚は鎌田で、そうなるとさすがにもう一枚はボール奪取能力が必要なので佐野海舟。布陣がスペクタクル。
●でも、相手は個の能力で勝るイングランド。序盤こそ精力的なハイプレスをかけたが、ボールは奪えず、ニッポンは無理せずミドルゾーンでコンパクトにブロックを敷く展開に。イングランドのボール保持率は66パーセント。体感的にはほとんどニッポンが守っていた。前半23分、三笘がボールを奪ってカウンターへ。左サイドを駆け上がった中村がドリブルで持ち込んで、中央にグランダーのクロスを入れ、これを三笘が落ち着いてゴール右下に流し込んでゴール。
●後半20分くらいまでは、ニッポンの組織的な守備がとてもよく、相手にボールを持たせながらも、自分たちのゲームをできていたと思う。イングランドはボールを持ち、シュートも多いのだが、実は枠内シュートがほとんどない。スタッツを見るとシュート21本を打って、枠内は3本。これはニッポンの守備の成功だと思う。ただ、後半20分すぎくらいからは様子が代わり、組織が機能しなくなり、耐えるだけの展開になってしまった。選手交代で瀬古 歩夢、小川航基、田中碧、鈴木淳之介、町野修斗、菅原由勢、鈴木唯人と投入されたのだが、クオリティは下がった。やっとボールを奪っても、前で収める選手がおらず、すぐにまた守備が続く苦しい展開で、終盤はほとんどギャンブル。
●ともあれ、イングランド相手にニッポンは初めて勝利できた。イングランドがアジア相手に負けたのは初めてなのだとか。さすがにここまで結果を残し続ければ、どんな強豪国も今のニッポンを簡単な相手だとは思わなくなるだろう。

April 1, 2026

METライブビューイング ベッリーニ「清教徒」(チャールズ・エドワーズ演出)

●27日は東劇でMETライブビューイング、ベッリーニの「清教徒」。演出はチャールズ・エドワーズ。METでは50年ぶりとなる新演出だとか。名作とされるわりに実演で聴く機会の少ない名作だが、このオペラのストーリーはどれくらい知られているだろうか。舞台は17世紀、内戦下のイギリス。清教徒側の娘エルヴィーラは王党派の騎士アルトゥーロと愛し合っており、これから結婚式を挙げようというところで、アルトゥーロは捕らわれていた王妃を助け出すために彼女を花嫁に変装させて逃亡する。アルトゥーロに裏切られたと思ったエルヴィーラは発狂する。このふたりの関係に、エルヴィーラに想いを寄せる清教徒側のリッカルドの思惑がからむ。こうして書いていてもわかりやすく書くのはなかなか難しいと感じるのだが、台本ははなはだ粗削りで、自分が劇場監督だったら赤字で真っ赤にして突き返すと思う。が、ベッリーニの音楽はきわめて洗練されており、優雅。抒情的な楽想が無尽蔵にわき出てくるといった様子で、なるほど、ショパンが魅了され、影響を受けたのはこれかと思う。物語より音楽が圧倒的に優位にある。
●歌手陣はエルヴィーラ役のリセット・オロペーサ(オロペサ)が圧巻。声の超絶技巧をたっぷりと。アルトゥーロ役のローレンス・ブラウンリーは、先日の新国立劇場「リゴレット」で公爵役を歌ってくれたばかり。声の甘さ、高音域での余裕が印象的。指揮はマルコ・アルミリアート。録音だから正確にはわからないけど、たぶん歌手にやさしくオーケストラをコントロール。演出はチャールズ・エドワーズ。全般にシリアスすぎるのと、独自のアイディアであるエルヴィーラを画家とみなす趣向が無理筋だと思ったが、舞台美術は荘重ですばらしい。あのエンディングはどう解したらいいんでしょうね。ハッピーエンドを嫌ったのか、どうか。
●これでベッリーニの三大傑作、「清教徒」「ノルマ」「夢遊病の女」をすべてMETライブビューイングで観たことになる。映画館なので、ライブとはまったく違ったリラックスしたモードで観に行けるのが大吉。

March 31, 2026

フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2026 記者発表会

フェスタサマーミューザ2026 記者発表
●25日午後はミューザ川崎でフェスタサマーミューザKAWASAKI 2026記者発表会。この夏もミューザ川崎シンフォニーホールを舞台に首都圏+αのオーケストラの競演がくりひろげられる。登壇は左より東京交響楽団の廣岡克隆楽団長、福田紀彦川崎市長、オルガニストの松居直美ホールアドバイザー、日本オーケストラ連盟の望月正樹専務理事、さらにモニターにはオンライン参加でピアニストの小川典子ホールアドバイザー、ピアニスト&ヴォーカリストの宮本貴奈ホールアドバイザー。毎回思うけど、福田市長が記者会見に臨席するのは立派。市長からは、音楽祭の来場者アンケートでの満足度96%という驚異的な数字を紹介しつつ、年齢を問わず多くの人々にコンサートを楽しんでほしいというメッセージ。
●オープニングコンサートとフィナーレコンサートには、いつものように東響が登場するのだが、ジョナサン・ノットが去り、今回はオープニングの指揮を新音楽監督ロレンツォ・ヴィオッティが務める。ノットは最高の成功を収めたわけだけど、後任がヴィオッティというのもすごい話。楽員にたっぷりソロで活躍してもらおうという狙いで、ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」、リムスキー=コルサコフの「スペイン奇想曲」と交響組曲「シェエラザード」というプログラムが組まれた。フィナーレは今回も原田慶太楼。ファリャの「はかなき人生」からスペイン舞曲第1番、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番(久末航)、山本菜摘の「UTAGE~宴~」、チャイコフスキーの交響曲第5番という祝祭プロ。
●今年、地方から参加するのは仙台フィル。指揮は常任指揮者の高関健。サマーミューザには2度目の登場。ショスタコーヴィチの交響曲第9番とチャイコフスキーの交響曲第6番を組み合わせたプログラム。
●その他、目を引いたのはヴァイグレ指揮読響によるワーグナー(デ・フリーヘル編)の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」オーケストラル・トリビュート。長大なオペラなので、こういったオーケストラ・ハイライトには独自の価値があると期待。太田弦指揮神奈川フィルはプログラムがおもしろい。アイヴズ(W.シューマン編)「アメリカ変奏曲」、グルダのチェロと吹奏楽のための協奏曲(笹沼樹)、サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」(澤菜摘)。新たにホールオルガニストを務める澤菜摘は会見に登場し、「サン=サーンスがオルガニストを務めていたパリのマドレーヌ教会のオルガンを弾いた経験があるので、それを思い出しながら演奏したい」と抱負を述べてくれた。

あなたのためのAI

SNS

facebook Twitter instagram

過去記事一覧

過去記事見出し一覧はアーカイブに。

月別 アーカイブ(まとめ読みに)

制作者

飯尾洋一(Yoichi Iio)

このサイトについて/プロフィール
since 1995.

MyBlogList

shortcut

CLASSICA [HOME]
home
links
amazon