
●国立新美術館で開催中の「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」へ。これ、なんだ?と思ったけど、予想外に楽しめた。パリの国立ピカソ美術館所蔵のピカソの作品をもとに、デザイナーのポール・スミスが会場のレイアウトを考案するという企画。なんというか、一方通行のコラボレーションみたいな感じなのだが、それぞれに意匠を凝らしたカラフルな各セクションを巡るのが体験として新鮮。上はピカソ「腕を重ねて座る女」(1937)。これは一例に過ぎないんだけど、絵画の内部と展示室の壁をオレンジのストライプで軽く結びつけてある。

●これは壁一面を埋め尽くす雑誌のVOGUEを背景に、ピカソが雑誌のVOGUEに落書き風に描き込んだものを展示している。ユーモラスでリズミカル。

●こちらはピカソの「ギター」(1920)。コラージュ的な作品の背景に花柄系の壁紙を貼る。微妙に漂う昭和の台所感。

●ちょうど昨日の「カルメン」の話題のあとにぴったりだが、ピカソがたびたびテーマにした闘牛のセクションから、「コリーダ:闘牛士の死」(1933)。セクション全体の壁はこの色で、牛ならずとも興奮してくる。フーッ。同じコーナーに版画連作「ラ・タウロマキア(闘牛術)」のための挿画が展示してあったけど、同じものを高崎市美術館でも見たと思う。

●これはおもしろいアイディアで、ピカソのトレードマークのボーダーシャツを山ほど天井から吊るしてある。自分も着てみようかな!(ウソ)















●こんな壮絶な試合になるとは、だれに予想できただろう。W杯2026のラウンド16のアルゼンチンvsエジプト戦。DAZNの中継からも、試合前からアルゼンチンが勝って当然のような空気が流れていたかもしれないが、始まってみればエジプトが強敵であることは明らか。相手を恐れずにボールをつなぎ、守備は組織的で、序盤は五分の展開。前半15分にゴール前でヤセル・イブラヒムが頭で合わせて先制ゴール。あれ?と思うほどアルゼンチンの守備が淡泊。これで試合がおもしろくなったと思ったら、その4分後にアルゼンチンがPKを獲得。蹴るのは39歳のエース、メッシ。だが、これを失敗! コースが甘すぎた。実はメッシはよくPKを外す。謎すぎる謎。
●ラウンド16の3日目はポルトガルvsスペイン。イベリア半島対決。この対戦カード、目にする機会が多い気がするが、いつも拮抗したゲームになる。直近7試合のうち、6試合が90分で決着がついていないのだとか。お互いにボールを保持して主導権を握ろうとするし、お互いに技術が高く、創造性が豊か。とても似ているが、決定的な違いはポルトガルにクリスチャーノ・ロナウドがいること。もう41歳。守備免除、ポジションはフリーのフィニッシャーだ。かつてポルトガル代表はクリスチャーノ・ロナウドが突出した能力を誇り、あとの選手たちは同レベルでプレイするのに苦労しているように見えたが、今では立場はすっかり逆転。クリスチャーノのところにボールが来ると、とたんにプレイが遅くなる。中盤に下がってボールを受けて、前に出してほしいところでも悠然とバックパス。サウジアラビアリーグでもこんなプレイスタイルなのだろう。フル出場。同じ「走らないレジェンド」でも、アルゼンチンのメッシ39歳がゴールを量産しているのとは対照的。
●もう一試合、アメリカvsベルギーは試合をフルに観戦していないのだが、とんでもない事件が起きたので記しておく。アメリカのエース・ストライカー、バログンは前の試合で一発レッドをもらい、本来ならこの試合に出場する資格はなかった。ところが、報道によればトランプ大統領がFIFAのインファンティーノ会長に電話をしたことで、出場停止処分に一年間の猶予が付いたのだとか。さっぱり意味がわからない。ベルギー側はFIFAの決定に猛反発。アメリカ以外のサッカー・ファンはみんな怒っていると思う。こんなにも堂々とルールを捻じ曲げて自国の利益を主張する姿勢にはあきれるほかないが、昨今、既視感のある現象でもある。アメリカのポチェッティーノ監督の意味不明な言い分にもがっかり。いっぺんでこの人が嫌いになった。
●ラウンド16の屈指の好カードがともに月曜日の朝に開かれることに。まずはブラジルvsノルウェー。ニッポンに逆転勝利したブラジルだが、実はノルウェー相手に一度も勝ったことがない。以前、ワールドカップで対戦したときも敗れている(あれはグループリーグで負けても問題ない状況だったとは思うが)。で、今回のノルウェーはハーランドやウーデゴールといった攻撃のタレントを擁し、優勝候補の一角にも挙げられている。なんと、試合はボールを保持するノルウェーと、守ってカウンターをくりだすブラジルという展開に。まさか、ブラジルがそんな戦い方を強いられるとは。ノルウェーはブラジル相手にどんどんボールを回す。それが序盤だけではなく、一試合続く。ノルウェーのボール保持率は67%、パスの本数はブラジルの倍近く。ノルウェーは怪物ハーランドの個人能力で2ゴールを奪って、ブラジルを一蹴した。
●もう1試合はメキシコvsイングランド。場所はメキシコのホーム、標高2240mのアステカ・スタジアム。空気が薄い。序盤から現代フットボールとは思えないほど選手間の距離が広く、ハイプレス合戦もコンパクトな守備陣形もなし。このスタジアムでメキシコは13年間負けていない。地の利は圧倒的にメキシコ。率いるのは元日本代表監督のアギーレ。優勝候補のイングランドも苦戦は必至。実際、「オーレ!」の掛け声とともにメキシコがペースを握っていたのだが、前半36分、サカのクロスにベリンガムがヘディングでゴール。ここはメキシコのディフェンスがルーズになっていたと思う。で、その直後、メキシコのボールロストからイングランドが攻めて、ふたたびベリンガムが2点目。この連続失点が痛かった。
●で、少し早起きしてパラグアイvsフランスを追っかけ再生で観戦。眠かったけど、試合を見たら目が覚めるかと思えば、さらに眠くなってしまうひどいゲームで、人によっては今大会最低のク○試合と呼ぶかもしれない。パラグアイは抜け目ない詐欺師のような戦い方を徹底した。5バックでベタ引きするのは問題ない。これも戦術のひとつ。ただ、ラフプレイを連発するのと、相手を挑発してレッドカードを誘発させようとしたり、審判との無用な駆け引きがあったりして、とてもVAR時代とは思えないクラシックな戦い方。最大の疑問はウズベキスタン人の主審で、パラグアイのラフプレイ連発に対して一枚のカードも出さなかった。
●この試合はしっかり見た! ワールドカップの決勝トーナメント1回戦の好カード、